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白土学内講師が第91回日本衛生学会学術総会で若手優秀発表賞

 3月6日から8日に富山でWEB開催された第91回日本衛生学会学術総会で、医学部 衛生学公衆衛生学教室 白土 健学内講師が、若手優秀発表賞(ポスター賞)を受賞しました。
 白土学内講師は、新型コロナウイルスSARS-CoV-2が宿主細胞に感染するときに使うスパイクタンパク質のS1サブユニット(ヒトACE2受容体への結合部位)が、マクロファージの炎症性応答に及ぼす影響とそのメカニズムを検討してきました。
 今回の発表「SARS-CoV-2スパイクタンパク質はTLR4シグナルを介してマクロファージを活性化する」では、マウス初代培養マクロファージおよびヒト・マウスマクロファージ細胞株を用いた実験で、S1サブユニットがNF-κBおよびストレス応答MAPKシグナルの活性化と各種の炎症性サイトカインの産生誘導を促し、Toll様受容体の1つであるTLR4の働きを拮抗薬やRNA干渉で阻害するとこれらの応答が大きく軽減されることを明らかにしました(Shirato K and Kizaki T: Heliyon, 7: e06187, 2021)。
この結果は、新型コロナウイルス感染症COVID-19の重度炎症機構の解明と重症化に対する予防法の確立に繋がるものと期待されます。本学会において、この発表が特に優れた研究発表であると評価され、この度の受賞となりました。
 白土学内講師は、「受賞を励みとして、新興感染症の実態解明のために少しでも貢献できるよう一層研究に邁進する所存です」と話しています。

2021.3.11
医学部 衛生学公衆衛生学教室 教授 木崎節子