本学医学部「統合医療研究部」に所属する学生10名が8月9日(金)〜10日(土)の2日間、南会津町の舘岩愛輝診療所で「へき地医療見学」に臨み、へき地の地域医療の現状を学びました。
福島県の西南部に位置する南会津町は、令和2年(2020年)の人口の高齢化率が41.9%を超えた山間部へき地(面積の92%が森林)です。訪問先の舘岩愛輝診療所には常駐医師が山田仁医師しかおらず、最も近い診療所に行くのに自動車で30~40分もかかります。
この「へき地医療見学」は岡本博照准教授(保健学部、医学部兼担)の紹介により平成24年(2012年)から始まり、今年度の活動で10回目を迎えました(令和2年~令和4年はコロナ禍で中断)。これまでの活動では、僻地診療所の外来や在宅診療の見学を通して、地方の医療過疎の実態を体験し、内科や小児科、小外科、脳卒中や心筋梗塞などの初療を担うなど様々な症状の患者の受け皿となる地方の診療所の重要性を学んできました。また、現在ではこの活動を体験した学生が医師となり、総合医療学、救急医学、内科、外科、小児科、精神科等などの第一線で活躍しています。
今回の活動責任者である統合医療研究部の梅野孝志郎さん(医学部3年)は「山田先生からは、医師には知識が必要であることに加え、笑顔で患者さんの話を聞くこと等の基礎の部分から、信頼を得るために求められる事といったことまで細かく教えて頂き、とても勉強になりました。今回の実習を通して、へき地医療について改めて考える良いきっかけとなったと共に、将来に向けてのモチベーションがとても上がりました。」と話しています。
引率した岡本准教授は「長年、診療でご多忙の中、本学の医学生の指導をしていただいた山田所長ならびにスタッフの方々には大変感謝しております。この体験により彼らの見聞が広がり、今後、見識豊かな臨床医の育成に一役買うことができれば、幸いに思います。また、今回の見学に帯同した平岡修医師(総合医療学教室、統合医療研究部OB)にも感謝しております。」と話しています。