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ポートフォリオの活用をテーマにFD・SD講演会開催

 今年度のFD・SD講演会が、3月1日(木)八王子キャンパスE棟で、帝京大学高等教育開発センター長である土持ゲーリー法一教授を講師に招き「学習改善の秘訣・授業改善の秘密を探る−ポートフォリオの活用−」をテーマとした講演会が開催されました。
 この講演会は中期計画実行委員会であるFD・SD実行部会と学生支援実行部会が共同開催したもので、その様子は三鷹キャンパスでも同時中継されました。八王子キャンパスの会場には跡見裕学長、松田剛明副理事長をはじめおよそ150名の教職員が、また三鷹キャンパスにもおよそ50名の教職員が参加し熱心に耳を傾けました。

 土持教授は始めに、なぜポートフォリオが重要なのかについて、学生が学習過程を振り返りながら記録して証拠書類とともにファイルするものがポートフォリオであり、学生の能動的学習を促す意味でラーニング・ポートフォリオが重要である。そしてアカウンタビリティ(説明責任)重視の観点から、教員が何を教えたかではなく、学生が何を学んだか第三者に見える形で示すことが求められていると説明されました。

 能動的学習に関しては、具体的な実践事例を交えわかり易く説明をされました。例えば「単位の実質化」にともなう授業外学習を積極的に取り入れる方法として、図書館の指定図書制度を活用する方法。これは、学生に事前の準備学習を徹底させるため図書館とも協力し、図書館を利用したことを証明するために、カウンターで図書印をもらうようにさせる。また、学生の能動的学習を促すために、授業はすべてグループにわけて、グループ活動ができるようにし、準備学習が十分なされたかどうかを確認するために、授業の冒頭で「スクラッチ・クイズ」を実施する。その他、学生に試験問題を作らせるMIT方式が紹介されました。これは学生に試験問題を作らせることで、学生は授業に集中し考えながら授業を受けなければならない。教員も学生からの試験問題を参考に最終問題を作成するので、公平な問題を作れるといった効果があり、米国の理系大学の最高峰マサチューセッツ工科大学(MIT)が取り組んでいる方法です。授業では、教員はあくまでもファシリテーター(橋渡し)の役に徹し、学生同士の発表や議論を促すことが大切であると語っていました。後半の質疑応答では各学部の教員から質問が寄せられ、どの質問に対してもファカルティ・ディベロパーとして活躍されている最新の取り組みや学びを惜しみなく披露していただきました。

 また講演会の後には、ガーデン丘1階に会場を移し土持教授を囲んでの懇親会が開催されました。懇親会では教員を中心に盛んに会話をする姿が見られ、懇親会終了後も話が途切れることがないほど、活発に意見が取り交わされていました。

2012.3.3