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応急処置 身のまわりの危険 講演会報告

杏林大学「地(知)の拠点整備」事業
杏林大学・八王子学園都市大学いちょう塾

市民公開講演会

応急処置 身の回りの危険

日時:平成26年11月8日(土)午後1時30分〜午後3時

場所:八王子学園都市センター

講演者:和田貴子(杏林大学保健学部教授)


 平成26年11月8日(土)八王子学園都市センターにて杏林大学公開講演会「応急処置 身の回りの危険」が開催された。研究所からは蒲生、相見が出席した。講演に先立ち、杏林大学保健学部救急救命学科 和田貴子教授のご紹介の後、和田教授から「応急処置 身の回りの危険」と題した講演が行われた。

 今回の講演会では前半に和田教授より日常生活の中で頻繁に遭遇する出血、骨折、熱傷(やけど)などの身の回りの危険に対応する実際的な応急手当についてご説明を頂いた。後半では来場者参加型の実技実習体験が行われた。

和田貴子先生

和田貴子先生

実技実習体験風景

実技実習体験風景

 成人の総血液量は体重の7〜8%(体重60kgとして約4.5L)で、このうち急激に20%(約1L)を失うとショック症状(臓器不全が発生し死に至る危険もある)、30%を失うと生命に危険が及ぶ。止血が必要となる出血は動脈性出血、静脈性出血がある。動脈性出血は真っ赤な血液が噴き出すように出血し、緊急の止血を必要とする。静脈性出血は赤黒い血液が湧き出るように出血し、止血処置が遅れるとショックに陥る危険がある。いずれの場合も一般人に可能な止血法は、出血部位にガーゼや布などを当て直接圧迫する方法である。止血の際は、ビニール手袋などを着用して直接血液に触れないことが原則であるが、緊急時にはビニール袋などを手袋の代用し、手当の後に十分な手洗いを行うことなど感染症防止を留意する。
 骨折の応急手当については、安全の確保と救命処置を優先し、傷病者を不用意に動かさずに損傷部の安静(固定処置)、氷水などで冷却(20分以上継続しない)が挙げられた。骨折の固定処置の原則は傷病者の示している姿勢のまま固定する。四肢の場合、骨折部の上下の関節を動かさないように固定する。緊急時には段ボールや新聞紙、板など身近にあるものを工夫して利用することも必要である。
 熱傷(やけど)の処置は冷却が重要である。受傷したら速やかに水道の流水で痛みが和らぐまで冷却する。無理に衣服を脱がさず流水を衣服の上から直接流し、10分から15分くらい冷却する。水道水は季節によって水温が異なるため保冷剤を用いるのも有効である。手指の熱傷の場合、指輪をあらかじめ外すことが良い。受傷後時間が経つと指が腫れて抜けなくなり、指輪を切断しなければならないこともある。また熱傷の面積が重要であり、傷病者の手のひらの面積が体表面積の1%に相当し、患部に触れないで面積を測る(手掌法)目安となる。救急車を呼ぶかを迷った際は#7119(東京消防庁救急相談センター、携帯電話・PHS・プッシュ回線対応、年中無休)に連絡する。
 日常より応急手当を行えるように留意しておくことは重要である。しかし、いずれの場合も十分な知識や経験を欠く市民のみでの対応には限界がある。自分自身と傷病者の安全確保、自分自身以外の援助者の確保、さらに#7119または救急車を含めた迅速な専門家への援助要請が必要とのことであった。
 実技実習体験では一次救命処置(Basic Life Support:BLS)と三角巾を活用した包帯法が行われた。
一次救命処置(BLS)とは目の前で倒れた人の命を救うために必要な知識や手技のことで、心肺蘇生(胸骨圧迫・人工呼吸)とAEDを用いた除細動がある。練習用人形を用いて傷病者発見から心肺蘇生・AED使用方法までを来場者にも参加して実習して頂いた。また止血や骨折時に活用できる三角巾の使用法も行われた。この実技実習体験には杏林大学保健学部救急救命学科 久保佑美子助教と学生5名がアシスタントとして参加し、人形を用いた実技披露と手技のポイントについて丁寧な解説を行った。

 応急手当・救急処置はいつどこで必要となるかがわからない。特に一次救命処置は正しい知識と訓練を行っていなければ必要になった時に行動できない。万が一の事態に備えて実践できる処置を学べる有意義な講演会であった。

杏林CCRC研究所
相見祐輝

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