杏林大学医学部消化器内科学教室は、中等症から重症のクローン病に対するグセルクマブの寛解維持における有用性を検証するための、第2相の国際共同試験に参加しています。
この度、第2相ランダム化二重盲検プラセボ比較試験で、治療薬グセルクマブによる寛解維持の安全性と有用性を見出し、世界で最も評価の高い医学雑誌の一つである「Lancet Gastroenterology and Hepatology」に12月14日付けで掲載されました。
グセルクマブは、インターロイキン23(IL-23)のp19タンパク質に対するモノクローナル抗体です。炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)ではIL-23を標的とした治療の有効性が高く注目されており、グセルクマブは3剤目のIL-23p19に対するモノクローナル抗体になります。
炎症性腸疾患の分野では国際共同治験が行われることが一般的になり、欧米と日本のドラッグ・ラグはほとんどなくなってきています。本学医学部付属病院消化器内科も炎症性腸疾患包括医療センター(Interdisciplinary Center for Inflammatory Bowel Disease: ICIBD)の重要な活動の一つとして多くの国際共同治験に参加しています。