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【トピックス】 オックスフォード英語研修引率記

外国語学部講師 岩本和良

 

平成20 年度オックスフォード英語研修が8 月20 日から9 月9 日に行われ、外国語学部生22名、大学院生1 名の23 名が参加しました。研修は、昨年と同様に事前研修から始まりました。
オックスフォードと八王子キャンパスをインターネット回線でつなぎ、現地研修実施校CIE(College of International Education)の校長先生であるジョン・ハドソン先生によって、90分の遠隔授業が4 回行われました。その中で、オックスフォードの歴史や文化、建築物などについて学びました。言葉の壁と馴染みのない内容であったためか十分に理解できていない様子でしたが、写真やテレビでしか見たことのないような歴史ある建物やイギリス人の食生活など、自分たちがこれから経験するであろうことに大変興味を抱いておりました。
出発日の8 月20 日は、午前9 時に成田空港第1ターミナルに集合しました。国外に出るのは初めてという学生がほどんどで、荷物検査や出国手続、そしてイギリスへの入国手続と緊張の連続でしたが、無事にロンドンに到着し、そこからバスでオックスフォードへ向かいました。今回は、毎年研究のためにイギリスへ行かれている楠家教授が出発から同行してくださったので、皆安心して研修を進めることが出来ました。
オックスフォード到着後は、早速オックスフォード大学内のLady Margaret Hall(LMH)でオリエンテーションが行われました。長旅と時差で疲れていはいましたが、遠隔授業で顔見知りのハドソン先生に会うと、学生から笑顔がこぼれました。しかし、その後はこれから3週間お世話になるホストファミリー宅への移動だったので、全員不安を隠せずにいました。

翌日21 日から、現地での研修生活が開始しました。
見知らぬ土地ということで、まず中心地のCity Centreに集合しました。そこから歩いて15分ほどの研修場所LMH へ移動し、クラス分けのためのプレイスメントテストを受けました。
午後は、ハドソン先生の講義を受けた後、オックスフォード市内の主要箇所を見て回り、バス停、銀行、集合場所などを確認しました。案内してくださったのは、ジョンという若いCIE スタッフでしたが、学生が皆積極的にジョンと会話をしようとする姿を見て大変驚きました。

   

翌週月曜日からの2週間は、金・土・日曜日を除き、9:00〜12:15 までグループレッスン、13:30〜16:45 までプライベートレッスンが毎日行われました。グループレッスンは、9:00〜10:30 までが、プレイスメントテストで分けられたグループによる一般的な英語の授業で、10:45〜12:15 までがテーマレッスンでした。一般的な英語の授業では、英語によるコミュニケーション能力を養い、テーマレッスンでは、イギリスの文化、ビジネスなどについて学びました。また、研修後半には、最終日に行われるプレゼンテーションへ向けての指導も受けていました。
プライベートレッスンでは、学生がA・B グループに分かれ、それぞれのグループの学生は1 日おきに90 分のレッスンを受けました。レッスンが始まるまでは皆非常に緊張していましたが、 初回レッスンが終わると、全員の学生が「勉強になった上に楽しかったと」と口をそろえて言っていました。自分で言いたいことを何と言って良いか分からないので単語だけを言うと、先生が「あなたの言いたいことはこういうこと?」と文で言ってくれ、その文を何度も練習したので表現力がついたという学生もいました。
金曜日から日曜日にかけては、様々なアクティビティが行われました。事前指導の時ハドソン 先生から教えていただいたChrist Church、全員が初めての経験であったパンティング、チャーチル故首相の生まれ育ったBlenheim Palace、オプションツアーではありましたがLondon 観光など、たくさんの思い出が出来たはずです。特にBlenheim Palace では、楽しかったばかりでなく、案内してくださった宮川さんとの質疑応答から、英語で仕事をすることや異国の地で生活することの難しさ、また日本の良さなどを改めて考えさせられ、大変良い勉強になったようです。

  

最後の授業を終えた後は、それまで準備をしてきたプレゼンテーションと修了証の授与が行われました。グループ全員が一度に集まることが難しい中、それぞれが担当する仕事をしっかり行い素晴らしい発表になったと感じました。たどたどしい英語もありましたが、模造紙やパワーポイントにまとめた資料を見せながら、また発表の仕方にも工夫を加えながら行っていました。修了証は、それぞれのグループレッスンの担当の先生から手渡され、短期間ながらも研修の成果をかみ締めることが出来たようでした。最後に学生全員と、日本語で感謝の気持ちを伝えた時には、先生方も涙を浮かべて微笑んでいました。

 

最後の週末には、学生がホストとなり感謝パーティが開かれました。CIE の先生やスタッフ、ホストファミリーなど約50 名を招待し、CIE 近くの教会で、おにぎり、稲荷寿司、天ぷら、コロッケ、豆腐サラダ、けんちん汁、きな粉団子などの日本食で感謝の気持ちを表しました。その他、会場を折り紙で飾ったり、招待した方たちと一緒にハドソン先生から習ったJohn Lennon のImagine を合唱したり、折り紙で鶴を折るなどしました。最後には、3 人の学生が代表して、お世話になった方々へ感謝の気持ちを述べました。先生方やホストファミリーが、涙を浮かべている様子が大変印象的でした。

  

最終日は、タクシーまたはホストファミリーの車でLMH に集合しました。その日は、St. Gile’s Festival というお祭りがあり、時間にも余裕があったので、皆最後のオックスフォードを堪能していたようです。その後ロンドンへ向かい、予定通りに出国し帰国することが出来ました。
成田空港で、学生から添乗員の坂井さんにプレゼント、私にはカードが渡されました。研修途中で体調を崩す学生はいましたが、全員が協力し合いまたお互いに思いやり、大きな事故もなく充実した研修を終えた学生を前にした時、CIE の方々が「杏林大学の学生は日本人学生の中で一番良く、先生・スタッフ全員気に入っている」と言ってくれたことを思い出しました。
9 月25 日には事後指導ということで、ハドソン先生による最後の遠隔授業が行われました。事前指導の際には、質問されてから答えるまでに10 秒くらいの沈黙の時間がありましたが、この日は、皆即座に受け答えが出来ていました。質問の答えがすぐに出ないときは、“Well...”や“Umm...”などと言いながら上手く間を取り、全く答えが分からないときでも、“I’m sorry, I don’t know”と答えており、出発前とは比較にならないほど上達していました。
わずか3 週間ではありましたが、「自分の目標が見つかった」、「残りの大学生活に活かしたい」などの感想が多く出た研修でした。これをきっかけに、彼らが更に大きく成長してくれることを望みます。

2008.10.11