2025年(令和7年)11月30日(日)、プリモホールゆとろぎ(羽村市)において、杏林大学と羽村市学生連携企画講座「名画の裏側へようこそ―観察することで見えてくるもの―」が実施されました。
この講座は羽村市教育委員会が主催し、本学外国語学部観光交流文化学科 古本泰之ゼミナールが企画・運営を担当したものです(協力:杏林大学)。本年度で10回目の開催となりました。
開講にあたり、古本ゼミナールは羽村市生涯学習推進課のスタッフの方と、講師の選定から当日の運営に至るまで綿密な打ち合わせを重ねました。チラシの作成、会場の設営・撤収作業から講演会の司会進行まで、学生が準備・運営をしました。
今回は、中央大学文学部美術史美術館コースの阿部成樹(あべ しげき)教授が登壇し、「名画の裏側へようこそ―観察することで見えてくるもの―」と題して講演しました。阿部教授は絵画を「鑑賞」ではなく「観察」する手法について、ワークショップ形式で解説を行いました。当日は約40名の市民の方が参加しました。
阿部教授は、ここでいう「観察」を、「観る人が自ら疑問を持って絵画にアプローチし」「作品の中に込められた“何か”を発見していくこと」と定義し、様々なロゴや絵画を参考に、名画の裏側を読み解く方法について解説を展開しました。
講座は、まず企業や商品のロゴを複数紹介し、デザインに込められた意味を観察によって読み取る体験から始まりました。阿部教授は美術史を専門としており、美術史を読み解くことは「探偵のような」側面があると述べました。その後、観察のポイントやテーマごとに阿部教授が絵画を紹介し、構図や描かれているものから読み取れるメッセージを、参加者全員で「観察」「推理」しながら考えました。参加者の方々は、阿部教授のヒントを聴きながら、的確に画家の意図やメッセージを発見し、会場は活発な雰囲気で進行しました。
質疑応答の時間では、「観察」の目を磨く方法に関する質問や、自身の絵画鑑賞体験と本講座の学びを組み合わせて感じたこと、紹介された絵画に対するさらなる考察など、多岐にわたる感想や意見が寄せられました。参加者にとって二時間が短く感じられる、充実した内容の講座となりました。




(地域交流課)
2025年12月1日