杏林大学は、平成24年度グローバル人材育成推進事業に計画書を申請していましたが、9月24日に文部科学省の事業として採択する旨の通知がありました。
本事業は平成28年度までの5ヵ年事業で、杏林大学では外国語学部を中心に「中国語圏で活躍するスマートでタフな日中英トライリンガル人材の育成」を目指します。
【事業の背景・目的】(文部科学省 事業公募要領より抜粋)
グローバル化が加速する21世紀の世界経済の中において、20年、30年後の「日本」を見据え、飽くなき知的好奇心を持ち、高度で豊かな語学力・コミュニケーション能力や異文化体験を身に付け、国際社会に積極的に関与し貢献するとともに、日本がより豊かで強く、かつ様々な価値観を大切にする国になるための礎となる「人財」を継続的に育成していく必要があります。
若い世代の「内向き志向」を克服し、国際的な産業競争力の向上や国と国の絆の強化の基盤として、グローバルな舞台に積極的に挑戦し活躍できる「人財」の育成を図ります。
【本事業の概要】
外国語学部は、「今後の国際的な開発・技術・経済の協力と競争の中心は(欧米からの企業進出も多いため、マルチリンガルな人材の活躍の場である)中国語圏である」という認識のもと、共通言語としての英語に加え、中国語教育に重点をおいてきました。中国語と英語をツールとすることは、アジアでのビジネス展開や交渉の場で活躍する第一歩であり、ひいては全世界への飛躍につながる、と考えています。
本事業は、この中国語圏で活躍できる「卓抜した語学力」と「スマートでタフな交渉能力」を兼ね備えたグローバル人材を養成することを目指します。外国語学部の語学教育をさらに強化するとともに、アジア・中国に軸足を置いた学際的な教育資源を持つ総合政策学部と連携し、最終的には学内外への成果の波及を図ります。
1.卓抜した語学力の養成
「卓抜した語学力」とは「責任ある仕事を遂行できるレベルの語学力」を意味します。独自に開発した実践的語学教育プログラム(CIC、PEP等)を少人数クラスで実施することに加え、ネイティブスピーカーと目標言語のみでコミュニケーションをする「中国語サロン」「英語サロン」の常設、中国の名門大学から来ている留学生との積極的な交流、e-ラーニング、BBC・CNN・中国国営テレビ等の常時放映・視聴、同時通訳システムの積極的活用などを通して、より実践的な語学力の習得を目指します。
2.スマートでタフな交渉能力の涵養
「スマートでタフな交渉能力」とは「自他の文化と教養に精通し、文化的慣習をわきまえ、対等に交渉することで創造的な結論を導き出せる能力」を意味します。「国際関係論」「アジア政治論」等の総合政策学部開講科目の積極的な履修に加え、PBL形式のディベートシミュレーションである「ケーススタディ演習」を通して、一般的な語学検定試験のスコアには表れにくい「問題発見力」「問題解決力」「自己表現力」を身に付けます。留学等の「プログラム修了プレゼンテーション」や「卒業研究報告会」を中国語あるいは英語で行い、母語話者との質疑応答能力を外部評価委員が判定することで学習成果を評価します。
3.海外留学、研修の推進
「卓抜した語学力」や「スマートでタフな交渉能力」を兼ね備えたグローバル人材を育成するために、海外留学は極めて重要な位置を占めます。本学では、独自の奨学金制度や授業料等減免制度による経済的支援のほか、専門の教職員による留学前・留学中・留学後のきめ細かな指導・支援を行っています。留学を通して、グローバル人材として具備すべき知識・能力を修得できるようなシステム「主体的な留学プログラム(Active Studying Abroad Program: ASAP)」により、学士課程終了まで一貫したサポート体制を敷いています。