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About Kyorin University平成20年度事業計画について

T 大学を取り巻く現状と本学の基本方針

現在、大学教育・研究およびその母体となる大学経営は戦後はじめての激変の時代の中にある。
大学審議会の答申を受ける形で1991年には大学設置基準の大綱化が実施された。これにより一般教育と専門教育の区別が無くなり、各大学は、建学の理念に基づく特色ある教育を自由な学部編成のもとで行えるようになった。その一方、自己責任として大学自身による自己点検・評価が求められるようになり、2004年からは認証評価機関による第三者評価も義務づけられた。
その後も、大学を取り巻く制度の規制緩和は進み、国立大学が独立行政法人化し、財政的には私立大学とイコールフッティングでないにもかかわらず、従来の国立・私立の棲み分けが崩れてゆく状況にある。
さらに学校教育法の一部改正などにより、大学の新設や学部・学科の新設・改組も容易になり私立大学の数は大きく増加した。一方、競争市場での大学運営に柔軟に対応するため、学校法人会計基準(基本金の取り崩し等)の一部改正も行われた。
しかしながら、少子化、18歳人口の減少、進学率の頭打ち、大学全入時代、初等・中等教育段階での「ゆとり教育」など、大学教育および大学経営を取り巻く環境はこれまで以上に厳しくなっているといわざるをえない。

こうした中で本学は平成20年度の入学志願者数が、対前年比で109パーセントを達成し、ここ数年続いていた志願者の減少傾向に歯止めを掛けた形になったが、現状では将来的に志願者数の増加傾向を維持し続けるのは非常に厳しいものがある。
さらに特色ある教育の実現、初年次教育の充実、教職員の職能開発、文系学部の社会での認知度を高めるなどの本格的な取り組みは緒についたばかりで、これらの取り組みが効果を上げるためには、今後のわれわれの努力如何にかかっているといっても過言ではない。
こうした状況において本学の平成20年度の事業計画(案)策定にあたっては、本学が社会から信頼される総合大学として存続・発展していくためにまず 「学生への教育の充実」を第1の柱とし、続いて「教育・研究の施設設備の整備」「八王子キャンパスのアメニティ向上を図る取り組み」、および学園財政の大きな割合を占める「病院機能と経営の改善」を加えて、重点事業の4つの柱として位置づけた。

以上のような大学にとって厳しい時代を迎え、杏林学園は教職員が一体となって志願者募集の取り組みをさらに強化するとともに、これらを柱とした重点事業への取り組みを通して杏林学園のブランドをより一層高め、建学の精神である「真・善・美の探究」を踏まえて、教育・研究・診療の分野で信頼される社会基盤を提供し続ける使命を果たしていくことを目指すものである。

II 重点事業計画

1 学生への教育の充実

(1)学部学科の移転、学部学科および大学院専攻の新設

<1>保健学部看護学科三鷹キャンパスに移転へ
少子化に伴う受験生の減少、看護系大学の急激な増加により、看護分野の競争が一段と激化する中で、看護学科は臨地実習施設である病院と隣接することが重要なポイントとなる。これらの状況から、平成21年4月から同学科を三鷹キャンパスに移転する計画を、平成19年12月開催の理事会及び評議員会に付議し承認された。平成20年度は、移転先となる三鷹キャンパス看護専門学校第二校舎の校地・校舎を、大学校地・校舎への転用手続きを進め、また看護学科生を迎えるにあたっての教育環境の整備を行い、アメニティについても現状よりさらに充実を図る。

<2>保健学部理学療法学科の新設(準備)
社会の高齢化に伴い、疾病構造も急性期の疾患だけでなく慢性疾患も多くなり、障害もより重度化、複雑化し、リハビリテーション医療へのニーズもますます高まってきている。こうした社会情勢の変化に伴い、リハビリテーション医療の中心的な専門職である理学療法士の職域は、医療機関にとどまらず、在宅医療や保健・福祉領域にまで拡大され、より広範かつ高度になりつつある。

こうした医療業務に携わる理学療法士の養成は、大学病院等の臨床教育施設を有し、かつ大学院教育が行える教育環境のもとで行われることが理想とされているが、本学は十分にその機能を有している。以上のことを考慮し、本学部において社会に貢献できる理学療法士の養成を行うため、本学部6番目の学科として理学療法学科(仮称)の設置を検討し、開設準備を進める。

<3>大学院国際協力研究科に国際言語コミュニケーション専攻を開設(準備)
国際協力研究科では、中国語の通訳・翻訳に関するニーズが極めて高く、加えて英語を対象言語とする社会的要請も強いことから、国際文化交流専攻の専門分野である「通訳・翻訳研究」を更に拡充・発展させ、「国際言語コミュニケーション専攻」を本研究科で4番目の専攻として設置する計画のため諸手続きの準備を進める。

(2)社会からの信頼に応える学士課程教育の構築

中央教育審議会が平成19年9月に審議経過として報告した「学士課程教育の再構築に向けて」では、「自立した『21世紀型市民』」を幅広く育成することは、・・・・現代の大学の担うべき公共的な使命である。」として、その使命を達成するために、学士課程教育で「達成すべき『学習成果』を明確に示すこと」が大切であるとしている。

