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心臓病とどうつきあうか 講演会報告

杏林大学「地(知)の拠点整備」事業
杏林大学 共催

市民公開講演会

心臓病とどうつきあうか

日時:平成29年10月28日(土)午後1時30分〜午後3時

場所:八王子学園都市センター イベントホール

講師:吉野 秀朗(杏林大学医学部第二内科学 教授)


講演概要
 ”動悸や胸の痛みを感じたとき、心臓の存在を意識し、時に生命の危険を感じることがあります。一方、からだに異常がなくとも心の中に心配事があると動悸・息切れを感じやすくそれがさらに不安感を助長します。
 体に異常を感じたとき、速やかにかかりつけ医を受診し、心配を取り除く。そして、一読・十笑・百吸・千字・万歩、これが健康を保つ秘訣です。
 本講演では「心配のいらない症状、心配すべき症状、どんな状態のときに注意が必要か?」「心臓病を予防するには?」「早期発見するには?」「心臓病があっても元気でいる秘訣はあるか?」についてお話しします。”

吉野秀朗先生

吉野秀朗先生

講演風景

講演風景

 10月28日土曜日の午後1時30分より、八王子学園都市センターを会場に公開講演会「心臓病とどうつきあうか」が開催され、地域の住民等約100名が参加された。講師の吉野秀朗先生は慶應義塾大学医学部の出身で、慶應義塾大学病院、済生会中央病院、足利赤十字病院、向島済生会病院を経て1990年より杏林大学に着任された。その間、1987年から1989年の2年間米国ペンシルバニア州ガイジンガーホスピタル心臓研究所への留学も経験されている。心臓疾病全般、特に虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)、冠動脈疾患の診断と治療、急性大動脈解離の病態と解明を専門とされている。

 我々の心臓は妊娠の初期から拍動を始め、内臓の中で最初に働き始めるとも言われる。心臓は生涯黙々と休み無く働き続け、意識的に制御することは出来ない。全身に血液を循環させる心臓は一つしかないし、他の多くの臓器と同様に損傷しても再生することはない。心臓に何らかの異常が生じると、当然ながら命の危機に直面することになる。仮に心臓が10秒間拍動を停止するだけで、我々は失神する。
 我々の多くは自身の心臓の状態を自覚できないが、健康診断等での聴診や、心電図、血圧測定等によって心臓の状態を知らされることになる。さらに胸痛や動悸、呼吸困難、失神等の症状で心臓病の疑いが明らかになる。胸痛の場合、いつから、どのような状況で、どうすれば増悪・軽快するか、痛みの性質と程度と持続時間、部位、冷汗等の随伴する症状、経過等を出来るだけ詳しく伝えることで、原因を特定することを助け、さらに再発予防に役立てることが重要である。
 吉野教授は、心臓病の危険因子として最も重要かつ修正可能なものは生活習慣病であり、糖尿病、脂質異常症、高血圧、喫煙の四大因子と肥満とストレスを挙げた。さらに循環器診療の目的は生命予後と生活の質の改善であり、そのために推奨される治療の第一は患者教育、すなわち患者側から言えば、修正可能な因子を自覚しライフスタイルを変えることであるとした。また最近注目されている「フレイル」にも言及した。「フレイル」とは厚生労働省研究班の報告書では「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」と定義されている。吉野教授はその予防に、運動や栄養摂取に加え、社会活動への参加を加えることを推奨した。

 限られた時間の中、心臓病の基礎から予防と再発防止まで、示唆とユーモアに富む吉野先生の講演に感謝します。また荒天が予想される中、多数ご参集いただき熱心にご聴講いただいた市民の方々に主催者の一員として感謝します。

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蒲生忍

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