【Regis College研修報告】
リージス大学はボストン郊外にあり、とても閑静なエリアにある総合大学です。訪米時期がちょうど新年度にあたったので、新入生への歓迎セレモニーとウェルカムランチへ参加させて頂きました
米国では、日本の診療放射線技師とは教育システムも免許制度も全く異なります。しかし学ぶべき専門科目の内容自体は同じですので、今回は超音波技師養成コースと核医学技師養成コースの講義に参加しました。学生のほとんどが女性だったので、これが普通かお聞きしたら、たまたまこのクラスがそうなったとのことでしたが、普通でも女性の方が多いそうです。
クラスは20名以下と少人数であり、講義中も積極的に質問をし、教員からの質問にも積極的に答える(間違うことを全く恐れない)姿は、まさに理想的な講義スタイルだと強く感じました。我々の学科では学生数が約60名と3倍いますが、このようなスタイルを是非工夫して、少しでも取り入れたいと思いました。お子さんが2名いる学生もおり、お土産の日本のお菓子を大変喜んでいました。
グループディスカッションでは、サーベイメータの特性に合った用途について検討し、簡潔に説明するよう課題があり、本学科の学生も2名ずつに分かれて参加し、積極的に討論に加わっていたのが印象的でした。予定より1日分少ないリージス大学での研修でしたが、とても充実していたと思います。
【Boston Children’s Hospital研修報告】
ボストン市内は公共交通機関がかなり発達しており、短期滞在の我々にとって、移動がとても助かりました。
ボストン小児病院は市内の中心部、ロングウッド・メディカル・アカデミックエリアに位置し、ハーバード大学医学大学院の隣にあります。宿泊先のホテルからMBTAという電車と徒歩で向かいました。ここでは放射線検査部門のうち、単純X線撮影部門、X線CT部門、核医学部門を見学しました。研究施設もあり、そこも案内してくださいましたが、そこで、米国核医学会の大御所であるDr. Faheyから研究施設の説明がありました。とても光栄なことです。検査室では、技師の方々が検査に立ち会わせてくれたり、モニターで画像の説明をしてくれたり、大変熱心に説明をしてくださいました。スタッフも小児病院らしく、入院生活が少しでも快適になるように工夫を施していました。
小児病院から徒歩10分ほどのところに、ボストン美術館があり、技師の皆さんも「ぜひ行きなさい」ということで、実習を早めに切り上げて、徒歩で美術館まで案内してくださいました。
【Dana Ferber Cancer Center研修報告】
ダナ・ファーバーがん研究所はアメリカ国立がん研究所指定のがんセンターで、小児病院と同じくロングウッド・メディカル・アカデミックエリアにあります。がんセンターとしては米国でもトップクラスの施設です。ここでは若い女性の技師の方が放射線部門のうち核医学関連部門を中心に、米国での技師の仕事内容について説明をしてくれました。日本では診療放射線技師は薬剤投与などは法令上できませんが、米国では放射性医薬品の注射などは技師の仕事です。日本では医師や看護師がやるといったら、「うらやましい」といっていました(笑)。
見学中に、放射線科の新人医師たちへのレクチャーがあり、参加しなさいと、最前列の説明される先生の横に座らされました。内容はPET/CTの画像診断でしたが、かなり高度な内容も多く、学生にはほとんどわからなかったかもしれません。
PET/CTの検査室では、別の女性技師の方がモニターを見ながら画像解剖について質問をしておりましたが、学生たちは事前に臓器の英語名を勉強していたらしく、よく答えており、大変感心しました。
【Boston City Tour】
帰国前日はボストン市内の観光を計画しましたが、ここでまたハプニング発生。案内してくれるはずだったリージス大学の先生が、出張先からの飛行機が大幅に遅れ、到着が夜になるとのことで、市内観光は自力で行うことになりました。
ホテルからウォーターフロントまで送迎車で送ってもらい、周辺の散策からボストンコモン、ショッピングエリア、マサチューセッツ工科大学、フェンウェイパークなど、ボストンの名所を回り、無事に送迎車にも再会でき、最終日を満喫しました。ボストン市内は多くの場所で治安が良く、比較的安心して行動ができましたし、電車利用が大変便利でした。問題は時間通りに運航しないこと位でしょうか・・・
【まとめ】
この研修の目的は、日米の診療放射線技師の違いを学び、米国人の技師の仕事に対する考え方や心構えを肌で感じ、自身の将来設計に役立ててほしいことです。日本の診療放射線技師教育はかなり高度であり、学問レベルは世界のどこに行っても見劣りしません。そのことを理解し、自信をもって勉強していくきっかけになったのではないかと思います。