さらに、報告では「きめ細かな授業と厳格な成績評価」をすることによっていわゆる「出口管理」の強化を図ることを求めており、平成20年度にこれら報告に盛り込まれた諸課題を具体化し推進していく。この他、教職員の職能開発(FD、SD)を推進する。特に、教員評価は試行2年目に入り、本格実施に向けて整備を進める。

2 主な教育・研究の施設設備の整備

(1)看護専門学校第二校舎改修工事…平成20年12月末完成

保健学部看護学科が三鷹キャンパスに移転することに伴い、看護専門学校第二校舎の現在使用していない実習室等一部を除き、保健学部看護学科生のための講義室、実習室、カンファレンス室等に改修する。

(2)ボイラ燃料転換及び省エネボイラ更新工事

昭和54年に省エネ法(エネルギーの使用合理化に関する法律)が施行され、三鷹キャンパスは第一種エネルギー管理指定工場(事業所)として指定登録を受け、CO2の5%低減を義務付けられた。これを達成する為にはソフト面における対策のみでは限界があることからハード面における対策を併せて推進する。現在のボイラは4台設置されており、燃料は灯油・ガス併用(2:2)で稼動しているが、今回ボイラの1台をガスへ燃料転換することと、コスト削減の投資対効果も期待できるガス焚省エネ貫流ボイラに本体を更新する。

(3)情報教育システム更新(八王子キャンパス)

平成15年度に導入した教育用電算機は保健学部、総合政策学部および外国語学部の情報処理教育、学術研究に不可欠な教育システムとして、総合情報センター管理の下で運用している。導入して5年経ち、システム、ソフトウェアの陳腐化が進んだため、320台の教育用PCを更新し、すべてのPCに最新のOSであるVista Enterpriseを導入する。あわせてPC 30台を増設する。これらによって情報教育環境が向上し、表現メディア教育の充実を図ることができる。なお新しいシステムは新学期から運用を開始する。

(4)総合周産期母子医療センターシステム更新

<1>妊産婦連動システムの更新・・当院総合周産期母子医療センターでの分娩は、1階にあるMF-ICU内のハイリスクフロアと、2階にある産科病棟内のローリスクフロアでの分娩管理を行っているが、ハイリスク妊娠分娩管理が増加しており、両フロアでの分娩を同時に監視するために妊産婦連動システムの更新を行なう。

<2>心電呼吸(患者)監視装置の更新・・現在のモニターはネットワークやプリンターに接続していない孤立型であり、看護支援システムなど部門別オーダリングシステムにも対応していない。医療安全の観点から更新を行う。

3 八王子キャンパスのアメニティ向上を図る取り組み

八王子キャンパスが良質な教育環境を保持し、学生にとって快適な環境にするためのアメニティ向上を図る環境整備プロジェクトは、平成20年度が最終年度に当たる。主な事業計画として、(1)図書館の改修(2)食堂の改修(3)学生課、教務課の環境改善(4)H棟跡地周辺の整備(5)喫煙対策の5項目を重点項目として取り組む。

交通アクセス問題についても引き続き改善を図っていく。

4 病院機能と経営の改善

病院は、秋に受ける病院機能評価に向け、医療安全、職員教育、地域医療連携等の取り組みを精力的に推進する。これら病院機能評価に対する活動を通じて病院機能の改善を図り、医療の質の向上、患者サービスの向上を目指す。また、学園の財政に大きな影響のある、医療収支については、厚生労働省の平成20年度診療報酬の−0.82%改定に表されるように大変厳しい環境にある。このため、平成19年度収支改善の大きな原動力となった「経営改善プロジェクト20」に引き続き、平成20年度も10のプロジェクトを推進し、外来患者・入院患者数の増加や業務見直しなどコストの削減を図る。

III 各部門の事業計画

各部門の事業計画については、総合大学として「魅力ある大学」、「特色ある学部づくり」の取り組みを進め「杏林ブランド」の一層の向上を目指すことと、「高等教育を取り巻く環境の激変に対応すべき改革の取り組みを一層推進する」ための事業計画(案)として策定した。以下に、大学、付属病院、本部(管理部門)別に取りまとめ掲載する。

1 大学

A 各学部

(1)基本方針

中央教育審議会大学部会から審議経過報告された「学士課程教育の重要性」を本学としてもあらためて認識し、学習成果を重視する観点の基で「何を教えるか」から「何をできるようにするか」に力点を移し、学生の本気で学ぶ心構えを育成し、社会で通用する力が身につくよう、きめ細やかな指導体制を築いて行く。

なお、平成20年度は大学基準協会による認証評価を受ける。大学評価を受け、改善すべき点は真摯に受け止めてその改善への取り組みを継続的に行なうことで大学の質が保証され、社会からの信頼を得ることになる。評価後に改善への具体的取り組みを策定し、平成20年度の重点項目として取り組んでいく。また、平成20年度よりファカルティ・ディベロップメント(FD)が大学・学部に義務付けられるため、組織的効果的な取り組みを展開し、教員の教育力を向上させ、学生の学習成果に結びつける。

(2)主な事業計画

1)学生への教育の充実

【医学部】

<1>新入生を円滑に医学教育へと導くことを目的として学生参加型の新入生オリエンテーションを実施するとともに、学生毎に教員一名を配置して医療現場を体験させるearly exposureなどの新たな取り組みを導入する。

