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[海外研修]クイーンズランド大学研修(2017/8/26〜9/3実施)

2017年度 クイーンズランド大学研修から帰国した学生の体験記を紹介します。


渡航期間:2017.8.26~2017.9.3
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保健学部作業療法学科 岸野 寿々帆

 私は夏期休暇期間の9日間を使って、海外PT・OTの臨床現場を見学・体験するために、オーストラリアのクイーンズランド大学の研修に参加させていただきました。
 私は学校の講義で海外のリハビリテーションの内容について少し触れたことがありました。しかし、それはほんのかじりであって、具体的にどんなことをしているのか、あるいは日本と同じようなことをしているのか、と全くイメージが湧きませんでした。そのため、今回の研修が海外のリハビリテーションを詳しく知ることができる良い機会だと思い、参加を決意しました。 この研修は元来、PTの内容のみのものでありましたが、今年はOTの見学や体験も特別に加え、施行していただいた研修でした。PTもOTもお互いの職種を学べる内容になっており、さらに、日本でなく海外で学ぶことができることがとても楽しみでした。しかし、不安や心配もありました。私は英語を書くことは好きでしたが、英会話が苦手でした。聞き取りが特に苦手で、ホームステイ先の方と上手くコミュニケーションがとれるかとても不安でした。また、親元を離れ、海外で生活することを今まで一度も経験したことがなかったため、文化や生活の違いを受容できるかなど、心配事は尽きませんでした。
 楽しみと不安が入り交じった気持ちのまま、ついに海外研修が開始されました。ホームステイはPT学科の知り合いと一緒の場所でした。ホームステイ先は、仕事を退職され老後を一人暮らしで過ごす方(以下、ママ)でした。ママは気さくで優しく、地元のことを熟知していたため、不慣れな海外の交通機関について詳しく説明してくれました。また、自分がお世話になる部屋はきれいで十分な広さがあり、特にママの食事はとても美味しく、不安な気持ちが和らぐ感じがしました。自分にとって、十分に整った環境で研修を受けることができました。
 講義では、クイーンズランド大学の教室をお借りし、現地の先生方から講義を受けました。
 講義の内容はICFや障害受容など、大学の講義で学んだことが多かったため、英語で説明されても理解しやすかったです。グループディスカッションが多く、拙い英語でも相手に一生懸命伝えることの大変さを感じましたが、上手く伝わったり相手に理解してもらえた時は嬉しく、徐々に講義を楽しく学ぶことができました。
 見学では、都市や郊外へ赴き、地域で活躍されているOT・PTの方々から様々なお話を伺いました。オーストラリアでは、PTはDrのような大きな存在で、怪我や病気をしたらDrが診断し、リハビリテーションが必要な方はPTの方へすぐさま流れ、適切な処置をするようなシステムでした。リハビリテーションルームは、病院の中というよりはスポーツジムのような雰囲気でした。日本の病院のリハビリテーション室は、施設の片隅に小さく設置されているようなイメージでしたので、驚きました。現地の患者様は、精神疾患が最も多いと統計が出ていて、外傷では脊髄損傷が多い印象でした。その国で多い疾患や怪我は、その国の文化や生活様式を表しているものだと学びました。
 研修の後半では、OTとPTが別々の施設を見学する機会がありました。OTは、小児病院とOT・PTが協力して開業している場所を訪れました。オーストラリアのOTは日本と異なり、高齢者よりもこれから生まれる新しい命に対して厚い手当を付与している、また、病院に止まらず地域で活躍する方が多い印象でした。地域で活躍されている方は、日常生活で起こった怪我(子育てによって起こった腱鞘炎など)に対するスプリントの製作やリハビリの提供を行っていました。日本もこのように高齢者だけではなく子供への手当を厚くしたり、医療を地域へ広げ、病院にかかる負担を軽減できるような工夫を施すべきであると思いました。
 8日目の1日フリーデイは、OTとPTの友人を交えてゴールドコーストへ行きました。到着次第すぐさま海岸の方へ向かいました。ちょうど天気が良く、海は青く広がり、心に残るとてもきれいな景色でした。また、海岸の砂はサラサラとしていて、裸足で歩くと気持ちが良かったです。人の心に安らぎや清々しさを与える自然の大切さを感じた1日を過ごすことができました。
 最後に、今回の研修は医療やリハビリテーションについてだけでなく、英語やジェスチャーでコミュニケーションをとる大変さや、オーストラリアの自然や文化や生活様式などの他文化を直接肌で感じることができ、とても貴重で充実した9日間を過ごすことができました。企画に協力をしてくださったSTATravelの方々、海外研修に対する相談に乗ってくださった水戸さん、引率してくださったOT丹羽先生、PT村上先生、9日間お世話をしてくださったママ、この研修に関わってくださった全ての方々に深く感謝申し上げます。