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第17回杏林CCRC研究所セミナーについて

第17回杏林CCRC研究所セミナー報告


日 時: 平27年7月3日(金)14時〜15時30分

場 所: 杏林CCRC研究所分室(三鷹市下連雀3-38-4 三鷹産業プラザ3階 304)

タイトル: 精神科医療における隔離・身体拘束と権利擁護

報告者: 長谷川利夫(杏林大学保健学部教授・杏林CCRC研究所副所長)

報告の概要(予定): 精神保健福祉法第36条1項は、「精神科病院の管理者は、入院中の者につき、その医療又は保護に欠くことのできない限度において、その行動について必要な制限を行うことができる」としているが、隔離や身体拘束という行動制限は直接的に身体やその動きに対して制限を加えるもので、人権を制限する度合いが高く、人権の侵害も起きやすい状況にある。果たしてこれを「適切に実施」することは可能なのか?ご一緒に考えたい。


 平成27年7月3日(金)三鷹産業プラザ杏林CCRC研究所分室にて第17回杏林CCRC研究所セミナーが開催された。セミナーでは本学保健学部作業療法学科教授・杏林CCRC研究所副所長の長谷川利夫による「精神科医療における隔離・身体拘束と権利擁護」についてのお話しをいただいた。

 精神科医療では病院や診療所などの開設、管理運営などが定められた医療法以外に精神保健の向上や人権擁護などについて定められた精神保健福祉法がある。精神保健福祉法では、精神保健指定医が身体拘束や隔離が必要と認める場合に実施できる。身体拘束の対象となるのは、自殺または自傷行為が著しく切迫している、精神障害により本人の生命に危険がおよぶおそれがある、多動または不穏が顕著である場合のいずれかに当てはまると定められている。多動または不穏が顕著であることについては医療側に裁量の余地があると考えられ、厳密な決まりではない。身体拘束を受けている患者数は、2003年以降から年々増加している。患者数増加の背景には、スーパー救急と言われる精神科急性期医療の浸透があげられる。急性期ではクリティカル・パス(診療スケジュール)が標準化された治療として広がりつつあり、身体拘束が組み込まれている病院もある。日本も含め海外でも身体拘束についてのデータは不足している。WHOの原則では4時間までとなっているが、日本における身体拘束は数日行われることがある。また海外では1か月程の精神科患者平均在院日数は、日本では300日との違いもある。
 長谷川教授による15施設1407名の医療従事者へ隔離・身体拘束に関する意識調査の結果から、8割以上の従事者が自殺予防や暴力の軽減に意義があるとする一方で、患者は放置されたと感じるなどの弊害が半数近く報告されている。あった。隔離・身体拘束の意義を感じる意識が、患者の不利益に対する意識より上回れば隔離・身体拘束に積極的となるというモデルがある。患者の不利益を認識しないことが隔離・身体拘束の意義を感じる要因になることから、従事者へ患者の不利益を考える研修などが必要である。

現在の日本の精神科医療の特質を指摘するセミナーであり、今後予想される超高齢社会における精神科医療また認知症増加等の対応にも大きな課題と考えられた。

杏林CCRC研究所
相見祐輝

セミナー風景

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