医学部6年生の竹山英太朗さんが、昨年12月に行われた第9回心電図検定の2級に合格しました。心電図検定は、心電図にかかわる知識の普及と、医療の質の向上を目的に一般社団法人 日本不整脈心電学会により創設された検定です。
検定は、心電図の基本的な所見を問う問題が出される4級から、心電図のエキスパートを目指す人が対象の1級まであり、受検者は、医師・看護師・臨床検査技師・医療系学生・医療関連業者などです。
竹山さんが受検した2級は、基本的な心電図所見、不整脈、虚血性変化を問う問題、さらに疾患による心電図所見の判読やペースメーカの心電図の判読に関する問題などが出題されるもので、5,472人が受検し、3591人が合格。合格率は65.6%でした。竹山さんは成績優秀者として日本不整脈心電学会のウェブサイトで紹介されています。
心電図検定2級合格にあたり 医学部6年 竹山英太朗
私は元々電気生理学が好きで、体表から心臓の動きがわかる心電図が面白いと思っていました。また、医師が学び直したい検査法のトップが心電図という記事を読んだり、心電図検定の存在も知るなどして興味を持っていました。
5年生の病院実習で本学の循環器内科を回った際、臨床の最前線で活躍されている先生方の熱意を体感すると同時に自分の心電図読影の未熟さを痛感しました。実習中に先生方から沢山のご指導を頂き、副島京子先生が心電図検定受検を勧めて下さり、受検を決めました。
2級を選択した理由については、2級までの心電図をきちんと勉強すれば救急の現場で出会う心電図まである程度対応できるのではないかと思ったからです。
受検対策に有効だったのが、副島先生と松尾征一郎先生が毎月1回開催している“心電図勉強会”という学生が参加できるプログラムへの参加でした。ここで共に学ぶ仲間ができたことがモチベーションの維持にも繋がりました。勉強会は心電図検定の対策をするのではなく、心電図の成り立ちから症例実践までを少人数で教えてもらえるため、理解が深まり、とても勉強になりました。
心電図検定の資格を持っていても特に何かできるわけではありませんが、検定合格までに得た知識を色々な人と共有して医療の質を高めたり、患者さんへのより良い治療に繋げたいと考えています。今回の合格に留まらず、患者さんを救える医師になれるようにこれからも頑張っていきたいです。そして、応援してくれた仲間達、ご指導頂いた先生方に改めて御礼申し上げます。
循環器内科学教室 副島京子教授の談話
日本不整脈心電学会が主催している心電図検定は医師やメディカルプロフェッショナル、医学生が多く受験する検定です。その難易度に関しては、4級は医学生・メディカルスタッフ、3級は国家試験レベルよりも一段階上の一般臨床医と循環器勤務のメディカルプロフェッショナル、2級は一般循環器医、循環器勤務ベテランメディカルプロフェッショナルに向けた試験です。2級は合格率も低いなか、優秀な成績で合格した竹山くん、心からお祝い申し上げます!心電図の面白さは体の外から何も侵襲を加えずに心臓の働き、機能を知ることができることです。まず見て慣れることから始めよう、ということで数年前から昼ごはんを食べながらの心電図クラスをやってきました。
熱心に“考えながら”心電図を理解することをやってきた竹山くん、いよいよ医学生の最終学年です。素晴らしい医師になられること、心から楽しみにしています。将来一緒に働けるといいなと感じています。おめでとう!