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総合政策学部開設40周年~学部の歩み、今、そしてこれから~

 2024年、総合政策学部は開設40周年を迎えました。医療系の大学だった杏林に、初めて文系の社会科学部(現在の総合政策学部)が開設されたのが1984年4月です。これは、創設者である松田進勇初代理事長の「大学が大学として存在するためには、広い視野でヒューマニズムや社会科学の問題についても考え、学ぶ必要がある」という理念に基づいています。この理念が、杏林大学が総合大学へと発展する礎となりました。

 2002年4月には、社会科学部から総合政策学部へと名称が変更されました。昨年度までに11, 203名の卒業生を輩出し、それぞれが社会で活躍しています。総合政策学部のこれまでの歩みと今、そしてこれからについて、第8代学部長の内藤高雄教授のインタビューとともにお伝えします。


内藤高雄学部長インタビュー

未来を語り合った教員たち

-杏林大学に着任したのはいつですか

 1990年4月ですので、今年で35年目になります。総合政策学部の前身である社会科学部の7期生が入学した年でした。

-当時の様子を教えてください

 教員も皆若く、授業や研究以外にも様々なことをやりました。例えば、現在では入試のマニュアル作りや学園祭の設営などは事務職員が行っていますが、当時は人手が少なく、教員も総出でこれらの作業を行っていました。今では考えられないことかもしれませんね。
 そういった業務もこなしつつ、教員たちで食事に行くと、これからの学部について真剣に議論したりしました。大学をより良くするためにはどうしたらいいか、ということを真面目に語り合っていました。

社会科学部から総合政策学部へ

-総合政策学部に名称変更したのはなぜでしょうか

 実は、「社会科学部」は、具体的に何を学ぶかが理解されにくい面がありました。中には「社会科」で区切って読まれてしまい高校までの授業にある「社会科」を勉強する学部なのかと考える受験生もいました。そこで2002年に学部名を「総合政策学部」に変更しました。学部名は変わりましたが、創設時からの学びの特徴やめまぐるしく変化し、複雑化する社会に対応する力をもつ人材を育成する理念はしっかりと受け継がれています。

ゼミでは教員や先輩後輩、同期の仲間との人間関係も育まれる

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多角的にものごとを考える力を養う「学際演習」の授業

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-総合政策学部の特徴はどういったところにありますか

 いろいろな角度から社会事象を学ぶことができるという点です。現代社会は非常に複雑化し、明確な正解のない問いに囲まれています。このような多様な社会の課題解決のためには、複数の視点が必要になってきます。総合政策学部では、はじめに政治、経済、法律、国際関係、福祉政策、経営、会計と幅広い領域を学んだうえで、社会の課題を捉え、課題発見能力を養成し、多角的に物事を考え、その課題を解決する能力を身につけていきます。
 また、グローバル化に対応できる人材を育成するGlobal Career Program(GCP)、デジタル化に対応する人材育成をめざすData Design Program(DDP)、地域社会で実践的に学ぶCommunity Based Learning(CBL)の3つのプログラムを用意して、学生が自分の世界を切り拓く力を支援しています。

英語で考え、表現し、伝える力を養うGCP

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留学などから国際的な視点も身につけるGCP

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地域活動から地域の課題を発見し解決策を見出すCBL

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学生と共に半世紀の歴史を

-学生や卒業生に伝えたいことはありますか

 総合政策学部には多様な学びの機会があります。積極的にチャレンジして、それぞれに成長を感じてもらい、社会に巣立ってほしいと思います。1万1千人を超える卒業生たちは国内外の社会の様々な分野で活躍しています。今年の杏林祭の期間中に行われた同窓生の集いには多くの卒業生たちが元気な姿を見せに集まってくれました。私たち教員にとってもっとも嬉しいことの一つです。これからも母校に足を運んでほしいですね。

-次の10年に向けてメッセージをお願いします

 1984年に社会科学部として開設以来、多くの方々のご努力で、本年、40周年を迎えることができました。少子化で学部を取り巻く環境が厳しい中、今後も多くの卒業生や先輩教職員の方々のあつい想いのこもったこの学部を守り、発展させていくことが、節目の年に学部のかじ取りをする私たちの責務であるとの自覚をもって、日々、努力していくことをお誓い申し上げます。

杏林大学新聞第32号(2024年11月18日発行)より

2024.11.26