杏林大学の由来である、杏の実の活用を進めているプロジェクトの学生たちが、三鷹キャンパスで今年収穫された杏の実を使ってジャム作りをしました。
「杏林」は中国の三国時代の名医として知られる董奉(トウホウ)が、患者から治療代を受け取る代わりに杏の苗を植えてもらい、収穫された実を穀物と交換して貧しい人々を助けたという故事に由来します。立派な人格を備え、社会に貢献できる人物の育成を目指す本学では、創立当初からキャンパス内に杏の木を植え、医学部開設の1970年からは、1期から3期生が毎年一人1本ずつ植樹をした歴史もあります。
~~ 杏の実プロジェクトを推進している医学部 粟崎 健教授から~~
大学のキャンパスに植えられた杏の木は、春には桜より一足早く開花し咲き誇り、初夏には梅より早く実をつけます。学内に実ったフレッシュな杏の実を活用して何かできないだろうか?そんな思いから、渡邊学長の呼びかけのもと「杏の実プロジェクト」がはじまりました。まずは学内の杏を使ってジャムを作ってみよう!ということで、本年は植木屋さんにお願いして、杏の実を収穫していただきました。1年生から3年生の学生有志と生物学教室のメンバーで、7回にわたって収穫した杏を使ってジャムを作りました。煮詰める時間や砂糖の分量を変えて、試行錯誤しながらたくさんの無添加の手作り杏ジャムが出来上がりました。絵心ある学生がデザインした素敵なラベルも作り、たくさんの瓶詰め杏ジャムが完成しました。
夏休み明けに、杏ジャムを使ったお菓子やシロップ漬けにした杏で作ったゼリーを用意して、医学部新講義棟のラーニングコモンズで試食会を行いました。キャンパスの杏の美味しさに驚きつつ、学年を越えた交流を楽しみました。杏作りに参加した学生は、想像以上の出来に満足していました。またこの際に、完成したオリジナル杏ジャムを、医師になるまであと一踏ん張りの臨床実習で多忙な5年生全員に、日ごろの感謝とエールを込めてプレゼントしました。
みなが楽しめるような美味しい杏ジャムができるか心配でしたが、予想以上の出来に満足しています。将来的には、杏林の由来となった董奉が行ったように、杏の林でとれた『杏の実』を人々のために役立てる活動を学生さんと一緒にできたら嬉しいです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
プロジェクトに参加した学生達からは、「キャンパスの杏に触れることで、大学の由来や良医とはどういうものなのか、考える機会となった」、「試行錯誤しながら取り組んだプロジェクトがこうして実ったことが嬉しい」、「学年を越えた交流ができたことが嬉しかった。このような取り組みを深めていきたい」などの感想が聞かれました。
杏林の由来は【こちら】