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高齢者の難聴と耳鳴り 講演会報告

杏林大学「地(知)の拠点整備」事業
杏林大学・三鷹ネットワーク大学 共催

市民公開講演会

高齢者の難聴と耳鳴り

日時:平成30年1月27日(土)午後1時30分〜午後3時

場所:杏林大学病院 大学院講堂(第2病棟4階)

講師:増田 正次(杏林大学医学部耳鼻咽喉科学教室 講師)

増田正次先生

増田正次先生

○講演概要
 ”「相手が何かを言っていることは分かるけど、内容が分からない」「耳鳴りがしてなんとなくうっとうしい」などという症状に心当たりはありませんか?これらは歳を重ねるとしばしば出現してくる症状です。「決して珍しい症状ではありませんご安心ください…」と言われても安心できないのは、その原因がよく分からないからでしょう。この講演では、まず聞こえのしくみ、加齢と共に生じる聞こえにくさの原因、耳鳴りの原因について紹介します。原因が分かるとそれだけでも少し安心できるでしょう。そして、難聴、耳鳴りに対してどのように対処すれば症状が緩和されるのかについても紹介します。”

  1月27日土曜日の午後2時より公開講演会「高齢者の難聴と耳鳴り」が開催され、三鷹市と周辺の住民の方を中心に、杏林大学三鷹キャンパス大学院講堂の会場満席の皆様が参加された。講師の増田先生は慶應義塾大学医学部卒業後、けいゆう病院、川崎市立川崎病院等を経て慶應義塾大学耳鼻咽喉科学教室の助教に就任された。2007年からの米国のUniversity of California, San Diego に留学後、2010年に杏林大学耳鼻咽喉科学教室に着任された。現在は専任講師として教育と研究、付属病院では耳鼻咽喉科専門医、臨床遺伝専門医、気管食道科専門医、補聴器適合判定医として診療に従事されている。

 現在の日本の人口に占める65歳以上の人の割合は28%で、その多くが「聴こえ(聴覚)」に何らかの違和感を持っている。自覚症状の有無はともかく検査をして聴覚に異常(難聴)がある人は80歳以上では三分の二を超えると言われる。しかし、難聴が認知症の発症に関与している可能性があり、難聴に補聴器等で適切に対処することで「認知症の発症を予防できるかもしれない」となると等閑に出来ない問題である。

 増田先生は「音を聞くというと耳にばかり注目があつまるが、最終的には脳が音を認識している」として、まず、音を感知する内耳の有毛細胞について、さらに有毛細胞かららせん神経節細胞を介して脳に音の刺激が伝わる仕組みを解説された。高齢者の難聴では「聞こえないけど音が響く」、「音は分かるが言葉が分からない」、「周りに雑音があると分からない」、「早いとわからない」という場合があり、これは耳から脳に伝わり「音」を「言葉」として認識する機構に何らかの問題が生じている可能性がある。従って、聴力のみならず脳との連携を強化すること、即ち「聴力+脳力=聴脳力」を鍛える必要がある。また、聴力が減退することで会話や外出から遠ざかることも稀ではない。補聴器を使いこなして聴力を維持し、会話や外出により新しい情報に接し脳を活性化することで、認知症の発症予防に繋がる可能性が広がると解説された。「聴脳力を鍛え、音を言葉として聞く」という増田先生の講演、まさに目(耳)から鱗のお話しであった。

 ユーモアに富み、まさに聴脳力の専門家らしいゆっくりと丁寧でわかり易い講演に感謝します。また、多数ご参集いただき熱心に聴講いただいた市民の方々に感謝します。

 予想を超える多数にご来場いただき準備した資料が足りない事態となりました。会場の不手際で講演の開始と終了が予定時間を過ぎてしまいました。主催者の一員としてお詫びします。今後の対応を早急に検討し改善に努めますのでご寛容下さい。

杏林CCRC研究所
蒲生忍

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