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保健学部の学生と教員が日本臨床細胞学会「ベストいいね!賞」受賞

(左から)表彰された塚越さん、大河戸准教授、三澤さん

(左から)表彰された塚越さん、大河戸准教授、三澤さん

6月10日から12日まで「第63回日本臨床細胞学会総会(春期大会)」が東京都港区の会場およびWebサイトで開催されました。
同会のWeb開催部門において、本学保健学部臨床検査技術学科4年生で細胞検査士養成課程の三澤幸美さん、塚越菜津子さん、そして大河戸光章准教授の発表3題が、200近い演題の中から「ベストいいね!賞」を受賞しました。
この賞は、一般演題の発表をWebで視聴した参加者の投票で決まります。参加者は最もよい発表1つに“いいね!ボタン”で投票し、票を多く獲得した発表に学会長より「ベストいいね!賞」が贈られます。

演題のタイトルは、「月経周期におけるSIL細胞の出現性の違い」(三澤さん)、「月経周期におけるHSIL細胞の出現形態の違い」(塚越さん)、「月経周期における子宮頸部由来細胞の剥離性の違い」(大河戸准教授)です。
3題それぞれの発表で、細胞診の偽陰性が分泌期初期に生じやすいこと、HSIL(高度異型扁平上皮病変)の出現形態が増殖後期では孤立性になりやすく見落としが起こりやすいこと、子宮頸部病変細胞の剥離と腟への蓄積は増殖期初期には著しく少ないことなど、新たな発見を示しました。これらの発見は細胞診の精度向上に貢献できるだけでなく、子宮頸がん検診に自己採取HPV検査が導入された際の採取のタイミングにおける重要な情報となりえます。

受賞について三澤さんは、「答えをすぐ知ることが出来る受け身の授業ではなく、自分が持った疑問を自分の力で解決する研究を行えたことは、とても良い経験になりました」、塚越さんは「普段何気なく細胞標本を観察していましたが、改めて月経周期や細胞形態に基づいて解析することで、新たな発見に至りました。研究によって、より一層、細胞を観察する楽しさに気づきました」とそれぞれ感想を述べました。
自身も受賞し、2人の学生の指導をした大河戸准教授は、「三澤さんと塚越さんが授業や臨地実習の合間に懸命に取り組んだ研究成果が認められたことを嬉しく思います。学会会場では初めてにも関わらず、堂々たる発表でした。発表後、婦人科医や細胞検査士から寄せられた質問等にも的確に回答していました。2人の今後の活躍が楽しみです」と研究発表の成果を高く評価し、今後の活動に期待を寄せました。


3人の発表内容は、すでに国際学術雑誌Cytopathology 2022Acta Cytologica 2022Microorganisms 2022 に掲載されています。



保健学部臨床検査技術学科 教授 島田 厚良


2022.8.1