杏林大学は、国際的な視野の涵養と地域社会への貢献を目指し、“moving global, staying local”を掲げています。平成26年度に開講された「地域と大学」(全学部1年必修)は、平成25年度文部科学省「地(知)の拠点整備事業」に採択されたことを受けて設置された科目です。
総合政策学部・外国語学部の授業(平成27年6月3日)では、八王子市生活安全部防災課の野口庄司課長にご講義いただきました。まず、東日本大震災の教訓と首都直下型地震に対する備えについてお話しいただいたあとに、実際に災害が起こった時に「避難所を、男女共同参画の視点から、どのように運営をするか」という課題を出していただきました。
学生たちは、その課題を解決するために、実際にいないけれどもあたかもそこにいるかのようなペルソナという架空の人物を想定して、その人たちが実際に震災時に避難所でどのような課題に直面し、課題解決をするための役割が考えられるかを検討し、発表しました。各グループ、ペルソナが「持病を持っている」「ストレスを感じやすい」「日本語を話すことができない」など想定した上で、そうしたペルソナが避難所でいかなる役割を担うことが出来るかを検討し、八王子担当者の前で発表しました。(6月10日)。
発表の内容に関して、野口課長から、役割分担ができているもの、それぞれが年齢層を越えてお互いの強みと弱みを活かしながら連携しているもの、関係性までかかれているものが評価されました。
〇ピアサポーターの学生より
ペルソナという架空の人物を用いることでよりターゲットにリアリティがでて、今回の課題を検討するにあたりより現実的な提案をすることが出来ていたのではないかと感じました。実際の避難所でどれだけの困難に直面するかわかりませんが、事前に想定しておくことによって、いざ震災になったときに意識をしながら動けるのではないかと思いました。
今回講義では震災に関したテーマは、実際に想定されるものであり、非常に考えさせられるテーマであったと思います。数人の「ペルソナ」を考えることから始め、発表に至るまでに各班様々な意見が挙げられていました。まだ数回の授業ではありますが、ひとつの意見に対して皆で真剣に考えている姿から、確実に力が養われてきているように感じられます。講義に限らず、今後も震災において継続して考え続けてもらえたらなと思います。