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教育実習を行った4年生の実習報告会を開催しました


 次年度教育実習を予定している八王子3学部の3年生を対象とした「教育実習Ⅰ」の授業で、教育実習を終えた4年生4名を招き、教育実習報告会を開催しました。
 いずれの発表も、充実した実習ぶりがうかがえる内容で、力強い先輩の言葉に3年生は大いに刺激されていたようです。以下にそれぞれの報告の概要を掲載します。


【保健学部 健康福祉学科 4年 武図彩華さんの報告】

 私は母校である諏訪清陵高等学校で3週間の教育実習を行った。
 3週間で13時間授業を行った。1年生は主に生活習慣病の範囲、2年生は性教育の範囲を担当した。保健科は授業時間が少ないので、初日から授業を行った。あらかじめ範囲を指定されていたので、1、2年生ともに初回分の指導案を作成して実習に臨んだ。そのおかげで焦らず授業を行うことはできたが、初回は25分余らせてしまった。65分授業のため、時間配分がうまく行えなかったこと、生徒の反応を見たり(ノートに写し終わっているかなど)生徒と対話をしたりすることがあまりできなかったこと、区切り区切りでのメリハリをつけた授業が行えなかったことが課題としてあがった。この3点は、13回全部の授業を通して課題となり、特に時間配分と、生徒との対話が私の課題であった。

 反応のいい講座もあればよくない講座もあるので、後者の場合には、生徒が興味をもってくれるような、生徒が身近に感じられる話題を踏まえた具体例を考えたりすることに苦戦した。授業の最後に授業の感想や授業を通して分かったことや疑問に思ったことを書いてもらった。これは、時間が余ってしまうための対策の一つとして行っていたが、授業を通して生徒に伝えたかったことが伝わったか、生徒がどう感じたのかを知ることができ、とても有意義なものとなった。
 授業のない時間は、教材研究をしたり、他の教科の先生や実習生の授業の見学をしたりした。授業をするにあたり、教材研究を十分にしておくと、その分自信をもって落ち着いて授業を行え、不安な点が残っていると、その分授業にも不安を覚え、緊張してしまう。また、他の先生や実習生の授業はできる限り見学した方がよいと感じた。特に、他の実習生がいる場合、その授業を見ることで、話し方や板書の仕方、間の取り方などについて自分自身をふりかえることができる。また、他の実習生の授業を先生方の授業と比べることで、自分にも共通している課題が見つかる。このように、他の実習生の授業から学べることはたくさんあるので、できるだけ多くの、様々な教科の実習生の授業を見学するといい。
 1週間目はなかなか生徒と積極的にコミュニケーションを取れずにいたが、研究室に来てくれる生徒や部活動の生徒を通して、徐々に生徒とコミュニケーションがとれるようになっていった。養護教諭を目指していることや、年齢が近いということもあり、悩み相談をしにくる生徒もいた。生徒からも「実習生だし歳も近いから話がしやすかった」と言われた。教師という自覚をもって生徒と関わることも大事だが、実習生であるからこそできる生徒との関わりもあるので、その中で見えてくる生徒の悩みや考えを、実習を通して知ることは重要であると感じた。生徒との関わりが増えていくにいたがって、もっと早い段階からより多くの生徒と関わりを持つことができたらよかったと後悔した。3週間は本当にあっという間に終わってしまうので、積極性をもつことが大切であると感じた。
 教師になりたいという気持ちがいっそう増した、充実した3週間の実習となった。


【外国語学部 英語学科 4年 内山洋行君の報告】

 私は、母校である埼玉県立狭山清陵高校に3週間行ってまいりました。教育実習を終えて思うことは、あっという間の3週間だったということと、学校の先生は本当にいい仕事だなということです。私の実習の感想や体験を詳しくお話ししたいと思います。
 実習が始まる前は、「ちゃんと授業できるのか」「生徒と仲良くなれるか」など色々なことが不安で、仕方ありませんでした。実習が始まって、初めて教室で生徒と会ったとき、やはりなかなか会話も続かず、私自身とても緊張してしまいました。しかし、日に日に私も生徒もお互いの存在に慣れ、会話が弾むようになりました。相手が心を開いてくれるのを待つのではなく、積極的に自ら心を開くことが重要だと思います。生徒にとっては見ず知らずの人がいきなりクラスに来るのですから、最初はどんな人なのかをうかがっている状態だと思います。

