医学部5年生の加藤大貴さんが、第193回日本胸部外科学会 関東甲信越地方会で発表奨励賞を受賞しました。
日本胸部外科学会は、胸部外科学の進歩と普及に貢献し、学術文化の発展と医療福祉に寄与することを目的に1948年に創立され、約8,200人の会員を有する歴史ある学会です。関東甲信越地方会は、心臓血管外科、呼吸器外科、食道外科の3分野の医師が領域を越えて技術の研鑽を行うと共に、研修医や医学部生など次世代の医師が学ぶ機会として開催されています。
11月11日に都内で開催された本会で加藤さんは、「左回旋枝動脈より起始し冠静脈洞に開口する冠動脈瘻に対し外科的治療を施行した1例」を発表し、心臓分野の学生発表として発表奨励賞を受賞しました。
発表に至った背景には、本学医学部の特色の1つである、学生が積極的に教室の基礎研究や臨床現場に触れることができる「自由参加プログラム」があります。加藤さんは、心臓血管外科学教室を選択し、研究に取り組みました。
受賞した加藤さんは、「演題となった症例は非常に稀な疾患でガイドラインもないため、解剖を詳細に評価し治療を選択する必要がありました。これまで座学や病院実習を通して、既存の治療を受動的に学んでいた私にとって、能動的に論文を調べ、治療選択や起こりうる合併症を考察するという経験は非常に刺激的な経験でした。今回このような発表の機会をいただき大変うれしく思っています。お忙しい中、何度もご指導いただきました教室の先生方に感謝しています」と、達成感と謝意を述べています。
指導を行った遠藤英仁准教授は、「加藤さんは実習等で忙しい中、発表に取り組みました。心臓血管外科の学問に関心があるだけでなく、非常に真面目で勤勉に取り組む姿勢に感銘を受けました。1つ1つ丁寧にスライドを作成し、疾患の基本的知識の習得、文献検索による新たな知見の獲得、そして、総合的な考察と目を見張るように成長していきました。今回の経験を今後の医療に生かして頂ければと思います。また、加藤さんのように当科の自由参加プログラムを希望される学生に対し、教室を挙げて協力、および指導をさせて頂きます」と話しています。