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教員が語る専門分野のこんなところが面白い 教員リレーエッセイ

専門分野の「こんなところが面白い」Vol.4
講師・海谷 千波(KAIYA, Chinami)

 多文化共生社会で文化的背景の異なる人同士が関わり合う「異文化コミュニケーション」を主に研究しています。「異文化」と聞くとつい「海外」を想像するかもしれませんが、実は日本国内でも異文化に関わる様々な問題が生じています。
 例えば、皆さんの学校には外国人や外国にルーツのある友達はいますか。答えが「No」の場合、あなたは既に「彼らを隠蔽する罠」にかかっているだけでなく、「日本人の常識」を盾に「差別の加害者」になってしまっているかもしれません。
 このような問題を解決するためには、日々表現・実践される「文化的差異」を分析し、他者との平和的関係構築に主体的に参画する応答責任を身につけることが重要です。この意味における「コミュニケーション教育」普及が急務だと思っています。

研究に欠かせないアイテム

研究上欠かせないアイテムは、何の変哲もない回答で申し訳ないのですが――したがって画像もないのですが――、「本」と「テレビ」です。
 まずは、「本」は必要不可欠なものです。異文化コミュニケーションの専門書はもちろんですが、経済・経営や自己啓発、そして最近は特に、宗教・倫理・道徳・世界観などに関する文献を多く読んでいます。
 また、「テレビ」番組を視聴することも大切にしています。教育やビジネス関連の番組で紹介される「失敗例/成功例」は、研究や教育だけでなく、人としての生き方に重要なヒントを与えてくれます。

研究する上で大切にしていること

研究上大切にしていることは、「恩師の教え」に尽きます。
 その教えとは、モノマネをやめて「独自の研究」を開発・探求することです。欧米からの輸入品や模倣品のような現代的研究や技能訓練が氾濫する日本社会においては、理想的な多文化共生社会実現を目指した「日本を含む東アジアの歴史や精神文化の通時的研究」が、異文化コミュニケーション研究者にとって必要不可欠だということです。
 もちろん、このような基礎研究はすぐに答えが出るようなものではありませんので、まさに死ぬまで修行です――そして、恩師との「縁」に感謝しながら。

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