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熱中症と低体温症 何に注意し、どう対処する?

杏林大学「地(知)の拠点整備」事業
杏林大学・三鷹ネットワーク大学 共催

市民公開講演会

熱中症と低体温症 何に注意し、どう対処する?

日時:平成27年5月30日(土)午後2時〜午後3時30分

場所:三鷹ネットワーク大学 教室ABC

講演者:和田貴子(杏林大学保健学部教授)


 平成27年5月30日(土)杏林大学公開講演会・三鷹ネットワーク大学共催の「健康寿命延伸」講座「熱中症と低体温症 何に注意し、どう対処する?」が三鷹ネットワーク大学にて行われた。
 講演者の本学保健学部救急救命学科和田貴子教授は、本学医学部救急医学教室助手、米国UCLA(ER)及びChicago Cook County Hospitalへ留学等を経て、救命センターで救急医学会指導医・熱傷専門医として活躍してきた。現在、本学保健学部救急救命学研究室教授を務め、本学での救急救命士の養成に当たっている。

和田貴子先生

和田貴子先生

会場風景

会場風景

 ヒートアイランド現象や地球温暖化の影響により、熱中症の発症は真夏の労働やスポーツ時だけでなく、自宅での日常生活において増加しています。特に、高齢者や小児などは熱中症を発症しやすく、注意が必要です。また、体の中心部の体温が35℃以下になる偶発性低体温症は、夏の登山でも、また糖尿病の既往のある人や高齢者に発症しやすいと言われています。今回、熱中症と低体温症について、予防と対処法についてお話します。

 熱中症は、高温環境下で体内の水分や塩分のバランスが崩れるなどの体内調節機能が破綻により発症する障害の総称である。重症の熱中症では死に至る危険もあるが、応急処置や予防法を知っていれば対応できる。熱中症の軽度では手足のしびれ・めまいや立ち眩み・筋肉のこむら返りなどの症状が現れる。対処は涼しい所で冷やした水分を補給して休む・誰かが見守り症状が改善しない場合は病院へ連れて行く。中等度では頭痛・吐き気または嘔吐・倦怠感などの症状が現れ、衣服を緩めて体を積極的に冷やす。重症では全身性の痙攣・意識障害・体に触れると熱いと感じるほどの高体温などが現れ、直ちに病院で対応する必要がある。水分・塩分の補給は自分で飲んでもらう事が大切である。吐き気や嘔吐・意識が無い人に水分を飲ませると誤嚥の危険性があり経口摂取は禁物である。体を冷やすには皮膚や下着の上から水をかけて扇ぐ、氷のうなどで前頚部両脇・腋窩部・鼠径部に当てる事が有効である。熱中症患者では高齢者が多く、全体の4割を占める。高齢者は皮膚の温度感受性が鈍くなり暑さを感じにくい・体液量低下や皮膚血流量・発汗量減少などの熱放散能力が低下している。そのため、喉が渇かなくても水分補給・室温をほぼ28℃前後に保つ・1日1回汗をかく程度の運動を行うことで熱中症を予防ができる。
 低体温症は、直腸温・膀胱温・食道温などの深部体温が35℃以下に低下した状態である。低体温療法のように意図的に低体温とする場合と区別するために事故や不慮の事態に起因するものを偶発性低体温症と呼ぶ。一般的に深部体温が35-32℃を軽度、32-28℃を中等度、28℃以下を高度低体温と分類する。偶発性低体温症は水難や冬山登山事故で起こりやすいが、日常では飲酒や睡眠薬服用後の寒冷環境下でおかれた場合などが原因となる。特に高齢者や乳児は寒冷に曝されただけで低体温に陥る。冬季は然ることながら日中暖かく夜間が寒いなどの気温差がある時期、また室内においても室温が低ければ起こり得るため注意が必要である。

 本講演会には三鷹市民39名を含め84名が参加し、女性が70%超、40代が10%強、50代と60代が約15%、70代以上が約40%と幅広い年齢層が参加した。参加者の約60%が「講演テーマに興味」、また四分の一が「自己啓発」を目的として参加した。60%強が「非常に満足」、四分の一が「まあまあ満足」と評価している。
熱中症は夏季に乳幼児から高齢者までに頻発し増加傾向にある疾患であり、屋内、屋外を問わず高温と多湿が原因となり、死亡する事もある。今回の講演は、予防と症状のみならず適切な応急処置法を含めた情報も提供された。アンケートからはこれからの季節に対する注意と予防として多くが参加されたと推測できる。多くの資料を用い、テンポ良くまた熱意を込めた語り口が好評であった。

杏林CCRC研究所
相見祐輝


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