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日本消化器免疫学会で三好学内講師が学術奨励賞を受賞

 医学部消化器内科学教室の三好 潤学内講師が、8月1日と2日に京都で開催された、第56回日本消化器免疫学会総会で学術奨励賞を受賞しました。本会は、消化器疾患と免疫にかかわる臨床研究、基礎研究を発表、議論する歴史ある学術集会です。毎年、全国から優れた研究成果が報告され、活発な討議が行われています。
 三好学内講師は、「周産期母体への抗生剤曝露により子に生じる腸管dysbiosis、免疫発達異常、炎症性腸疾患リスクの上昇」という演題で発表を行いました。今回の研究は、周産期、幼少期の抗菌薬使用と炎症性腸疾患発症リスク増加が関連するという疫学研究から着想を得たものです。ヒトでの観察研究では関連性は示すことができても、因果関係・メカニズムまでは言及できません。そこで、三好学内講師は、この疫学的知見を模倣するマウスモデルを世界で初めて報告し、その臨床経過、免疫発達、腸内細菌など微生物の構成や機能の解析を行いました。
 抗菌薬は多くの妊産婦、子ども達の生命を救っている大切な薬剤です。医学的に必要と判断される場合には適切に使用するべきです。一方で、抗菌薬が不要な状況では、むやみに使用すべきではないと考えます。耐性菌の問題もありますし、三好学内講師の研究の他にも、幼少期の抗菌薬使用と喘息や肥満との関連を示唆する報告があります。まだまだ考えるべきことは多いように思われます。
 当教室では、今後もヒトと微生物の構成や機能の相互関係を切り口とした研究をすすめてまいりたいと考えております。ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。


     久松教授と三好学内講師(右)

     久松教授と三好学内講師(右)

2019.8.10
医学部消化器内科学教室教授 久松理一