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うつについて改めて知ってみませんか 講演会報告

杏林医学会・杏林大学「地(知)の拠点整備」事業
杏林大学・三鷹ネットワーク大学 共催
第4回杏林医学会市民公開フォーラム

うつについて改めて知ってみませんか

日時:平成29年5月13日(土)午後2時〜午後3時30分
場所:三鷹ネットワーク大学


特別講演1 講演者:片桐 建志(杏林大学医学部精神神経科学教室 助教)
「うつ病とはどのような病気でしょうか、早くうつ病と気付くためにはどうすればよいのでしょうか」

特別講演2 講演者:坪井 貴嗣(杏林大学医学部精神神経科学教室 講師)
「うつ病の治療にはどのようなものがあるでしょうか」

特別講演3 講演者:渡邊 衡一郎(杏林大学医学部精神神経科学教室 教授)
「うつ病がなかなか治らない時にはどのように考えればよいのでしょうか」

渡邊衡一郎教授

渡邊衡一郎教授

片桐建志先生

片桐建志先生

講演概要
 ”うつ病は身体の病気と同じように、早く見つけ、早く対応することが望ましいとされています。しかしながら、うつ病は発見が難しく、現状ではうつ病となかなか気づかれないことが多くあります。さらに、いざうつ病と診断されて様々な治療法を行っても、約3 分の1の方が寛解(すっきりと治ること)しないと言われています。本フォーラムでは、まずうつ病がどのような病気であるかについて解説した後、本人や周りの方が出来るだけ早くうつではないかと気づくためにどうすればよいかについてお話します。そして基本的な治療法をご紹介し、さらにもしうつがなかなか治らなかった時にはどのように考えればよいかについて、当教室で行っている難治性うつ状態に対する検査入院の結果から最新の知見も踏まえお話したいと思います。”

坪井貴嗣先生

坪井貴嗣先生

 5月13日の午後、三鷹ネットワーク大学を会場に、杏林医学会、杏林大学COC事業、三鷹ネットワーク大学の共催で「うつについて 改めて知ってみませんか?」講演会が開催された。雨天にもかかわらず三鷹市民を中心に会場満席の114名の多数が参集し聴講した。

 本講演会では最初に杏林大学医学部の精神神経科の片桐助教が、精神疾患がいわゆる糖尿病や悪性新生物等の生活習慣病よりも頻度が高く、「うつ病」罹患者は100万人以上であるにもかかわらず、その原因が明らかでないこと、早期診断が重要であることを解説した。続いて渡邊教授が作成委員長を勤めた日本うつ病学会「うつ病治療ガイドライン」に基づいた軽症の基礎的介入から抗うつ薬治療を含む中等度、重症の治療までその症状の重さに応じた概略について、また「レジリエンス(しなやかさ、回復力、疾病抵抗性)」という概念を取り入れた治療について、坪井講師が解説した。最後に渡邊教授は治療が効果をあげていない例では診断と治療を再検討すること、そのため本学では「難治性うつ病入院検査」を実施し成果を挙げていること、さらに患者が積極的に治療方針の決定に参加しその方針に沿って服薬等の治療を継続するアドヒアランスという概念や社会的サポートの重要性を解説した。

 うつ病は生活環境の変化や日常生活のストレス等さまざまな要因で発症し、心のみならず体の症状も伴い、誰にでも発症の可能性のある疾患と理解できる。生活に深く根ざした疾患ではあるが、他の生活習慣病のように、例えば血圧や血糖値のような容易に数値化でき自身でも計測管理できる指標もない。症状に応じた有効な治療法があるにもかかわらず、うつ病と自覚できず症状がすすみ適切な医療へアクセスしない、また周囲の医療へのアクセスの薦めも拒否することも想像に難くない。高齢化や孤立が進む現在の都市の生活環境の中で、本人と家族、地域社会、地域の医療機関、保健福祉機関、大学病院等の連携で制度的困難の克服を含めて対応を進めることが必要となろう。人の心の機微に触れる病であるだけに丁寧で熟練し、同時にレジリエンスやアドヒアランスという最新の概念や技術も取り入れることの重要性が理解できる講演会であった。

杏林CCRC研究所
蒲生忍

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