Vol.3 三鷹の院生さん

あまり知られていないことですが、私は八王子だけでなく三鷹キャンパスでも授業をしています。国際協力研究科大学院の授業です。大学院は八王子だけでなく、昼間働いている学生のために、夜、三鷹でも教室を開けているのです。私が行くのは週一度だけです。以前は受講生がわりと多かったのですが、最近は一学期に2~3人。1人だけということもありました。

で、この授業を受けるのは、専門である国際文化交流専攻の学生さんだけではなく、国際医療協力専攻という人もいます。今年も1人、看護師さんが受講していて、なぜか面白がってくれるので、調子に乗って授業していました。看護師さんと患者さんのコミュニケーションはどのようなものなのか。そこで交わされる会話は、どのような意味を伝え合っているのか。看護師さんがいまや国際化しつつあって、その人々の日本語教育はどんなふうであるべきなのか。そんなことを話していました。

正月を越えて、学期の最終授業も終わって、あとはレポートという1月半ば、彼女から突然メールが来て、これから急にハイチへ行くので、あちらからレポートを送る、というのです。

彼女は病院船の可能性について研究しています。世界中のいろいろなところで災害や戦争で被害を受けたところがあって、そういうところへ病院船を派遣する。手術室も完備していて、入院だってできる。とても素晴らしい国際協力ができるので、今すぐにでも作ればいいと思ったのですが、その船のためには警備が要るわけで、それは自衛隊が受け持つことになる。つまり自衛隊の海外派兵と同じことになってしまい、それでそんなにも素晴らしいアイディアが、なかなか進まないんだそうです。全く、政治は難しい。

今回はハイチ大地震の緊急援助隊で、誰よりも先駆けて、トップバッターとして派遣されることになったわけです。こういうのは、とてもかっこよくて、あこがれてしまいますが、だからといって、僕はいつも何もしないで終わるわけで、せいぜい寄付金や義捐金を出す程度なのですが、やはり実際にそういう所へ行く勇気や義侠心、行動力というのは素晴らしい。僕の学生でそんなことをしたのは、知っている限り初めてのことで、わがことのように誇らしく思ったりしたのでした。さまざまな形で、多くの人たちを救うことになるのでしょう。無事に帰ることを祈っています。

(編集部注:彼女はその後、任務を終えて無事帰国しました。)

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