第10回杏林CCRCフォーラムを実施しました

 3月12日(土)オンラインにて『こどもから大人まで「がん教育」のこれから』をテーマに杏林CCRCフォーラムを開催しました。
 講演に先立ち、開会の挨拶を行った本学副理事長の松田剛明先生は、「かつては『がんは治らない』と言われていたが、医学の進歩により完治が可能になった。これからのがん対策には、治療法の改善と普及だけにとどまらず、家族や学校・職場、地域社会といったがん患者を支える側の理解と支援体制づくりが課題となる。杏林には、がん治療、がん研究の豊富な実績があるので、それらを組み込むことで質の高いがん教育が提供できると考えている。」と述べられ、がん教育の重要性を示されました。
 はじめに、杏林大学地域総合研究所所長・医学部腫瘍内科学の長島文夫先生が「小中高生向け『がん教育』の概要と出張授業の実際」と題して講演を行いました。長島先生は「がんがどんなものかを教えるだけでは『がん教育』にはならない。子供が健康と命の大切さについて学び、様々な病気の予防や望ましい生活習慣を確立出来るようになることが本来の目的である。」と話され、また、それらの実現には、現場教員による事前事後指導が大きな役割を果たすとも述べられました。講演内容だけでなく、講演終了後の児童・生徒への配慮を欠かさないことも重要だということでした。
 続いて、「がん患者を親に持つ子どものサポート」として、保健学部看護学科看護学専攻の中島恵美子先生が講演されました。家族ががんになったとき、子供のことを思って真実を隠し通そうとするのではなく、「子供を家族の一員としてできるだけ正直に状況を伝え、子供なりの役割を果たせるように関わらせることも大切だ。」と述べられました。また、子供の年齢に応じて病気の伝え方を選択することも不可欠であり、「学校や地域が成長段階にあわせたがん教育を行えるように支援していきたい。」とお話されました。
 最後に、杏林大学医学部付属病院庶務課の橋詰課次長が「治療費を支援する制度」として講演されました。がんにかかる治療費は高額になりますが、制度をうまく活用することで窓口での支払いを一定におさえることが出来るということです。費用が高額であってもためらうことなく治療が受けられるよう、様々な支援体制が整えられているとお話されました。
 今、がん教育を巡って学校現場では様々な課題があげられています。付属病院の診療実績と大学の持つ知識・研究技術を地域の教育にも還元出来るよう、今後も「がん教育」に取り組んで参ります。

2022.3.15
地域交流課

(左から)橋詰課次長、中島先生、長島先生

(左から)橋詰課次長、中島先生、長島先生

開会挨拶を行う松田副理事長

開会挨拶を行う松田副理事長