<2>1年次におけるプレチュートリアルを前期に移行し、入学早期より自主学習能力の涵養を図るとともに、学生間のコミュニケーションを促進させる。

<3>5年次の臨床実習において実習グループを可能なかぎり少人数化し、よりきめ細かい指導が可能となる体制を構築する。

<4>5年次、6年次に行われるベッドサイドラーニング(BSL)やクリニカルクラークシップ等の臨床実習の充実に関し、次年度以降の改善を目標として教務委員会を中心とした総合的な検討を行う。

【保健学部】

新入生において高校での履修科目である数学、物理、化学、生物の一部の科目に学力不足の学生が見られるので、1年次に補講を行い、学力を一定レベルに引き上げる。

【総合政策学部】

平成18年度に導入した初年次教育は2年間を終わり、読解力・文章力演習に関してのオリジナル教科書も出来上がった。明らかになりつつあるメリット・デメリットを踏まえ2年後の完成年度を目指してさらに充実させる。また過重感のある必須科目の統廃合も進める。

【外国語学部】

<1>初年次教育の一環として新たに「基礎演習」の授業を導入し、入学生の基礎学力の充実を図る。

<2>英語力のさらなる伸長を図るために、英語学科および応用コミュニケーション学科において英語の基礎・応用科目を導入すると伴に、TOEIC IP TESTを引き続き実施する。

<3>新カリキュラムにおいて専門科目が本格的に始まるのに伴い、その教育効果を測り、カリキュラム・授業内容の点検および改善を通して学科・コースの教育目標達成を図る。

2)教育・研究の推進

【医学部】

<1>教育技法に関するファカルティ・ディベロップメント(FD)を実施し、教員の教育能力を高めるための継続的な取り組みを行う。

<2>以前より実施されてきた医学部共同研究プロジェクトおよび医学部研究奨励賞のうち、共同研究プロジェクトの採択件数を1件増やして3件とし、学内の複数部門が共同して行う共同研究の活性化を推進する。

【保健学部】

平成19年度から開始した研究奨励賞を積極的に活用し、個人研究だけでなく学科間の共同研究も推進し、学部の研究能力を高め、外部資金導入を増加させたい。

【総合政策学部】

企業経営学科の2年後の完成年度に向けてカリキュラム改正の準備をすすめる。そのために4年間「総合政策学部」で学ぶことの意味と方向性を決め、中教審が求めている「学習成果」を明示できるようにする。また、ここ数年間で少なくない教員が定年に達する状況に対して、教育力維持・向上の準備を進める

【外国語学部】

<1>学部内研究会「アカデミア」を引き続き開催し、教員の自己研鑽の場とするとともに、GP申請を通して教育・研究の推進を図る。

<2>海外研修、インターンシップおよび児童英語教育などの地域貢献を充実させ、教室外での教育を推進する。

3)教育・研究環境の改善・充実

【医学部】

<1>臨床実習を行う5年生を対象として、受け持ち患者の検査データおよび画像データを閲覧可能とするため、検査システム、PACSシステムのIDカードを貸与する。

<2>5年次の臨床実習において、担当教員と学生間の伝達・連絡等を円滑化し、学習効率を高める目的で、学生に対してPHSを貸与する。

【保健学部】

200名以上受講する講義科目は6科目あるが、少人数教育を押し進め、教育効果を上げるため0ないし1科目にする。また、研究成果が上がりやすいように、研究室の統合を進める。

【総合政策学部】

このところ教員の学内業務が飛躍的に増加しており、教育・研究との両立が可能なようにその解決法を探る。また競争的資金獲得に努める。

【外国語学部】

<1>IT環境については一通りの整備が完了したと言えるが、その機器およびソフトのアップデートを図る。

<2>懸案となっているLL教室の改修について具体的な案を検討する。

4)学生確保の対策

【医学部】

関西および東京周辺の医系予備校の訪問並びに医学部受験生の多い都内各高等学校への広報活動を、本年度も引き続き実施する。

【保健学部】

平成19年度と同様、オープンキャンパス、高校訪問、進学説明会、高校へ出向いての出張授業など積極的に広報活動を行う。その中でもオープンキャンパスにおける、本学学生と高校生との対話が好評なので、積極的に推し進めたい。

【総合政策学部】

平成20年度も学部スタッフ全員の意志を結集して学生確保対策にあたる。広報に関しては入学センターの取り組みに期待する一方で学部としては出張講義・高校訪問・いちょう塾などの社会人教育を通じて知名度を高める取り組みを進める。

【外国語学部】

<1>入学センター・学園入試プロジェクトと連携をとりながら学部の認知度向上のために高校訪問・出張講義・論文翻訳コンテスト・ホームページ改善などの各種事業を実施する。

<2>新たな企画として、新規重点地域への高校訪問を行い、受験生の開拓を図る。また、川柳コンテストを実施し、学部認知度向上を図る。

5)学生サービス向上対策

【医学部】

<1>学生のアメニティ向上の一環として、臨床研究棟地下一階の病院病理跡地を多目的ホールへと改修し、学生に開放する。

<2>平成19年度に改修工事を行なったコンピュータ室内に新たに設置されたコンピューター(100台)を学生に開放し、自由に利用させる方向で具体的な検討を行い、可能であればこれを実施する。

