11月9日に港区で開催された第196回日本胸部外科学会関東甲信越地方会で、本学医学部6年の青山 稔さんが演題発表を行い、最優秀賞を受賞しました。
青山さんが発表した演題は、「TF-TAVI術中急性大動脈解離Stanford A型に対して緊急上行大動脈および大動脈弁置換術を施行した一例」です。本ケースは、患者の術前精査で大動脈弁二尖弁が疑われていましたが、手術を開始した後、経食道心エコーで上行大動脈に乖離が認められたことから、血管内超音波を施行し、急性大動脈解離Stanford Aと確定診断されました。そのため、緊急上行大動脈と大動脈の弁置換術を施行した結果、術後19日目で患者は無事独歩退院することができた症例を発表したものです。
【受賞した青山 稔さんのコメント】
指導医を務めてくださった稲葉先生は、私の所属するバスケ部の先輩です。尊敬する大先輩に当直や緊急手術などでご多忙の中ご指導いただき、感謝してもしきれません。更に今回は、窪田教授が会長をお務めになった地方会でもありました。バスケ部コンビで準備を重ねた結果、このような記念すべき回に最優秀賞、しかも窪田教授のご署名入りの賞状を頂くことができました。
また私の発表は日本胸部外科学会「JATS Case Presentation Awards」にも選出され、来年の総会での推薦発表も決まりました。大変強く心に刻まれるような経験をさせていただき、幸甚に存じます。心臓血管外科の先生方、ご協力賜りました他科の先生方、そして座長・審査員の先生方にこの場をお借りして深く御礼申し上げます。
卒業後は杏林に入局して、心臓外科医としてお世話になった先生方と共に働ける日が待ち遠しいです。これからも先生方に教わりながら良き心臓外科医になり、患者さんのために精進してまいります。
【指導医 心臓血管外科学教室 稲葉雄亮 助教のコメント】
青山さんは、卒業試験を1週間後に控える多忙な中でも発表準備に全力で取り組み、限られた時間を最大限に活用しました。その発表は症例に対する深い理解と鋭い考察に裏打ちされたもので、審査員から高い評価を受けました。その内容は学生の域を超え、まるで心臓血管外科のレジデントが行った発表のようでした。
私自身、指導医として青山さんの準備をサポートする過程で、多くの学びと刺激を受け、これほど高いレベルの後輩を指導するためには、自身のさらなるスキルアップが必要であることを改めて実感しました。優秀な後輩を育成する責任の重さを痛感するとともに、私自身も成長し続ける重要性を再認識しました。
次は医師として共に患者さんの治療に携われる日を心より楽しみにしています。