 初めの1週間は指導教諭の先生について、担任のクラスのホームルームや担当している授業を見学させていただきました。そこで指導教諭の先生がおっしゃったことは「この1週間はホームルームや授業をたくさん見学して環境に慣れ、いろいろ感じること。そして、生徒とのコミュニケーションをたくさん取ること」でした。
 2週目に入り、ショートホームルームや授業を実践することになりました。やはり、高校生といえども、40人もの前で話すのはとても緊張しました。授業に関しては、教材研究をたくさんして、授業の練習をして、とにかく準備をたくさんすることです。そうすれば自分で授業の流れを把握でき、余裕を持てます。
 授業で一番大事なことは、「生徒にわかってもらいたい」という気持ちです。実習生として授業をしますが、生徒にとっては先生なわけであって、テストの範囲を任されているので、責任重大です。
 2週目には体育祭もありました。私自身すごく楽しみにしていて、当日も気合が入っていました。なぜそんなに楽しみだったかというと、私の教師を志望する理由でもあるのですが、生徒と体育祭や文化祭などの学校行事を楽しみたい、盛り上げたいと思っていたからです。クラスの生徒の応援をしたり、写真を撮ったり、リレーの教員チームとして走ったり、1,000メートル走を走ったりと、私自身も楽しんでいました。私から積極的に生徒との交流を増やすと、生徒もそれに応えてくれて、私が走っているときも応援してくれました。それは本当にうれしかったです。
 3週目に入り、指導教諭の先生が持っている授業をすべて担当しました。授業が増え、授業の準備にかかる時間もかなり増えました。野球部の活動にも出ていたので、毎日毎日寝不足の日々で、かなりハードでした。あためて先生方の偉大さを感じました。
 3週間の実習は、とても忙しい毎日で、たいへん疲れました。しかし、それ以上に楽しかったし、やりがいを感じました。また学校に戻りたいと思っています。なぜそんなに忙しく、ハードなことなのに続くのかを考えてみると、私はこの答えにたどり着きました。それは、生徒の何げない言葉や行動がうれしく、それがやりがいなんだということです。実習最終日には色紙をもらい、涙が出てしまいました。この3週間であらめて教師の魅力を実感しました。


【総合政策学部 4年 船木麻里さんの報告】

 私は、神奈川県藤沢市立明治中学校で5月13日〜31日までの3週間、社会科担当で実習を行いました。実習期間は授業や生徒との向き合い方など、毎日が勉強で、決して楽ではありませんでしたが、その苦労以上に充実し、有意義な実習を送ることができました。
 ここで、3週間の実習を経て私が「苦労したこと」、「工夫した点」、「実習を行う上でのアドバイス」を、「授業」と「徒指との関係」という視点でまとめたいと思います。
 まず授業面で私が苦労した点は、教材研究・授業計画の難しさです。今回私は地理の授業をしました。実習中、生徒を前にしての授業を経て痛感したのは、ただ淡々と一方的に教科書の内容だけを教えるだけでは、生徒の授業への食いつきがほとんどなく、生徒の学習意欲向上にはつながらないということです。そこで、どのような授業にすれば生徒は集中できるのか、生徒参加型の授業を目指すにはどのような教材・資料が必要なのか、発問はどのタイミングですればよいかなど、毎日遅くまで教材研究・授業計画・授業の流れの確認を行いました。

