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大学トップが語る〈キャンパス アサヒ・コム〉

   社会に貢献できる良き職業人を育成

 杏林大学の「杏林」の由来をご存知でしょうか。

 中国に伝わる一つの故事に由来しています。その昔、中国は廬山というところに董奉(とうほう)という医師がいました。彼は人に尽くすために治療を行ってあえて治療代を受け取らず、その代わりに病気が治った人には、記念として杏の苗を植えてもらいました。そうして、いつしか10万余株の杏の木がうっそうと茂る大きな林ができあがったといわれています。この故事から後世良医のことを杏林と呼ぶようになりました。この故事に因んで名付けた杏林大学は、専門的知識や技術にすぐれているだけでなく、立派な人格を持った良き医師など社会に貢献することのできる良き職業人を育成することを目指しています。

 杏林学園はこのように良き職業人を養成することを目指し、初代理事長である松田進勇先生が1966年にまず杏林学園短期大学を開設されたのが始まりです。1970年には医学部が、次いで1979年に保健学部、1984年に社会科学部(現在の総合政策学部)、1988年に外国語学部が開設され、人文科学系、社会科学系、自然科学系、医療系の4学部に、東京西部地区三多摩の中核的医療センターである医学部付属病院を合わせ持つ総合大学として今日に至っております。

 この間に、医学、保健学、国際協力の大学院3研究科、医学部付属看護専門学校が設置され、40有余年の間に約3万人の卒業生が本学を巣立ち、医療現場をはじめ社会の様々な分野で、「杏林」の由来を心に刻んで社会に役立つ人材となるべく努めております。


杏林大学のクオリティーを高めるために

 日本は少子化による18歳人口の減少に伴い、高校を卒業する人たちの半数以上が大学に進む大学全入時代を迎え、大学の教育の質をどう保証していくかが今大きな課題となっています。平成20年12月、中央教育審議会は「学士課程教育の構築に向けて」と題する答申をまとめ、その中で「国際社会に伍していくために、我が国の学士課程教育はグローバルな知識基盤社会・学習社会において、未来の社会を支え、よりよいものとする『21世紀型市民』を幅広く育成するという公共的な使命を果たし、社会からの信頼にこたえていくべきだ」と指摘しています。

 これを受けて本学では平成21年に第二次の「中期計画検討委員会」を立ち上げ、全学挙げて1年間にわたって討議を重ね、22年3月、提言をまとめました。提言は杏林大学のクオリティーを高めるために向こう3年間で取り組むべき課題を具体的に示したもので、
 △少人数教育の推進や医療系と文系の教育の相互交流などを柱とした教育の質の向上
 △時代に即した学部・学科の編成見直し
 △大学院の整備・教育や研究業績の向上・入試の改善・海外交流の促進・高大連携の構築
などを柱として大学の総合力を高めること、などを提起しています。

 これらの課題は22年度から取り組んでまいりますが、計画倒れに終わらせないように計画:Planに続いて実行:Do、評価:Check、改善:ActionのPDCAサイクルを行い、確実に改革につなげていくことにしています。


学生とともに「真・善・美の探究」を

 中期計画の提言はすべて根幹で本学の建学の精神に基づいています。本学の建学の精神は「真・善・美の探究」です。「真」は真実・真理を究めるための学問をすることです。真実・真理に対して謙虚であるとともに、自ら進んで学び、研究することを意味します。「善」は倫理観を持ったよき人間性・人格を形成することです。他人に対してやさしく、思いやる心を持った人格を自ら築き上げて、人のために尽くすことです。「美」は真理に対し謙虚に学ぶ姿勢を持ち、他人を尊重し、自らの身を持するのに厳しく、美しいものを美しいと感じる感性を磨くよう努めれば、自然に美しい立派な風格のある人間に成長していくことを意味しています。「真・善・美の探究」を通じて、優れた人格を持ち、人のために尽くすことの出来る国際的な人材を育成することが、本学の教育理念です。

 少子化、グローバル化の中で大学は今そのあり方が問われています。本学も新しい時代に向けて大きく舵を切ろうとしています。教職員一同、特色ある学生教育の確立を目指し全学挙げて行動・実践してまいります。八王子、三鷹のキャンパスはいずれも緑豊かな、学びの環境が整ったところです。学生の皆さんとともに「真・善・美の探究」を実践していきたと願っています。