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2019年度第2回外国語学部FD研修会(杏林AP推進委員会共催)を開催

 令和元年7月17日(水)、杏林大学井の頭キャンパスにおいて、第2回外国語学部FD研修会が開催され、外国語学部教員27名と職員6名が参加しました。
 今回のFDは、杏林AP推進委員会と共催で開催され、工学院大学附属中学校・高等学校の田中歩教諭が、「高校における英語授業の先進的取組について」と題し、講演を行いました。
 「本校の教育改革は、現校長が赴任してから始まりました。つまり、『まず授業全体を変えなさい』から入りました。諸外国から見て日本は非常にクリエイティブなイメージなのに、日本のZ世代(1995年以降に生まれた人)は、自分たちをクリエイティブだとは思っていない。まず、生徒にグロースマインドセット(とりあえずやってやろうという気持ち)を育て、自信を持たせる教育をしていこうというものでした。校長からは、教員の役割はファシリテーターなのだから、50分の授業の中で教員が30分以上しゃべっているようでは駄目と言われました。
 次に工学院での英語教育ですが、ALL Englishで、PIL・PBLといったタスクを活用し、生徒一人に1台のパソコンを持たせ、教科書は、Cambridge大学出版の『Unlock』を用いて行われています。グループでしゃべらせる機会が非常に多いですが、これは最終的に自分がどう思うかを表現しないと意味がないという考えから取り入れています。最初は戸惑う生徒も多いですが、半年も経過すると慣れてきます。体験こそが一番大切と考えています。例えば1分間で生徒に英語で何かを説明させる時間があるのですが、必ずOpinionを入れなくてはならないというルールがあるので、インターネットからの情報丸写しでは課題がクリアできない形になっています。また、英語科での評価についてですが、テストの素点対平常点の割合は、6:4 になっております。
 21世紀型の英語教育は、教え込む授業からの脱却、つまり覚えてから使うのではなく、使いながら覚える(=身に付ける)というものであり、『英語の授業は英語で』の真意はここにあると考えています。生徒一人一人の考え方や気持ちを引き出す授業の展開が重要です。それには待つことが求められますが。これまでの英語教育は、英語は文法とか単語(=パーツ)を習ってそれを覚えないとしゃべれないというものでしたが、これからはしゃべっていく中でパーツとかをどんどんスキルアップしていく教育が求められるのではないでしょうか。
 最後になぜケンブリッジなのかということですが、まず教科書にはユニット毎にトピックがついており、それをもとに他科とのコラボ、科目横断型学習が可能になるところが面白いと考えています。また、ケンブリッジイングリッシュスクールとかランドスクエアとかに所属していると、他国のこの組織に属している学校とつながることが出来る。例えば、トピックで意見交換なども可能になってくるのです。また海外へ出る環境を生徒のために整えることができるというメリットもあると思います」
 講演終了後、外国語学部の教員4名から様々な質問が飛び出し、貴重な意見交換の場となりました。

2019. 8. 6
〈高大接続推進室〉