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第11回杏林CCRC研究所セミナーについて

第11回杏林CCRC研究所セミナー報告


日 時:平成26年12月12日(木)13時〜15時

場 所:杏林CCRC研究所分室(三鷹市下連雀3-38-4 三鷹産業プラザ304)


タイトル:平成26年度地域志向教育研究報告

報告者: 進邦徹夫(杏林大学総合政策学部)
     岡村 裕(杏林大学総合政策学部)

    
 平成26年12 月12日(金)、杏林CCRC研究所にて、総合政策学部の進邦徹夫氏と岡村裕氏を報告者として、第11回杏林CCRC研究所セミナーが開催された。生きがいづくりコーディネーターコースを履修している三鷹市の杉本氏、研究所の蒲生、相見、松井、多田が出席した。

1.進邦徹夫「三鷹市、八王子市、羽村市におけるソーシャル・キャピタルと災害に関する研究」
 本研究では、連携自治体における災害時対応への貢献を目的として、全国各地の被災自治体における災害ボランティアセンター(VC)設置のあり方を調査した。特に、平成26年2月に豪雪災害に見舞われた山梨県笛吹市の事例を重点的に検討した。
 災害VCとは、災害時に、被災者の生活支援や災害ボランティアの調整・応援のために設けられる機関である。災害VCが制度化された背景には、阪神・淡路大震災の際にボランティアコーディネーションの重要性が認識されたことがある。災害VCの設置主体は、公設公営・民設公営・公設民営・協働型など様々である。自治体によっては設置マニュアルを整備しているが、東日本大震災では、マニュアルが機能しない場合や逆効果となる場合が存在することも明らかになった。
 連携自治体について見ると、三鷹市では平成21年にマニュアルが作成されており、社会福祉協議会が災害VCの設置・運営を行うことが想定されている。それに対し、羽村市では災害時のVC設置は決まっているもののマニュアルの整備はされておらず、八王子市でもマニュアルは作られていない。災害や自治体によって様々な条件が異なるので、どのような災害VC設置のあり方が有効であるかを検討していくことが必要である。

2.岡村裕「介護サービスにおけるTask-Shiftingの実態と課題に関する研究 —高齢ボランティアへのTask-Shiftingの可能性—」
 本研究では、介護サービスを提供する人材不足を緩和する手段として、専門性が相対的に要求されないサービスを非専門家に委ねる「タスクシフティング」の可能性を調査した。タスクシフティングは、医療スタッフが不足するアフリカを中心に導入された手段であり、その評価研究が進んでいる。日本でも、要介護高齢者の急増に対して人材や財源の不足が深刻であり、介護資源の不足問題に対処する必要性は今後高まっていく。したがって、介護分野でもタスクシフティングを検討する意義がある。
 本研究の目的は、特に介護サービス現場における高齢ボランティアへのタスクシフティングの可能性を明らかにすることである。高齢者による介護支援ボランティアについては、介護現場の人手不足緩和、高齢者の生きがい作り、自治体の介護コスト削減、の三方一両得な仕組みとして、既にいくつかの自治体で介護支援ボランティア制度が導入されるなど注目されている。そこで、果たしてどの程度の業務を、どのような条件があれば高齢ボランティアにシフトできるのかを明らかにすることが求められる。具体的な調査方法としては、都内の介護老人福祉施設を対象に郵送質問紙調査を行い、回収した調査票を集計・分析する。施設の運営体制、研修充実度、介護観などの要因と、タスクシフティングに対する姿勢との関連性についても検証が行われる予定である。

杏林CCRC研究所
松井孝太

進邦先生報告風景

進邦先生報告風景

岡村先生報告風景

岡村先生報告風景