【保健学部】

学生数の増加に伴い、ロッカー不足が深刻化しているため、ロッカー室の整備をしたい。学生の居場所を確保するため、講義の行われない教室を曜日と時間ごとに提示し学生に開放する。担任制度の充実と学生課との連携の強化をはかる。新入生歓迎会、スポーツフェスティバル、杏園祭をとおして学生間の交流をはかる。

【総合政策学部】

現在約80%のゼミ参加者を増加させる。非ゼミ学生に対して教員が割り当てられているが、その指導を徹底する。問題のある学生を特定できるようにし、それに対する指導を徹底する。特に1年生の出席率に注意を払う。

【外国語学部】

<1>オリエンテーション・スポーツフェスティバル・「基礎演習」などを通して、新入生の大学生活への円滑な移行を図る。

<2>学生の抱える悩みをより早く察知し相談に応じることを可能とするため、出席状況の把握など担任教員・教務との連携を強化し中途退学者の減少を図る。

B 大学院各研究科

(1)基本方針

本学大学院の目的となっている「高度専門職業人」の養成を引き続き、各研究科・各専攻において推進する。また、国際的な通用性を目指した活動を積極的に進めることとする。

(2)主な事業計画

1)学生への教育の充実

【医学研究科】

<1>昨年度より開始された各学年修了時の「研究進捗状況報告書」や3年修了時の「研究報告会」などを円滑に実施し、研究科として組織的に学生の教育に取り組む体制の充実を図る。

<2>専攻共通科目である「基礎臨床共通講義」の教育内容・担当教員の大幅な改編を行い、医科学研究者に必須と考えられる基本的知識・技術習得の強化を図る。

<3>学習目標を明確化する目的で、学位審査基準を定める。

<4>標準修了年限未満での課程修了認定の具体的方法、認定要件等を明確化する。

【保健学研究科】

教育体制の充実を図るため看護学専攻を新設し、保健学専攻との2専攻体制とする。また急速な学問の進歩に見合った高度専門職業人の養成を図るため、各分野において授業科目の大幅な見直しを行ったので、学生および教員に周知させるとともに積極的に実行していく。

【国際協力研究科】

現在、博士前期課程として国際開発専攻・国際文化交流専攻・国際医療協力専攻、博士後期課程として開発問題専攻が設置されているが、今年度は、国際文化交流専攻にあらたに専門分野の一つとして「通訳・翻訳研究」を設け、特に中国語を対象言語とする通訳者・翻訳者・言語コーディネータの育成を強化する。また、修士論文発表会などの積極的推進により、学生の論文の質的向上をめざす。

2)教育・研究の推進

【医学研究科】

大学院教育ならびに研究の推進を目的として、faculty development(FD)を継続的に企画、実施する。

【保健学研究科】

今年度から教育・研究体制の再編を行い、学部教育との一貫性を図ったので、これを推進するとともに、社会人のさらなる取り込みを図るための方策を検討する。また、教員に対しては科研費等の研究費獲得のための組織的研修を計画・実行する。

【国際協力研究科】

教員ならびに大学院生による、海外の大学・研究機関および日本政府の関連機関等との教育・研究の協力や学術交流を、オープンセミナーやシンポジウムの実施等により、積極的に推進していく。また、国際保健医療協力分野で活躍中の修了生あるいは教員による公開講座や報告会も開催する。

3)教育・研究環境の改善・充実

【医学研究科】

大学院共同研究施設の効率的利用に関する検討を継続して行い、高額な実験施設、機器等の有効利用を促進する。

【保健学研究科】

平成21年度の看護学科の三鷹キャンパスへの移転にあわせ、看護学専攻についても教育研究環境およびカリキュラムの充実を図る。また、看護学科移転後の八王子キャンパスの効率的な利用法についても学部とともに検討する。

【国際協力研究科】

IT環境については、十分な整備が行われているとは云えないため、大学院生及び教員からの要望が強い機器の更新とソフトの充実を推進する。

学術情報データベース等については、図書館と連携して研究環境の充実を図っていくが、さらに大学院用図書予算を活用するため、教務委員会による効果的な選書を実施する。三鷹キャンパスにおいては、研究活動の利便性を向上させるために研究用文献資料の充実を計画している。

4)学生確保の対策

【医学研究科】

社会人入学制度の早期導入に向け、指導体制、カリキュラム、諸施設の夜間稼動体制等についての検討を行う。

【保健学研究科】

研究科全体としてのみならず専攻ごとに教育目標、アドミッションポリシーをホームページなどで公表し、学部学生や社会人の積極的な勧誘を図る。特に看護学専攻については看護部と協調し、付属病院に勤務する看護師の入学(社会人入学)を推進する。

【国際協力研究科】

広報委員会による入試広報体制の強化を図り、ホームページの充実、社会人を対象とした雑誌への広告掲載等、入学センターと連携を取りながら積極的に学生募集を行っていく。 

また、団塊の世代の定年退職者等に対しては、生涯学習の場としての大学院のあり方を検討し、オープンセミナーやシンポジウム等を通じて積極的に情報を発信しつつ受験生の掘り起こしを行う。

