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高齢者肺炎の特徴と対処法 講演会報告

杏林大学「地(知)の拠点整備」事業
杏林大学・三鷹ネットワーク大学 共催

市民公開講演会

高齢者肺炎の特徴と対処法

日時:平成26年11月1日(土)午後1時30分〜午後3時

場所:杏林大学三鷹キャンパス 大学院講堂

講演者:河合伸(杏林大学医学部教授)、中村貴枝子(杏林大学病院医療安全管理部師長)


 平成26年11月1日(土)杏林大学三鷹キャンパス大学院講堂にて杏林大学公開講演会「高齢者肺炎の特徴と対処法」が開催された。研究所からは相見が出席した。講演に先立ち、杏林大学広報担当者から杏林大学医学部総合医療学教室感染症科 河合伸教授と杏林大学病院医療安全管理部 中村貴枝子師長のご紹介の後、「高齢者肺炎の特徴と対処法」と題した講演が行われた。

 講演ではまず中村師長から高齢者肺炎に関連するインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチン、ノロウイルスなどについてご説明頂いた。インフルエンザワクチンはA型H1N1、A型H3N2、B型の3種が混合されたもので接種目的は発症する可能性の軽減、重症化の防止である。一方、平成26年10月からの65歳以上は定期接種となった肺炎球菌ワクチンは23種類の型(成人の重症肺炎球菌感染症原因の約7割)に効果が期待できる。ノロウイルスにはワクチンがなく、10個から100個のウイルスからでも感染することから感染者の嘔吐物や便の処理方法をご説明頂いた(東京都感染症情報センター 家庭向けパンフレット)。

河合先生講演風景

河合先生講演風景

中村師長講演風景

中村師長講演風景

 河合教授からは高齢者肺炎を中心にご説明頂いた。肺炎は日本の死亡原因第3位にあり、病原微生物を吸引することにより肺が炎症を起こす。症状は一般的に咳・痰・発熱・呼吸困難・胸痛などであるが原因となる微生物により多少症状が異なる。肺炎の中で最も多いのが肺炎球菌によるもので25〜45%にのぼる。近年、アジアでペニシリンやマクロライド耐性肺炎球菌が問題となっている。その他の微生物ではインフルエンザ菌性肺炎や若年者に多いマイコプラズマ肺炎、循環温泉水や24時間風呂に多いレジオネラによる肺炎がある。肺炎による年齢別死亡率では70歳以上が圧倒的に多く、65歳を境に高齢者肺炎について注意が必要である。
高齢者肺炎の特徴は①重症度が高い、②何らかの基礎疾患を持っているため難治化する、③ブドウ球菌など口腔常在菌やMRSA、緑膿菌などの日和見感染として発生することが多い、④嚥下機能低下による誤嚥性肺炎の確率が高いとのことである。重症肺炎を引き起こした65歳以上の93%に基礎疾患(呼吸器や循環器疾患、糖尿病など)が有った。また誤嚥性肺炎では脳血管障害を含む神経疾患や口腔内の異常、胃食道性疾患などの病態で起こしやすく、誤嚥により多数の微生物が原因になることから難治化する。そのため予防が重要である。予防には手洗い・うがい・入浴など規則正しい生活習慣、日頃の運動や1日20分程度の日光浴など体調維持、さらにワクチン接種が挙げられた。高齢者肺炎死亡率とワクチン接種の有無には、ワクチン未接種、肺炎球菌ワクチンのみ接種、インフルエンザワクチンのみ接種、肺炎球菌とインフルエンザワクチン併用の順で死亡率が減少すると報告がある。

 肺炎が脳血管障害を脱かして死亡原因3位になり今後さらに増加すると考えられる。高齢者への予防ワクチンの重要性を周知する必要がある。

杏林CCRC研究所
相見祐輝

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