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  2. 坂本ロビン外国語学部長、協定校の順天高等学校で講演

身近な国際人: 外国に行かなくとも日本で国際人になれる

 平成27年5月9日(土)、順天高等学校の依頼で坂本ロビン学部長が、高校2年生200名以上を対象に「国際人とは何か」をテーマに講演しました。 海外研修を控えての学生もおり和やかな雰囲気の中でも、興味と真剣さをもって生徒たちは聞き入っていました。


■ Lesson. 1 Always say “Yes!!”

 ロビン先生のお話は、「国際人とは何か?」という質問から始められました。先生は、初めての日本滞在中の経験から、「多角的かつ柔軟に物事を見る力を養うこと」が大切だとおっしゃいました。その中から掴まれた最初の教訓が、Always say “Yes!!”(どんな時でもまず「やります」から!)というものでした。

 ロビン先生は、岩手県の公立中学校のALTとして初来日なさった時、これぞ国際人と思えるオジサンに出会ったのだそうです。出会いは地域のお祭りの時でした。岩手県には馬に感謝をささげる伝統的なお祭りがあるのだそうです。祭りのスタッフであった知り合いに「君も馬に乗ってみるか」と誘われた時、好奇心旺盛なロビン先生は即座にYesと返事をしました。しかし、周囲からは外国人であるロビン先生を馬に乗せることに反対する声が上がりました。しかし、あるオジサンだけはこのように反論したのだそうです。「外国の方にも、この祭りと町の伝統の素晴らしさを知ってもらったらいいじゃないか。是非乗ってもらうべきだ」と。つまり、その声は、自分たちが持つ宝を自分達だけのものとせず、他者にもその魅力を伝え、他者とのつながりを広げていこうとすることが大切なのだということを意味していました。異質な者同士が、関わり合い、伝え合い、理解し合い、そして結び合っていく。これら一連の営みに、価値を置き、行動できる人こそ国際人であるとロビン先生はおっしゃいます。そのために必要とされる大切な心構えがAlways say “Yes!!”なのだということです。ロビン先生は、あのお祭りの時にためらいなくYes!!と発したことで、尊敬できるオジサンとの出会いを果たし、祭りを通じて日本の伝統文化にも触れ、地域の人々と親しい関係を築くきっかけをも得ることができました。以来、毎年そのお祭りに参加するほど、ロビン先生は岩手県のその地域との関わりを深め、多くの思い出と学びを得ることができたと言います。

 ロビン先生は、Always say “Yes!!”の意義を、ご自分のおじい様のエピソードからもお話し下さいました。おじい様は70歳を越える老齢でありながら、いまでも長距離を走るランナーなのだそうです。ある時、おじい様は「自分にもできることはないか」と考えていたところ、視覚障害を持つ高校生の伴走者としてレースを走るというボランティア活動と出会い、参加しました。おじい様がペアを組んだ高校生は初めてのレースでしたが、おじい様の伴走のおかげで無事に完走。レース後、高校生からは「有難う。おじさんのおかげで初めてのレースにチャレンジできました」と感謝の言葉が贈られました。おじい様も「こちらこそ有難う」と返答し、互いに幸せな気持ちを共有することが出来たのだそうです。これも、Always say “Yes!!”の精神がもたらした相互扶助と相互理解の素晴らしい成功例の一つと言えます。
つまり、新しい環境で、新しい友達を作り、新しいチャンスに恵まれる。こうしためぐりあわせの中で、溌剌と自分の成長を求めていこうとする国際人に最初に必要とされる心構えが、Always say “Yes!!”なのです。とても納得のいくLesson. 1でした。


■ Lesson. 2 Try going to a foreign country!!

