2021年6月9日(水)に、杏林大学井の頭キャンパスで公開講演会「まちづくり物語」の第二弾を開催し、44名が参加しました。
講師は、小村 幸司氏(NPO法人 小さな村総合研究所 代表理事)を招き、テーマ「~蘇る関東で一番小さな村 -魅力を作り出したのは?~」の講演を行いました。
講演では、「村おこし」をはじめた経緯に触れ、50代の頃に「働き方や暮らし方を変えたい」との思いから、「地域おこし協力隊」に参加し、住民がわずか540人の山梨県丹波山村(たばやまむら)に移住したことがきっかけでした。
丹波山村での生活は、8時半に役場に出勤し、5時15分に帰宅、昼休みは自宅に戻って家族と昼食、さらには学校行事がある日は、仕事を休んで参加し、地元住民にとってはそれが当たり前の生活であることに大変な衝撃を受けました。そこには、ひと昔前の日本にあった家族との団欒や地域住民同士の交流などの「当たり前」が残っていることに気づかされたとのことでした。
活動に拍車がかかると同時に日本全国の「小さな村」にも興味を抱くようになり、各地の村を訪れたことが縁となり、日本の各ブロックで一番小さい村である①音威子府村(おといねっぷむら)(北海道)、②檜枝岐村(ひのえまたむら)(東北・福島県)、③丹波山村(関東・山梨県)、④北山村(近畿・和歌山県)、⑤新庄村(中国・岡山県)、⑥大川村(四国・高知県)、⑦五木村(九州・熊本県)の7村で構成された「小さな村g7サミット」(2016年)を開催するに至りました。
このサミットの目的は、小さな村同士が互いの地域課題を共有し、課題に対して情報交換をしながら全国に向けて発信することです。毎年各村を会場に巡回し、直面するテーマを掲げ、これまでに4回開催してきました。地域活性における活動では、さまざま成功と失敗の経験を繰り返しながらも、ここまでに至った苦労話についてユーモアを交えながら一つ一つ丁寧に説明をされました。
地域活性化の心得えとして学んだ意外なことは「既存の団体に頼らない」「予算は低予算」「少人数でのコアなアイデア」「賛同者を募り参加型を促す」「新しいことは少人数からスタート」「NPO法人はつくる必要なし」であると述べ、多くの受講者の関心を集めました。
講演終了後も、活発な質疑応答があり、充実した120分間の講演となりました。