八王子学園都市センターで、本学の大瀧純一学長による講座「高齢者における心の健康とは~心身ともに健康で生きることの難しさ~」が5月30日(木)スタートしました。
この講座は、八王子学園都市大学(通称:いちょう塾)が八王子市民を対象に開いているもので、大瀧学長の今回の講座は7月にかけて全6回、集中的に開かれます。
初回となる30日は、高齢者が加齢とともに自覚する不安感や焦燥感、抑うつ感などを脳の機能と関連づけながら講座が展開されていきました。「飲酒したときに出る本性は、その人の『感情脳』に関係する」、「自身の不調は夢で分かる」など、「健康づくりのために毎日に活かせるヒント」を学ぶことができ、受講者の方々もメモなどを取りながら90分の講座に聞き入っていました。
【大瀧学長にQ&A】
Q.初回授業を終えてみて、いかがでしたか?
A.熱心に参加して下さる方ばかりだったので、大変嬉しく思いました。学生が精神症状や脳の機能について授業で学ぶときは、自分でない誰かのことを学びますが、ここにいる受講生の皆さんは自分自身のことだと思って聞くわけですから、やはり意欲が違うなと感じました。
Q.「学長が担当する講座が聞ける」ということは、地域の方々にとってもインパクトのあることだと思います。講座の提供を大瀧学長自ら申し出られた理由をお聞かせください。
A.まずは杏林大学を知っていただくきっかけとして、学長自身が出ていけば何かしら注目を集めることが出来るのではないかと思ったからです。事務局の方から、この講座では定員を超える申し込みがあったとうかがいましたが、それを聞いて「少しでも地域の皆様に興味を持っていただけたのかな」と感じました。
また、杏林大学では生涯学習にも力を入れており、社会人に学び直しの場(※)を提供しています。そのような中で、自分も地域の方々のために専門知識を活かした取り組みを行いたいと考えていましたので、この「いちょう塾」は絶好の機会だと思ったからです。
Q.大瀧学長はかねてより、「社会の健康を守る」、「社会の健康づくり」といったことを様々な場面でお話されています。本講座のテーマを「体力づくり」やスポーツなどの話題ではなく、「高齢者の心身の健康」に設定したのはどうしてですか。
A.人が死ぬということは誰もが知っていることですが、加齢とともに自然に亡くなること、いわゆる老衰で亡くなるということはどんなことなのかを理解している人は少ないでしょう。人が年を取って徐々に弱くなり、死を迎えるまでの期間のことをある程度明確にすることで、自分の死に対する漠然とした不安を軽減し、「寿命にしたがって生き、寿命にしたがって死ぬ」ための1つの参考になればと思いました。
講座の中盤では、「認知症」についても取り上げる予定です。脳機能と精神症状を関連させながら、「認知症」というものを正しく理解出来るように授業を展開していくつもりです。楽しみにしていてほしいですね。
※……「高齢社会における地域活性化コーディネーター養成プログラム」。今年度の申込は終了しています。
地域総合研究所、データサイエンス教育研究センター 講師 橋本晃生
データサイエンス教育研究センター センター長、教授 坪下幸寛
2024年6月17日
保健学部理学療法学科 教授 石井 博之(Ishii Hiroyuki)
保健学部理学療法学科 助教 相原 圭太(Keita Aihara)
保健学部健康福祉学科 准教授 大久 朋子(Tomoko Ohisa)
保健学部健康福祉学科 准教授 朝野 聡(Satoshi Asano)
保健学部看護学科看護養護教育学専攻 教授 太田 ひろみ(Hiromi Ohta)
保健学部看護学科看護養護教育学専攻 助教 楠田 美奈(Mina Kusuda)
2020年7月9日