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症状がない怖い泌尿器腫瘍 講演会報告

杏林大学「地(知)の拠点整備」事業
杏林大学・三鷹ネットワーク大学 共催

市民公開講演会

症状がない怖い泌尿器腫瘍

日時:平成30年1月6日(土)午後1時30分〜午後3時

場所:八王子学園都市センター

講師:多武保 光宏(たんぼ みつひろ)(杏林大学医学部泌尿器科学 講師)


○講演概要
”腎臓、腎盂、尿管、膀胱、尿道の「尿路」と精巣、前立腺などの「男性生殖器」に発生した腫瘍をまとめて「泌尿器腫瘍」と呼びます。多くは、無症状で健康診断などで行われている超音波検査や他の病気で行われたCT検査などで偶然発見される患者さんが増えてきています。この講座では健康診断のポイントと病気の正しい知識をお伝えします。”

多武保光宏先生

多武保光宏先生

会場風景

会場風景

 1月6日土曜日の午後1時30分より、八王子学園都市センターを会場に公開講演会「症状がない怖い泌尿器腫瘍について」が開催され、八王子市と周辺の住民の方を中心に151名が参加された。多武保先生は杏林大学医学部のご出身で、研修後に杏林大学医学部泌尿器科、東芝病院、奈良県立医科大学などを経て2004年杏林大学医学部泌尿器科学教室に着任され、2014年より講師を務められている。専門は泌尿器腫瘍学、尿路結石症等で大学での教育に加え、付属病院では病棟医長として診療に活躍されている。

 我々は何らかの自覚症状が出てから医療機関を受診し、診断を受けることで治療が開始される。しかし、がんのような重い病気でも治療が容易な初期段階では自覚症状に乏しい場合がある。一方、血液や尿の検査で自覚症状が明らかになる前に検知しうる事も多い。従って、定期的に健康診断を受けることが重要である。健康診断で尿潜血が指摘された場合や、特に他に症状が無いにもかかわらず血尿が出た場合(無症候性血尿)、医療機関で再検査を受ける、さらに必要であれば泌尿器科の専門医の診察を受けることが推奨される。

 多武保先生は無症候性血尿で最も注意すべきは膀胱がん、腎盂・尿管がんで、特に喫煙歴がある場合はリスクが高いと指摘された。膀胱がんは早期に発見できると、尿道から膀胱へ内視鏡を挿入して行う経尿道的手術で治療を行う。ただし、膀胱がんは再発することが多いので、膀胱へ薬剤を注入する治療を術後に行う場合もある。膀胱がんが進行した場合は膀胱を全部摘出することになるが、最近は腹部にあけた数カ所の穴に腹腔鏡を挿入する手術によって身体への負担を軽減することができる。

 腎がんも症状が明らでない時期に、他の臓器の画像診断で偶然見つかることが最近では多いとの事である。腎臓の病変のみを摘出する腎部分切除術はロボット支援腹腔鏡下手術(ダヴィンチ手術)で実施できる例もあり、多武保先生は実際のダヴィンチ手術を動画によって示された。ダヴィンチ手術を担当する医師は患者と離れた位置にある機器の前に座り、手術部位を肉眼以上に拡大した3D画像を見ながら人間の手指とは異なる自由な角度に動く幾つかの関節を持つロボットアームを遠隔操作する。現在、この手術の適応範囲はまだ泌尿器科領域に限られているようだが、身体負担が軽いことから今後多くの手術での使用が期待される。また、腎がんが転移している場合、従来の免疫療法に代わり、近年開発された分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害剤の使用が広がっている。

 排尿障害が主な自覚症状である前立腺肥大症と、初期段階は無症状であることが多い前立腺がんについても解説され、前立腺がんのロボット支援腹腔鏡下手術の動画を示された。

 多くの最新機器や薬剤が泌尿器腫瘍に投入されていることが理解できる。しかし多武保先生は、最後に健康診断の受診と何らかの異常を指摘された場合の精密検査と継続的な経過観察の重要性、すなわち早期発見の重要性を再度指摘し講演を終えられた。多武保先生の時間を超える丁寧でわかり易い講演に感謝します。また、多数ご参集いただき熱心にご聴講いただいた市民の方々に主催者の一員として感謝します。

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蒲生忍

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