※杏林CCRC研究所は、令和3年7月に「地域総合研究所」に名称変更しました。
地域総合研究所は、包括的な地域連携を推進する拠点となる場として、これまで「包括連携協定」を締結している三鷹市・八王子市・羽村市と連携し研究を行ってきました。 平成28年に保健学部・総合政策学部・外国語学部の3学部のキャンパスを八王子から井の頭キャンパスに移行し、教育・研究機能集約のおかげで、さらなる発展が期待されています。
平成25年から平成29年までは、CCRC (Center for Comprehensive Regional Collaborationの略)について集約的に研究を行い、また、地域との協働による課題解決を通して地域志向かつ問題解決力を持つ学生を育成しながら、新しい都市型高齢社会の姿を模索してまいりました。『都市型高齢社会の健康と安心』を主題に、学生と地域関係者が共に学ぶ「生きがい創出」、退職団塊世代の「健康寿命延伸」、大規模自然災害に備える「災害に備えるまちづくり」に、まずは本学の教育・研究機能が集中する三鷹市を中心に取り組みを進め、次に八王子市・羽村市、令和元年度に締結した武蔵野市にもその成果を反映していきます。
本学は良医を育成する医学部、健康づくりをはじめとして助産から高齢者のリハビリ・生活支援までを扱う保健学部、社会問題を俯瞰的視野で扱う総合政策学部、創造的なコミュニケーションとホスピタリティのプロを育成する外国語学部からなり、都市型高齢社会が抱えるさまざまな課題を解決する教育・研究資源を有しています。
本事業を実現することにより、本学と地域社会の知の統合を目指す「Center for Comprehensive Regional Collaboration:杏林CCRC」が形成されていきます。
所長
長島 文夫(兼任・医学部腫瘍内科学教室 教授)
兼任研究員
加藤 雅江 (兼任・保健学部 教授)
大森 拓哉 (兼任・保健学部 教授)
坪下 幸寛 (兼任・保健学部 教授)
橋本 晃生 (兼任・保健学部 助教)
木暮 健太郎(兼任・総合政策学部 教授)
三浦 秀之 (兼任・総合政策学部 准教授)
小堀 貴亮 (兼任・外国語学部 教授)
古本 泰之 (兼任・外国語学部 教授)
水谷 友紀 (兼任・医学部総合医療学 講師)
客員研究員
北出 恭子 (スプリングラボ合同会社CEO)
佐藤 加奈絵(前宮城大学 特任調査研究員)
中川 智博 (株式会社Tokyo Creative代表取締役)
鳥羽 真 (株式会社パソナJOB HUB)
〒181-8611
東京都三鷹市新川6-20-2
杏林大学三鷹キャンパス
看護・医学教育研究棟 1階 116号室
e-mail : area@ks.kyorin-u.ac.jp
今年度は@地域総合研究所指定研究 A地域活動助成研究 に取り組んでいます。
指定テーマ:「生きがい創出」「健康寿命延伸」「災害に備えるまちづくり」「持続的発展可能な少子高齢社会像の構築」
「ウェルネスツーリズム」「岩手県における地方創生」
医学部腫瘍内科学 教授 長島文夫
「健康教育、災害に備える街づくりを意識した包括的研究」
杏林大学のシーズを活かし、健康教育や災害に備える街づくりの活動等を通して、病気に罹患してもさらには災害時など都市インフラ機能が低下した場合でも、安心して暮らせるように、平時からの備えを意識した体制を多摩地区で整備していく。
(1)がん教育を通じて地域社会への健康教育を展開
(2)都市災害に備えた平時における医療体制の構築のための情報共有
保健学部 教授 加藤雅江
「子ども食堂の場を活用した地域関係機関(精神障害者 就労継続支援事業)との共働」
社会が危機的な状況に陥った際に必要となる子育て支援の在り方を、地域内でのつながり(ネットワーク)構築の場づくりという視点から、実践を通じて明らかにする。
(1)コロナ禍での精神障害者 就労継続支援事業が抱える課題の抽出
(2)社会福祉法人むうぷ舎とこども食堂の連携の在り方について
福祉作業所との共働により、子どもたちに多様性の理解を促し、地域共生の可能性について考える。
地域総合研究所 兼任研究員 古本泰之(外国語学部教授)
「COVID-19等の危機下の地域における交流人口・関係人口増加活動のあり方」
COVID-19の蔓延や地震、外部からの資本流入等の様々な危機を迎えた地域における交流人口・関係人口増加に向けた取り組みについて、「ワーケーション」といった新たな観光形態への参画など様々な事例を渉猟・分析し、有効性を検討する。
総合政策学部 准教授 三浦秀之
「東日本大震災からの復興と課題発見」
昨年度、本学と包括連携協定を締結した石巻市・東松島市の事業者とコミュニティに焦点をあて、震災後にいかなる課題に直面し、それをどのように乗り越えようとしているかをヒアリング調査する。
地域総合研究所 兼任研究員 小堀貴亮(外国語学部教授)
「『杏林型ウェルネスツーリズム』の構想立案と実施およびその妥当性検証に関する研究」
効果が感覚的になりがちなこれまでのウェルネスツーリズムについて、新しく健康寿命延伸の視点から科学的な検証を取り入れ、「杏林型ウェルネスツーリズム」という学問的な確立を目指す。
温泉効能、運動、リクリエーション、栄養、観光学の観点から意義と効能を検証する。
地域活動助成研究は、地域課題解決や地域活性、産学公連携など(地域福祉、産業振興、賑わい創出、健康問題など)に寄与する研究や杏林CCRC事業の目標に該当する研究を助成し、研究成果を地域還元することを目的とし募集しております。 今年度は、以下の研究が採択されました。
医学部耳鼻咽喉科学 講師 宮本真
「小児における呼吸・音声障害の安全で効果的な診療体制の確立」
保健学部看護学科看護養護学専攻 講師 石野晶子
「特別な支援を必要とする子どもの保育園生活における課題」
杏林CCRC 研究所では、平成28年の三鷹市への教育・研究機能集約を機に、少子高齢化に伴って生じる問題について平成25 年度から集中的に研究を行い、教育・研究・社会貢献の体制を強化してまいりました。また、地域と協同し、課題解決を通して地域志向かつ問題解決力を持つ学生を育成し、なおかつ新しい都市型高齢社会の姿を模索してきました。
『都市型高齢社会の健康と安心』を主題に、学生と地域関係者が共に学ぶ「生きがい創出」、退職団塊世代の「健康寿命延伸」、大規模自然災害に備える「災害に備えるまちづくり」に、まずは本学の教育・研究機能が集中した三鷹市を中心に取り組みを進め、次に八王子市・羽村市にもその成果を反映しています。