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食事を見直し、いきいき生活 -メタボリックシンドロームと食生活 講演会報告

杏林大学「地(知)の拠点整備」事業
杏林大学・三鷹ネットワーク大学 共催

市民公開講演会

食事を見直し、いきいき生活 -メタボリックシンドロームと食生活

日時:平成28年7月23日(土)午後1時30分〜午後3時

場所:杏林大学三鷹キャンパス 大学院講堂(第2病棟4階)

講演者:塚田芳枝(杏林大学医学部付属病院栄養部 科長)

講演会風景

講演会風景

講演要旨
 "今や、日本は長寿大国となりました。世界保健機構(WHO)が2015年5月に発表したWorld Health Statistics 2015(世界保健統計2015)でも、日本人の平均寿命が84歳で最も長寿の国として報告されました。また、主要な死因には、がん、心疾患、脳血管疾患など、生活習慣に関連深いものがあげられています。せっかく頂いた命、元気にいきいきと過ごしたいではありませんか。そのためには、生活習慣病を予防することが重要であり、食事の見直しは欠かせません。明日からの食事をどのように考えるべきか、振り返る時間にしたいと思います。"

 7月23日の午後、三鷹キャンパス大学院講堂を会場に医学部付属病院栄養部塚田芳枝科長による公開講演会「メタボリックシンドロームと栄養~食事を見直し、いきいき生活」が開催され、市民を中心に64名が参加した。
塚田芳枝科長は虎の門病院栄養部を経て本学付属病院栄養部に着任、院内での年齢や病状などに応じた適切な食事の提供、栄養管理、また栄養相談等を担当している。
 日本人の生活全般の欧米化に伴い、米飯と漬物、味噌汁に代表されたその食習慣も大きく変化してきた。食塩摂取の過多は改善されつつあるが、脂質摂取の過多や野菜の不足が指摘されている。長時間労働と運動不足の生活習慣と合わせ、所謂「メタボリックシンドローム」の予防が急務と言われる。身長と体重から算出する体格指数BMI が肥満の尺度として頻繁に用いられ、BMI25以上を肥満と判定する。欧米ほどに極端ではないにしても、日本でも肥満は生活習慣病のリスクを高める重要な社会問題である。栄養バランスが取れた適切な量の食事は生活習慣病の予防、そして健康寿命の延伸に必須である。ただ、個々の生活状態や病状により一般化できない問題も多いので慎重な対応が必要である。過剰な栄養摂取やダイエットを避け適正な体重を維持することが重要である。何らかの疾患を持つ場合には、それぞれに適した食事をとる事が予後を改善維持するために必須である。また、体重や各種の食事制限に気を取られ過ぎず、楽しく美味しく食事を摂る事も重要である。
 講演終了後、かなり専門的な領域も含め多くの質疑があり、生活習慣病と食事に関する関心の高さと知識の普及が推測された。

杏林CCRC研究所
蒲生忍