楽しみながら防災意識を高めてもらおうと、本学主催・八王子消防署共催の「防災ふれあいフェア」が11月30日、八王子キャンパスで開かれ、親子連れなどで賑わいました。
この「防災ふれあいフェア〜家族で楽しむ防災訓練!〜」は、平成25年度文部科学省の「地(知)の拠点整備事業」に採択されたのを受け、本学保健学部救急救命学科の教育資源を社会貢献の形で活かそうと、八王子消防署の全面的な協力を得て初めて行われたものです。
同フェアは、八王子キャンパスのD棟・E棟・F棟前の広場や、F棟の4教室など、広いスペースを使って、はしご車搭乗体験や煙体験、倒壊建物救助訓練、初期消火訓練、放水訓練、応急救護、火災発見大声体験、ロープ渡り訓練など、盛りだくさんのイベントが展開されました。スーパーボールすくいやバルーンアートなど子供向けのイベントも用意されたこともあって、開場前から親子連れの市民が次々と訪れました。そして煙が充満したテントの中を潜り抜ける煙体験や命綱をつけてロープ渡りをするレスキュー訓練、炎めがけて放水する初期消火訓練など思い思いに各コーナーで防災訓練を体験していました。
このフェアには八王子消防署から署員40名が参加したほか消防車両6台も出動し、子どもたちをはしご車の先の籠に載せて30mの高さまでのばす搭乗体験を手伝ったり、校舎屋上からロープで降下する訓練を披露して集まった人たちの拍手を浴びていました。
また、本学からも保健学部救急救命学科の学生40名を含む70名が参加し、日ごろの授業の成果を活かして応急救護の指導にあたったりしていました。
この日は曇り空ながら時折薄日のさすまずまずの天気で、午後3時までに635名の親子連れなど市民が会場を訪れて終始賑わいました。
八王子消防署によりますと、防災訓練は各大学でも行われていますが、市民を対象に大学がこうしたフェアを開催するのは珍しいということです。
杏林大学は文科省「地(知)の拠点整備事業」の採択を受け、「都市型高齢社会の健康と安心」を主題に、学生と地域関係者が共に学ぶ「生きがい創出」、退職団塊世代の「健康寿命延伸」、大規模自然災害に備える「災害に備えるまちづくり」について、三鷹市・八王子市・羽村市と連携し、講演会をはじめ様々な取り組みを進めています。今回のイベントは、このうちの「災害に備えるまちづくり」の1事業として企画したもので、中心になって取り組んだ保健学部救急救命学科の和田貴子教授は「イベントを通じて市民の皆さんに防災意識を高めてもらうとともに、本学が防災に取り組んでいることを知ってもらう良い機会になったと思います。学生たちも現場の消防署員とふれ合い、教訓になったと思います。これをきっかけに救急救命学科の教育について、これまでの“救急救命”に加えて、“防災教育”まで分野を広げることも検討したい」と話しています。