令和5年度の卒業式が3月17日、三鷹キャンパスの松田進勇記念アリーナで挙行されました。午前に医学部と保健学部、午後に総合政策学部と外国語学部と、それぞれ分かれて実施され、保護者も多数参列したほか、インターネットでも式の様子がライブで配信されました。
卒業生は、医学部109名、保健学部642名、総合政策学部250名、外国語学部252名、大学院は、医学研究科21名、保健学研究科35名、国際協力研究科19名の、合わせて1,328名です。式ではまず卒業生の代表に学位記が手渡され、学業などで優秀な成績を修めた卒業生に、学園長・学長賞が贈られました。
式辞に立った渡邊 卓学長は、杏林の故事に触れた上で、「皆さんが社会に出て取り組む仕事では、分野や職種に関わらず、細かなところまで十分な気配りをし、相手に心から喜んでもらえるよう心がけてほしい。時代の動きにしなやかに対応し、新たなチャレンジをする姿勢を失うことなく、逞しく生き抜いて行ってほしい」とエールを送りました。
松田剛明理事長は午前の部で、「皆さんのこれからの人生は、人に何かを与え、やりがいや生きがいを感じることで成り立つ。研鑽を積んで一人でも多く患者を救ってほしい」と述べ、また午後の部では「あきらめずに自分の夢や目標を達成してほしい。これから様々な経験を積み、将来、多くの人から必要とされ、社会の役に立つ人材に成長することを期待している」と祝辞を送りました。
続いて在学生の送辞に対して、卒業生を代表して保健学部の細谷美月さんと外国語学部の津村友里さんが、それぞれ「杏林で得た知識や技術をもとに、待ち受ける困難に立ち向かい、たゆみない努力と成長を続けて行く」「コロナ禍の入学当時は胸を膨らませていたのとは大きく異なるキャンパスライフだったが、先生方、職員の皆様、家族の支えがあって充実した大学生活を過ごすことができた」と答辞を述べました。式のあとは、各学部に分かれて一人一人に学位記が渡されました。また、卒業式の最後には杏林大学吹奏楽団による演奏が行われ、オリジナル曲のアプリコットマーチを披露し式典に華を添えました。
この日は4月下旬並みのあたたかな一日となり、三鷹キャンパスは杏の花が咲き誇る中、華やかな装いの卒業生たちが互いに写真を撮り合いながら大学生活最後の一日を和やかに過ごす様子が見受けられました。
また、卒業式に際して、本学付属病院に入院中の患者さんからも心温まる祝辞が寄せられました。この患者さんは、聴力に障害がありましたが、今月、長時間に及ぶ難手術を受けられました。この日、式に臨む卒業生たちの会話が、手術の成功で聞こえるようになった耳に届いた時、感動の涙が流れて来たということで、「志の高い理念ある大学の教育に携わった教職員の皆様に心から敬意を表します。この大学で学んだ卒業生の皆さんが、この先多くの方々を救って下さることをお祈りします」と綴られています。