5)学生サービスの向上対策

【保健学研究科】

夜間開講、土曜日開講ないしは集中講義などの多様な授業体制を設定し、学生に対する便宜を図る。

【国際協力研究科】

GAKUEN(学園)システムの活用により、授業関係をはじめ学生生活に必要な情報を早く、的確に発信することで、さらに充実を図っていく。学生の多様なニーズに応えるために、実質的なカリキュラムの整備を進め、体系的な履修を行うことができるよう、履修相談を中心に丁寧な指導を行っていく。また、大学院生の就職については留学生も含めて、キャリアサポートセンターを中心に就職指導を行っていく。

C 各センター

【入学センター】

(1)基本方針

入学試験を遺漏なく実施すること、志願者を獲得するための広報活動を行うこと、および入学試験に関する情報を収集することを入学センターの基本的な目的としている。18歳人口の減少に伴ういわゆる「大学全入時代」に、より学力の高い学生を確保するために、大学の知名度を高めて志願者の増加をはかる施策を平成19年度に引き続いて行う。加えて、志願票の処理を効率的に行うシステムの整備を行う。

(2)主な事業計画

<1>学生募集プロジェクト 

平成19年度は外部コンサルタントに助言を求めて学生募集プロジェクトを実施した。このプロジェクトの主な事業は、新聞広告や交通広告の実施、高校訪問の拡大、オープンキャンパスの企画の見直し、入試対策セミナーの実施などであった。平成20年度もこの事業を継続する。以下に詳細を記す。

<2>広告

一般人を対象とした大学の知名度拡大施策として新聞広告や交通広告を行う。受験生の父母や知人が本学を認知することによって、受験生が目標としやすい環境を作り出すことがねらいである。加えて在校生の就職活動にも資する効果があるものと考えている。受験生を対 象とした広報活動としては、大学を紹介するパンフレットや入試情報を記載した印刷物を作成するとともに、Webサイトなどの電子媒体や進学雑誌などの紙媒体を用いて大学の周知を図る。

<3>説明会・高校訪問・オープンキャンパス

受験生を対象とした広報活動として進学相談会やオープンキャンパス、ダイレクトメールの発送などを行う。また、高等学校の進路指導の担当者を訪問して各学部の特徴や入試の変更点などを説明して、高等学校とのリレーションの強化を図る。

<4>志願票の学内処理

従来、外部業者と本学中央コンピュータ室で行っていた志願票の処理を入学センターで行うための準備を開始する。中央コンピュータ室が志願票の処理業務を停止することによる業務移管であり,本学にとっては志願者情報を手元に置くことができるメリットがある。今後数年かけて志願票の処理業務のすべてを入学センターで行う体制を整備する。

【キャリアサポートセンター】

(1)基本方針

 キャリア形成支援、就職活動支援の事業を通して在学生の成長の一助となると共に卒業時の進路不詳者ゼロを目指す。同時に卒業生に対しての相談・支援を開始し当センターの役割における「正しい大学」の実践に取り組んでいく。

(2)主な事業計画

<1>学年を対象にキャリア形成・就職活動支援を目的とした出張ゼミ講座およびミニ講座の拡充、企業見学の機会増加などに取り組む。これらの年間事業を「学年暦」として公表、周知する。

<2>学部との連携によりキャリア教育やインターンシップ授業に協力する。例えば総合政策学部、外国語学部のキャリア教育授業への企業からの講師招聘やインターンシップ企業の開拓、派遣に関わるサポートなど。

<3>就職活動の優位性やキャリア支援に役立つ各種資格取得講座を開講する。

<4>八王子市および周辺市町に所在する企業と産学地域連携の仕組みを立ち上げ、学生へのキャリア形成・就職支援と地域企業への人材供給を担う。これにより地元企業とのより強い関係をもち、就職の荒天対策にもつなげる。今年度は20社と連携が図れるよう取り組む。

<5>これら<1>―<4>の施策に取り組むことで当年度は就職率95%以上(前年93.7%)および卒業時の進路不詳者10%未満(前年13.1%)の達成を目指す。

<6>卒業生に対し第二新卒求人の提供や個人相談窓口を開設する。入学時から卒業後も杏林大学との繋がりを大事にすることで学生の満足度向上に努める。

【総合情報センター】

(1)基本方針

三鷹のPC室新設、八王子のPC室入れ替え(平成20年度予算)で大きな事業は平成19年度までに終了した。したがって平成20年度は、これまでの3年間で構築したインフラの活用が主な方針となる。ハード面では敷設以来9年になるネットワークのメインテナンスに手をつけざるを得ない状況である。

平成20年度には教職員・学生全員のウェブメールのアドレス付与が大きな課題となる。これが成功すると、経費の節減になると同時に、学生は卒業後も”@std.kyorin-u.ac.jp”を保持することになり、帰属感を涵養することにつながると考える。

学生のIT教育推進と並んで、教職員に対するIT教育を推進する。

(2)主な事業計画

【事務系】

<1>入学センターへのシステム導入を図り、入学センターの事務の効率化と、入学前から卒業後までの学生の情報管理を完成させ、カスタマーリレーションシップマネジメントの礎を築く。