 ロビン先生が生まれ育ったアメリカのミシガン州には、こんな格言があるのだそうです。You can’t see the light from the lighthouse.(灯台から光は見えない)。ミシガンは5大湖に接した州なので、方々に沢山の灯台があります。その灯台は夜になれば美しい光を海に放ち、旅ゆく者や港へ戻る海の旅人たちを導きます。しかし、その光が持つ美しさと価値は、灯台にいたままではわからない。つまり、あまりにも身近で当たり前のように存在するものの意義を深く知るには、一度そこから離れてみないといけない。そんな意味の格言です。同様に、私たちの国が持つ独自の価値を理解するにも、外へ出てゆくことが何よりも大切です。ゆえに、国際人のためのThe 2nd lessonは、Try going to a foreign countryなのです。

 日本には沢山の素晴らしい特質があります。そこに着眼できれば、コミュニケーションの機会を沢山生み出すことができるとロビン先生はおっしゃいます。しかし、この課題は、案外難しいものです。そこでロビン先生は、渡航前に私たちにもできる準備として4つのアイデアをシェアーして下さいました。

(1)写真を撮る!
 海外の人は日本の風物に関心を抱いています。写真を見せれば、必ずその説明を求められます。だから、写真は立派なコミュニケーションのツールとなります。

(2)説明練習をする!
 いきなり説明を求められても、肝心な言葉が出てこなければ、結局、残念な結果に終わってしまいかねません。渡航前に必要に応じた英語の説明練習をしておけば、後で必ず生きてきます。

(3)自分の名前の意味を説明できるようにする!
 海外の人たちは漢字に興味を持つ場合が多いのだそうです。自分の名前に使われている漢字に込められた意味を英語で説明できたりすると、友達を作るきっかけにもなります。
 
(4)お土産は100円ショップで!
 100円ショップには日本ならではのものが沢山あります!海外では紙風船や消しゴムは、とりわけ人気。消しゴムだけでも様々な種類があるのは日本だけです。海外でロビン先生が教えた大学生たちも、これが欲しくて勉強を頑張ってしまうほどだったそうです。

 事前準備のアドバイスに加えて、滞在中のアドバイスもいただきました。滞在中は、まず周囲の様々なものに目を向け、関心を深めることです。すると、様々な疑問が浮かびます。それを辞書で調べるのではなく、メモに書きとめておき、ホストファミリーや現地の友達・学校の先生などに直接尋ねるというものです。Face to face communicationの機会を求めてこそ、国際人としての成長もあるということは言うまでもありません。


■ Lesson. 3 Don’t be shy!!

 日本人は海外の人たちに比べて多くの場面で遠慮しがちです。しかし、海外でこそ経験し得る事柄は、一度チャンスを逃してしまうと、二度とその機会に恵まれることはないかもしれません(You may not have a 2nd chance!!です)。ですから、海外修学旅行に参加する学生にとって、Don’t be shyという教訓は切実なメッセージでもあるのです。これを肝に銘じて、様々な事柄に積極的にチャレンジしていきたいものです。

 その一方で、実は日本という国にはグローバル化時代がもたらす様々なチャンスが既に沢山ちりばめられているとロビン先生はおっしゃいます。現在、東京・横浜を合わせた地域人口は世界No.1なのだそうです。2位はデリー(インド)。3位は上海(中国)。ニューヨークは東京の半分でしかない。これから海外の人々がますます多く集まってきて、共に仕事をする機会が増えるのは、東京や横浜のような地域なのだそうです。その時に求められる能力は、①英語力と②もう一か国語を使いこなせる能力、そして③hospitality(もてなしの心)なのだそうです。
もはや「shyな日本人」、「英語ができない日本人」のままであることは許されない時代になってきたということでもあるのでしょう。


■ 杏林大学の国際プログラム

 こうしたグローバル化時代に備えて、多くの大学が様々な取り組みをしています。中でも杏林大学では、先進的で魅力的なプログラムが用意されています。HPを通じて、学部長であるロビン先生に直接質問ができるコーナーが開設されていたり、トライリンガル・キャンプ(英語・中国語・日本語)の他、様々な言語・文化の学習機会が設けられていたり、さらには留学をする学生には学費の80パーセントを免除したりと、世界に通じる人材育成のプログラムとそれを志す学生を積極的に支援する制度が整備されています。

 大学の制度改革の現状とその背景にある事柄を理解させて頂けたことで、生徒たちにも、いまある学びの意味がより明確となり、夢と学びへのモティベーションをより一層高めるめったにない機会となりました。そんな素晴らしいご講演でした。坂本ロビン先生、本当に有難うございました。

                        (文責:順天高等学校 和田玲先生)
                         高大接続推進室 2015.5.19

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