金田一秀穂名誉教授の講演会を開催 - 2023年度杏林大学公開講演会

　台風一過となった6月3日（土）午後に、金田一秀穂杏林大学名誉教授の公開講演会が井の頭キャンパスF棟309教室で開催されました。

　
　4年ぶりの登壇となった今回は、「言葉のしていること」と題して、CHAT GPTなどITの進化に伴う世相の変化や今も変わらない孔子や老子らによる中国古代の思想などを取り上げながら、90分間軽妙な語り口で弁舌を振るいました。また、単に “水がある”と言うのに対して、“水が置いてある”と言うと人の存在や営みが感じられるように、人々は言葉遣いによって表現できる「気配」というものを大切に生活していることなどを指摘しました。
　会場には学生や高齢の方など８１人が集まり、熱心にメモを取ったり、大きな笑い声を上げたりして講演を楽しんでいました。参加者からは、「本当に話が面白く、引き込まれた」、「自分の言葉で語る重要性と難しさを認識した」、「今私たちは自分の考えで物事を捉える力が不足している。自分の言葉を大切にし、発言していきたい」などの感想が寄せられました。

　杏林大学では、今後も様々な公開講演会を開催していきます。（一覧はこちら）

【金田一秀穂名誉教授略歴】
言語学者、専門は日本語教育、言語行動、意味論など。
中国 大連外語学院、アメリカ イェール大学、コロンビア大学などで日本語を教える。
1988年 杏林大学外国語学部が開設された年に 本学着任
2019年 杏林大学 特任教授
2022年 杏林大学 名誉教授