7月28日から2日間、筑波大学で開催された第20回日本運動生理学会大会で、医学部衛生学公衆衛生学教室・小笠原準悦助教が奨励賞を受賞しました。
小笠原準悦助教は、骨格筋前駆細胞が褐色脂肪細胞に分化することに着目し、その分化調節に対する運動効果について、大野秀樹教授らとともに検討してきました。
今回、小笠原助教が行った演題「水泳運動は骨格筋前駆細胞から褐色脂肪細胞への分化シグナルを促進する」の発表では、寒冷曝露または水泳運動が、褐色脂肪細胞のマーカーである脱共役タンパク質-1(UCP-1)やCidea、褐色脂肪細胞への分化を調節するPDRM16とその補助因子であるC/EBP-β、PGC-1αなどのmRNAとタンパク質発現レベル及び細胞間相互作用などへ与える影響を、種々の骨格筋において検索し、水泳運動が僧帽筋・棘下筋における褐色脂肪細胞化機構への修飾能を有することを明らかにしました。
この結果は、水泳運動が褐色脂肪細胞化を標的とした新たな肥満療法に有用なツールとなることを示唆するもので、本学会において特に優れた研究発表であると評価され奨励賞受賞となりました。
小笠原助教は「我々の研究により、“Exercise is Medicine”の概念は褐色脂肪細胞への分化機構にも適応することが明らかとなりつつあります。
本研究課題のさらなる検討を通じて、基礎医学的側面から生活習慣病の予防や治療に貢献できれば幸いです」と話しています。
小笠原準悦助教