<2>原議決裁において、電子決裁システムを導入し業務フローを見直すとともに、業務効率の改善を図る。

<3>三鷹のメインフレームで運用されている学納金システムを、サーバーシステムに刷新し、メインフレームの撤去を推進する。

<4>保健学部看護学科移転に向け、八王子校舎と三鷹校舎の事務処理の効率化を図るためのIT環境整備案を検討する 

【教育系】

<1>学生サービス向上の一環として、八王子校舎のガーデン丘に敷設済みの無線LANを利用してネットカフェを作る。

<2>全学生に卒業後も使える大学ドメインのメールアドレスや、ホームページスペース・ストレージスペース等を配布し、ITインフラを向上させインフラ面で他大学に追いつく。

<3>e−ラーニングを中心とする社会人講座実施実現のため、授業コンテンツ蓄積や講座の選別などを推進する。

<4>成人教育を中心とした通信学部の可能性を探るため、他大学の状況や、インフラ面での投資など必要な方策を検討する。

<5>保健学部看護学科生の移転後も八王子校舎と遜色の無いIT環境を提供するために、三鷹校舎での学生の声を取り入れながら検討する。

【国際交流センター】

(1)基本方針

本学の学際的かつ国際的な総合大学の特色を活かし、本学と海外の大学や学術研究機関との、学術・文化および人的交流を図り、もって人材の育成に寄与する。 

(2)主な事業計画

<1>協定校との交流事業

協定校との人的交流ならびに学術成果の交流を展開する。新規の協定締結案件に積極的に取り組む。従来は学生の交換が主な事業内容であったが、教員の交流や学術誌への相互投稿ならびに学術シンポジウムの開催へのサポートも検討する。

<2>派遣プログラムの充実

各学部・研究科で企画される海外研修や留学を全面的にサポートする。留学相談に応じ、海外留学する学生については、留学前後を含めて生活面・教学面でのサポートをおこなう。また、危機管理体制の強化に努め、関係者の海外滞在中等における緊急事態発生時の対応の備えをする。 

<3>受入プログラムの充実

海外からの、学位取得目的での正規入学者の他に、委託生や短期研修生などさまざまな形での受入を充実させる。留学生や研究者に対して教育研究面のみならず、福利厚生面でも支援を行ない、また、日本人学生や教職員との交流の場を創出してキャンパス内での国際交流を多彩なものにする。  

<4>学術誌の刊行

留学生に対する日本語教育を支える教員たちの論集『別科(日本語研修課程)紀要』を『杏林大学日本語教育研究』と改題し継続刊行する。学内の関係者による投稿以外に、海外からの投稿についても査読の上で掲載を可能にし、本学の日本語教育部門の学術教育レベルの高さを内外に示す。  

<5>業務の見直しと規約の改正

内外の情勢の変化ならびに本学大学事務部の改編に伴い、国際交流センターの業務内容を見直す。現状に即した明確かつ実効性のあるセンター業務が展開できるように、センターの規約ならびに協定校との協定書内容について必要な改正を行なう。

【八王子保健センター】

(1)基本方針

八王子保健センターは、八王子キャンパスにおける学生および教職員の健康の保持増進を図ることを目的として活動する。各種健康診断、予防接種、感染症抗体検査、健康相談、軽度の外傷および疾病に対する応急処置、環境衛生管理などに加え、健康に関する知識の普及、講習、啓発活動、保健指導などを行っていく。

(2)主な事業計画

以下の施策により、学生・教職員の健康の向上を図る。

<1>毎年実施している健康週間イベントと禁煙キャンペーン、禁煙指導に加え、定期健康診断後の指導を充実させ、学生・教職員の健康に対する取り組みを援助する。

<2>インフルエンザ、感染性胃腸炎、結核などの感染症や、各種疾病に対する予防と知識の普及を行う。また、新型インフルエンザなど、万一の患者発生に備えた危機管理体制の整備を進める。

<3>自動体外式除細動器(AED)設置について学内で周知するとともに、教職員・学生に対し、AEDの使用法ならびに基本的な救急処置のさらなる普及を図る。

<4>学生相談室をより多くの学生・教職員に周知し、学生のメンタルヘルスの向上に資するとともに、教職員のメンタルヘルス向上への活用を図る。

<5>情報の発信には、ポスター掲示やホームページなどに加え、ユニバーサルパスポート、CRVシステムといった媒体も活用していくとともに、人と人の直接的な関わりも大事にしていく。

D 図書館

(1)基本方針

図書館目標の「学術情報資源の充実」、「利用者サービスの向上」、「図書館利用環境の改善」を念頭に置き業務を進める。

(2)主な事業計画

利用者にとってより使いやすい図書館を目指し、サービスやアメニティの充実化を図る。

<1>学園のアメニティ改善計画に則り、閲覧室内の照明を書架の配置に合わせて移設し足りない部分は増設を行う。タイルカーペットの張替えを行い、居心地の良い空間を実現する。

<2>現状の古い閲覧机等の什器を更新し、学習環境を改善させる。

<3>使用に耐えない資料の除籍廃棄を進めることにより、書架の回転率を高め、有用性の高い資料を揃える。

<4>電子コンテンツの充実化を促進させ、資料への的確なナビゲーションを実現するアクセス環境を構築するとともに、利用者向け講習会を開催し、情報リテラシーの向上に努める。