 次に工夫した点を挙げると、1つ目に視覚教材を用意しました。視覚教材を掲示するだけで、いつもは下を向いている生徒も顔を前に向けるので、「ここを教えたい!」というところや、生徒の集中力が途切れている時などに見せると、とても有効だと思います。2つ目に、他の科目・学年の先生の授業を見学し、様々な指導技術を学び、自分が授業を行う上での参考にしました。
 授業面でのアドバイスは、授業を行うときは表情を明るく、声も大きく自信をもって行おうということです。また、社会科は全体的に教える知識が多く、現在私たちの身の周りで起こっていることも教材となるので、常日頃から新聞に目を通すことが大切です。
 次に生徒との関係で苦労した点ですが、実習当初は生徒から話しかけてくることがなかったので、コミュニケーションをとるのがとても大変でした。そこで工夫したのは、授業以外の時間はできるだけ生徒と過ごすようにしたということです。加えて、学校に着いたら教室や校舎内を巡視したり、放課後にはいろんな部活動を見学しに行ったりしました。すると、徐々に生徒から話しかけてくれることが多くなり、生徒との関わりが増えたことによって、実習がより充実したものになりました。
 最後に、生徒との関係についてのアドバイスは、3週間という短い間であっても、実習生が生徒に与える影響は大きいということを忘れてはいけない、ということです。生徒は実習生の服装や言動、実習態度を細かく見ているものなので、実習を行う際にはその点に一番気を付けて欲しいと思います。また、いろんな生徒がいるので、生徒一人ひとりの個性を認めたうえで接して欲しいと思います。


【外国語学部 英語学科 4年 小林里江さんの報告】

 私は5月27日〜6月14日の3週間、府中市立府中第七中学校へ実習に行って参りました。担当学年は1年生、とてもやんちゃな学年だと実習前に聞いており、不安と緊張の中、私の教育実習は始まりました。
 実習期間中の流れは1週目に授業観察、2週目から授業が始まり、3週目に研究授業をするというものでした。授業実習は基本的に指導教諭の指示ややり方に従い、これまでの授業の流れを崩さないようにしました。私が特に苦労したことは、生徒をどのように動かしていくかです。大学でやった模擬授業とは全く異なり、生徒は私の思ったとおりには動いてくれません。そこで教壇に立つ先生としてどのように指示を伝えてゆくかを模索し続けました。聞いてもらおうではなく、どうしたら聞いてもらえるか、を常に心に置きながら50分間という短い授業の中で生徒と向き合い続けました。

 授業実習に続いて私が一番力を注いだのは生徒対応です。約100名いる生徒たちは毎日違う表情を見せ、日々予測しないような事態が起こります。実習生として私にできることはごく限られたことではありましたが、生徒との時間をできるだけたくさんとることを目標にして、生徒が教室にいるときは、いつもそばにいるように心がけました。生徒の名前を早く覚えるように努力したのもそのためです。生徒との距離が少しずつ近くなっていくことが大きな喜びでした。
 この実習中に気づき、大切にしたことが2点あります。まず一つ目は現場の先生方は本当にお忙しいということです。初めは何をすべきか分からず、身動きが取れないような状況でしたが、こちら側が積極的にできることを見つけ、動けるよう努力すると、忙しい合間にも先生方は声をかけてくれ、支えてくださいました。何も言われてないから・・・・・・と受け身のままでいるのではなく、自分が役に立てるよう努力する姿勢を先生方はきっと見逃しません。
 そして2つめは、生徒をかわいいと思えるか、おもしろいと思えるかです。生徒は本当に毎日違うことをいろいろやります。それが時には悩みの種になって行き詰まることはありましたが、そんなことがあっても一緒にいて楽しかったし、おもしろかったし、そして生徒の皆さんの事が大好きになりました。生徒と関わることに喜びを見いだせるかが、自分にとってよかったと思える実習になるかならないかの大きなキーポイントだと思います。生徒あっての実習ですから、常に目の前に生徒を置き、生徒のことを考え、全力でぶつかっていけば、必ず素直に受け止めてくれると思います。
 実習3週間は本当に大変でした。けれども、それ以上にたくさんの発見や喜びがありました。この貴重な経験を一人でも多くの方がされることを心より願っております。
 最後に、未熟な私を心から受け入れてくださった府中七中の皆さんに心より感謝申し上げます。


2013.07.23