受験生サイト サークル紹介 学生支援ポータル 学納金サイト  [在学生・保護者専用]
教員が語る専門分野のこんなところが面白い 教員リレーエッセイ

専門分野の「こんなところが面白い」Vol.7
講師・小林 輝美(KOBAYASHI, Terumi)

 専門分野は教育工学です。英語では“educational technology”と言います。ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)を活用した研究が多いですが、必ずしもコンピュータが必要なわけではなく、教育に関することなら何でも研究対象になる学際的な学問分野です。
 私は学習に関心があり、学習心理学の社会的学習理論に注目しています。他者を観察し模倣することによって新しい行動を獲得できるという「モデリング」は大変面白いと思います。研究の際、しばらくは録画したビデオを使用してきましたが、オンライン授業でビデオ会議システムを使用する機会が増えるにつれ、リアルタイムでのビデオ使用について考える時間も増えました。なぜビデオをオンにしないのか、ビデオを見たくないのか、それとも見せたくないのか、本当にビデオは必要なのか・・・。オンライン上のコミュニケーションについてはCMC(Computer-Mediated Communication:コンピュータを介したコミュニケーション)という分野で研究されています。さまざまな分野を横断して研究することもまた面白いです。

研究に欠かせないアイテム

人間です。日常生活の些細な出来事や言動も研究のヒントになります。録画した自分の姿に違和感があるのは聞き慣れない自分の声のせいなのか、動画投稿アプリに投稿している人は自分の姿を見ても何とも感じないのか、ビデオ会議システムでビデオをオンにした瞬間にビデオを鏡代わりに使用するのは女子が多いのか、どのような人が自分の姿を見せることで承認欲求を満たすことができるのか、どのような環境が性格に影響を与えるのか、疑問に答えてくれるのもまた人間です。

研究する上で大切にしていること

取得したデータを大事にすることです。恩師の言葉を借りると、「データをまとめて論文にするということは、自分の子供に服を着せて世に送り出すのと同じこと」なのです。簡単なアンケートからインタビューや実験に至るまで、私の研究に関わるデータは全て人間によって生み出されます。協力してくださった人々に感謝し、データを無駄にすることなく、全てのデータを世に送り出してあげたいと思います。また、自分が面白いと感じる研究をすることも大事ですが、自分のためだけでなく、誰かの役にも立つ研究になるよう心がけています。

一覧へ戻る教員紹介ページへ