<5>保健学部看護学科の移転に伴い、座席・資料の充実を図る。

E 医学部付属看護専門学校

(1)基本方針

<1>今年度の目標 「充実と飛躍」

<2>看護専門学校を取巻く環境の変化に対応して、質の高い、実践看護師の育成をめざす。

<3>質の高い学生の確保

<4>新カリキュラムへの対応

(2)主な事業計画

1)教育体制・教育設備の充実

<1>学内教育・臨地実習指導体制の強化(教育スタッフの充実・付属病院との連携強化) 

<2>実習室の整備・・看護学科移転に伴う工事に対応した実習室の改修・移転

<3>IT化に伴う看護教育としての情報処理訓練環境の整備

2)質の高い学生確保

<1>進学説明会、高校訪問を積極的に行い、学校見学も積極的に受入れる。また、医療看護系予備校・業者からの入試関連情報を活用する。

<2>入試制度の改正・・学士入学枠新設、入学試験のあり方について検討する。

<3>学士入学者の既修得単位認定制度のさらなる整備

3)就職指導の強化・・学生の質を高め、特定機能病院水準の病院へ就職を促進

4)新カリキュラムの対応

<1>新カリキュラム作成委員会を設ける。新カリキュラムに対応した本校のカリキュラムを具体的に編成する作業を行う。

<2>教育内容の充実・・対応する教育内容を具体的に立案し、時間割を作成する。演習時間を増やし、内容を高める。

<3>教育環境の改善・充実・・臨床実習指導教員を設置し、きめ細やかな指導を行い、教育の質を高める。

<4>外部委託実習施設の開拓

F 大学事務部

(1)基本方針

「魅力ある大学創り」のための取り組みを、教員と共に車の両輪となり推進する。

(2)主な事業計画

<1>受験生確保への取り組み強化  

<2>学生の満足度を高める取り組み

<3>教員の教育力を高める取り組みへの支援  

<4>研究活動を効率化するための支援

<5>大学認証評価の受審支援

<6>看護学科三鷹キャンパス移転支援

2 医学部付属病院

(1)基本方針

医療安全への取り組みを更に深化させる。医療安全を前提に病院機能の改善を図り、医療の質と患者サービスの向上を目指す。具体的には、秋に受ける予定の病院機能評価への取り組みを通じ病院機能向上を図る他、がんセンター設立、入退院センターの充実、外来診療システムの改変等に取り組む。この他、研修医・レジデント・新入職看護師教育の充実、医療の質の公開を通じての、医療の質の向上を図る。経営改善への取り組みは「プロジェクト10−2008」を推進する。

(2)主な事業計画

<1>医療安全管理室関係:

A 医療安全管理に関する計画

(a)多職種で実施するカンファレンスの強化

(b)減少出来るエラーへの対策実施と評価

(c)医療事故、インシデントに対する対応状況の評価

(d)院内ライセンス制度の促進(CVC挿入、看護師が行う静脈注射)

(e)非常勤職員も含めた重要事項の院内周知徹底、周知度評価の継続

(f)リスクマネージャーを対象とした医療安全研修の実施

(g)診療録の適切な記載の促進

B 院内感染防止に関する計画

(a)マニュアルの改訂・作成(新型インフルエンザ対策を含む)

(b)ICMによる職場管理体制の強化:報告基準の作成、周知事項の徹底

(c)研修、講習会の強化:手洗い・手指衛生に関するキャンペーンの実施

(d)職業感染防止対策の強化:結核・麻疹等の感染防止対策強化、安全器材採用推進、針刺し・血液暴露等事故報告内容分析と対策策定

(e)院内感染対策:適正な抗菌薬使用の推進、サーベイランス体制(血流感染サーベイランスの強化・周術期感染サーベイランスの再構築)、耐性菌巡視の強化、院内感染発生時の対応の強化

C 災害対策に関する計画

(a)マニュアルの作成・改訂:多数傷病者発生時の対応マニュアルの作成・災害対策マニュアルの改訂

(b)東京DMATの強化:隊員の確保、院内教育体制の整備

(c)災害対策訓練の実施

<2>職員教育室関係:

A 医療安全に関する計画:医療安全管理室と連携して実施する

(a)生命危機に関わる診療行為に関する研修

(b)新規採用職員に対する講習

(c)接遇研修

(d)BLS(basic life support)、ICLS(immediate cardiac life support)講習

(e)クリニカル・シミュレーション・ラボラトリーの充実と活用

B 医師の卒後教育に関する計画

(a)初期臨床研修の内容の充実

(b)指導医の指導力強化(2回の指導医養成ワークショップ)

(c)研修環境の整備

(d)初期臨床研修修了後の教育体制(人材育成プロジェクト)の整備

(e)人材確保のための対策(広報など)

C その他、診療の質の改善に資するもの

(a)内部・外部講師による講演会

<3>地域医療連携室・入退院センター・がんセンター関係:

A 地域医療連携室:紹介患者の紹介元への情報伝達の精緻化と地域連携室の管理。

B 入退院センター:集中治療施設からの転棟支援、日中緊急入院支援、予約入院でベッドがない場合の入院支援業務と退院支援機能を推進。個室病床利用の推進。集中治療施設の円滑な運用。

