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どこまでなおせる?あたらしい脱毛症治療 講演会報告

杏林大学「地(知)の拠点整備」事業
杏林大学・三鷹ネットワーク大学 共催

市民公開講演会

どこまでなおせる?あたらしい脱毛症治療

日時:平成28年11月12日(土)午後2時〜午後3時30分

場所:三鷹ネットワーク大学

講師:大山学(杏林大学医学部皮膚科学教室 教授)

大山学教授

大山学教授

講演概要
 ”脱毛症は命に関わる病気ではありませんが、症状によっては患者さんの外見を左右し社会生活や精神状態に大きく影響を与えます。特に急速に進行する円形脱毛症や、治療に抵抗する男性型脱毛症などに対してこれまでにない治療法が導入されつつあります。また、抗がん剤治療による睫毛の脱毛などこれまで良い治療法がなかった状態も薬剤で改善できるようになりました。こうしたあたらしい脱毛症の治療をご紹介したいと思います。”

 11月12日の午後、三鷹ネットワーク大学を会場に医学部皮膚科学教室・大山学教授による公開講演会「どこまでなおせる?新しい脱毛症治療」が開催され、地域の住民約40名が参加された。大山教授は慶應義塾大学医学部のご出身で、慶應義塾大学医学部皮膚科学、東京電力病院等を経て2002年から米国のNational Institute of Healthへの留学、その後慶應義塾大学医学部皮膚科学准教授を担当され、2015年4月に杏林大学へ教授として赴任された。毛髪疾患、自己免疫疾患、再生医療等を専門とされている。本講演で大山教授は脱毛症とその最新の治療法ついて詳細に解説された。
 脱毛は身近な話題であり誰にでも起こり得るし、脱毛という症状は同じでも様々な原因で起こる。大きくは、毛の基本構造を損傷する自己免疫疾患タイプと毛の生える周期(毛周期)の異常のタイプに分かれる。前者には毛根を損傷する円形脱毛症と毛包の再生を担う幹細胞を損傷する瘢痕性脱毛症等があり、ステロイド等で炎症を抑える治療が行われる。後者には男性ホルモンの作用による男性型脱毛症他があり、男性ホルモン代謝系の阻害薬が治療に用いられる。また、癌の治療にも脱毛が副作用として頻発する。子供や若い世代での脱毛はQOLを著しく損なうので、夫々に対応した治療法の選択が重要になる。また、治療には副作用が伴うこともあるため、ゴールの選択も重要である。
 大山教授の講演は、現在の脱毛症治療を、毛髪の構造と毛周期から解りやすく説明するものであった。今回の講演会の特徴は三鷹市以外からの参加者が三分の二以上を占めかなりの遠方からも数名が参加したこと、また参加者の講演会情報の取得も従来とは異なり「広報紙」以外が大多数を占めたことである。これは脱毛症がQOLという観点から極めて深刻な問題であるにも関わらず治療施設が少なく、適切な情報発信も少ないことを反映していると思われる。外見に関わることや日常生活の維持に関わることも人の一生に大きく深い影を投じる。従来の医療は生命に危険を及ぼす疾患の治療を優先していた。「脱毛は精神的ストレスが原因」と言われていたが、必ずしも正しくない。ストレスは誘因とはなりうるが、多くの深刻な症状を惹起する自己免疫疾患の一種である。脱毛が大きな精神的ストレスを生み出し、結果的に社会参加の忌避を招きQOLを著しく損なう恐れがある。これを“QOL疾患”という概念で捉えること、丁寧で慎重な治療を行うことが求められており、その必要性も高いと考えられる。

杏林CCRC研究所
蒲生忍

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