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銀行定年退職後に博士号取得 本学大学院卒業生が論文を上梓

 学位論文をまとめて上梓したのは、本学大学院国際協力研究科博士後期課程開発問題専攻を2009年3月に卒業し、現在、武蔵野大学政治経済研究所客員研究員を務める樋口圀彦さん(71)で、「日本における貨幣鋳造権の歴史的展開」のタイトルで2013年2月25日に株式会社「おうふう」から出版されました(224頁 定価2500円+税)。
 樋口さんは、慶応大学法学部政治学科を卒業後、30有余年にわたり銀行員の生活を続けましたが、学問への思い止みがたく、定年退職後の2001年4月、本学大学院国際協力研究科博士前期課程に入学し、銀行員としての経験を活かし日本の貨幣の鋳造権について研究を続け、2009年に博士後期課程を修了しました。
 このたび出版された著書は「日本の貨幣の変遷をあとづけ、各時代の貨幣の背景に、露わにまたは密かに存在した鋳造者の意図と、その流通を支えた政治勢力の攻防を解明することを目指したもので、貨幣史を政治史の一部門として取り扱う研究は極めて少ない」(故 利光三津夫 慶応大学名誉教授)ということです。

 著書出版について樋口さんは「たくさんの方々の好意に助けられて、念願の出版を果たすことが出来、ほっとしております。この出版を契機に、次なるテーマに向かって前進しようと思っております」と話しています。また、樋口さんの大学院在学中から指導にあたった本学大学院国際協力研究科長の松田和晃教授は「学問に年齢の限界などないことを示して下さった好著で、論旨はもちろんのこと、各頁に展開されている真摯な研究心は、私自身も学ぶところが少なくありません」と話しています。

2013.4.2