C がんセンター: Cancer Board の充実、外来化学療法室の拡充、院内癌登録の推進、三鷹武蔵野地区共通の癌クリニカルパスなどによる地域病診連携に基づくがん治療ネットワークの推進、社会・医療従事者に対してがん情報の提供等。

<4>外来機能: 外来棟6階のスタッフ室を診療室に改変し、外来機能を広げる。外来診療スペースを実情と必要に応じて再編成し、各科診療機能拡大への対応を図る。予約診察室の新設を計画する。

<5>健康増進センター:施設改修と頭部MRI・MRA、内視鏡の検査枠の確保、検体検査の迅速化を進め、1日ドックを中心に質的量的向上を図る。

<6>診療情報統計の充実と点検:診療情報統計公開を通じて医療の質の向上。

<7>管理部関係:

A 病院情報管理システムの充実改善:平成20年度診療報酬改定に伴うシステム対応。NICU情報システムの導入。医用画像情報提供の充実。

B 病院原価計算、予算管理の精緻化:患者別病院原価計算への取組み。部署別予算管理の精緻化。

C 薬剤・材料購入の合理化:月別在庫管理への取組み。薬剤・材料在庫金額の削減。

D 業務委託の合理化:業務委託内容の再検討。

<8>「経営改善プロジェクト10−2008」:

1)外来患者、入院患者数の増加
3)ベットコントロールの徹底
5)診療報酬加算への合理的対応
7)コスト削減
9)経営管理システムの精緻化

2)DPCの周知徹底:DPCの現実的な対応
4)クリニカルパスの積極的利用
6)中央部門の効率的運営
8)業務過程の見直し
10)目標管理システムの導入


<9>病院事務部:病院部署が掲げた上記<1>〜<8>
までの具体的な事業計画目標を支援・推進する他、横断的目標として以下の項目に取り組む。

1)医療収入増加
2)コスト削減
3)医療サービスの向上
4)事務職員の能力向上

3 法人本部(管理部門)

(1)基本方針

法人本部は、昨年に引き続き、大学、病院の各部署の改革を事務部門としてより効率的にサポート出来る体制を目指し、以下の施策に取り組む。

(2)主な事業計画

<1>本部基幹システム(新人事管理システム、新経理システム)の定着と活用

<2>事務職・技術職・技能職員への目標管理制度の定着

事務職・技術職・技能職員の管理職を対象に導入した「目標管理制度」の定着

<3>保健学部看護学科移転、保健学部理学療法学科の新設準備

  • 三鷹キャンパス受け入れのための施設改善(教室・実習室・図書館・食堂他)
  • 寄附行為の変更等諸規程の変更・所轄官庁への届出

<4>大学認証評価受審の円滑化を図る

平成20年度 予算について

本学校法人の平成20年度予算(案)が平成20年度3月28日に開催された理事会・評議員会の結果、原案どおり承認されましたので、資金収支予算、消費収支予算の概要をお知らせします。

収入面について

学納金収入は、納付金改定(一定方式=新入生から対象)による差額として3億円の増収を見込んだ。寄付金収入は、昨年6月で新外科病棟建設募金の募集期間が終了したこともあり、平成19年度決算見込比5千万の減収を見込んだ。補助金収入は、私立大学等経常費補助金の抑制などで増収は厳しい状況であるが、平成19年度決算見込比では3千万の増収を見込んだ。医療収入は、医療費改定による影響もあるが、昨年8月にオープンした外科病棟のフル稼動及び手術件数・外来患者数・入院患者数の増加など引き続き経営改善を図ることで、平成19年度決算見込比で1.14%、約3億の増収を見込んでいる。

支出面について

(1)三鷹・八王子の両キャンパスの教育・研究及び診療環境の充実と施設設備の整備に重点を置いて策定した。

1)IT環境の整備費(継続)  1億5,200万円

2)主な施設設備の整備・改修費

  • 看護専門学校第二校舎改修工事(保健・看護学科移転)  10億円
  • 第二病棟非常用発電機更新工事  1億4,700万円 
  • ボイラ燃料転換及び省エネボイラ更新工事   8,400万円 
  • 総合周産期母子医療センターシステム更新  1億7,500万円
  • 放射線機器(MRI 2台)更新・増設費  2億5,000万円

3)八王子キャンパスのアメニティ向上(アメニティ検討委員会)  8,000万円

(2) その他の予算については、特に次の項目を考慮した。

  • 研修医、医員・レジデントの処遇改善。
  • 学籍管理システム(医学部・看護専門学校)、学納金管理システム及び法人本部の教職員健診システム構築関係に伴う関連費用。

この結果、平成20年度予算は昨年に引き続き教育・研究及び診療環境の充実と、施設設備などに20億円近い資金を必要とするが、外科病棟建設費が昨年で終了したこと、また一昨年より全学を挙げて収支改善に取り組んできたことで、学園全体の資金は5.36億円の増加、帰属収支差額では1.48億円の収入超過となる予算編成となった。

本年度も予算執行に当たりましては、適正な予算執行が行なわれるよう管理面の強化を行なうとともに、引き続き収支均衡が図れるよう全力を尽くす所存です。