本学と羽村市は、相互の資源および研究成果などの交流を促進し、活力ある地域社会の創造、人材育成および両者の発展に資することを目的に、平成22年6月に包括的な連携協定を締結しました。それにより、教育、生涯学習、まちづくり、健康・福祉などさまざまな分野で連携した取り組みを展開しています。
また、文部科学省の補助事業である「地(知)の拠点整備事業」に共同応募し、補助採択を受けたのを契機に、連携事業では大きな広がりが生まれています。
そこで、これまでの羽村市との取り組みをご紹介し、今後の連携活動の輪をさらに広げ、継続性のあるものとするために、交流・意見交換を行う「杏林・羽村コモンズ」を9月12日、13日に羽村市生涯学習センターゆとろぎにて開催しました。
12日の開会式には、羽村市から並木市長や 羽村市議会の石居尚郎議長、本学より松田副理事長、跡見学長、スノードン副学長など多くの方にお越しいただき執り行いました。
以下、開会式でのご挨拶を紹介させて頂きます。
【跡見学長】
土曜日の貴重な時間にご参集いただき有難うございます。
大学は地域との連携を深めてこそ存在意義があると思います。本学は「新しい都市型高齢社会における地域と大学の統合知の拠点」事業として、「生きがい創出」「健康寿命延伸」「災害に備えるまちづくり」の3分野を軸に、地域との連携を行っています。本学が羽村市と連携を深めるためにこれまで取り組んできたことをお伝えし、今後の展開のためにどのようなことが必要か、皆様からご指導ご助言をいただけたら幸いです。
【並木市長】
杏林大学との連携は、羽村市民の生涯学習の原点となる取り組みだと思っております。今後も杏林大学と羽村市の結びつきがさらに強化されますよう、本日のコモンズがその一助となることを願っております。
【松田副理事長】
本学は三多摩地区の住宅街に位置していますので、地域との交流を深めることは重要だと考えています。文科省から採択を受けた「地(知)の拠点整備事業」の取り組みが、このような形で羽村市と地域交流を深める活動に繋げられたことを大変嬉しく思っております。
続いて学生と教員が市内で行った活動を4団体から発表、紹介がありました。
総合政策学部木暮ゼミの学生5名による「はむら若者フォーラム」、保健学部石井先生と3名の理学療法学科生による「スポーツ機会提供プログラム」、外国語学部井手ゼミ6名による「商店街活性化プロジェクト」、外国語学部坂本ゼミ4名による「羽村市の外国人観光客増加のための提案」の発表があり、それぞれ市役所の方にご指導いただいたことや市民の方との交流について報告しました。
杏林大学教員・市民の代表者・市職員によるトークセッション(テーマ:連携から共生へ)では、コーディネーターを務めた総合政策学部の進邦先生の進行で、地域をめぐる今後の取組みについて考え、活発なやり取りが行われました。
羽村東口商店会の佐藤さん、外国語学部古本先生、羽村市企画総務部長の井上さんにご参加頂きました。各パネリストより、学生が羽村で活動していることに対する良い点が挙げられ、「学生の未完成の良さ」や「商店会の人のやる気へつながっている」という話もあり、連携を結んでいる本学の学生が果たしている役割が大きいことを再確認することが出来ました。
9月13日はTakeout Campusと題し、4学部による公開講座を行いました。1限目の副学長、スノードン先生は「日本語のローマ字、外国語のカタカナ書き」をテーマに、表記上の注意を講演くださいました。2限目の総合政策学部岩隈先生は今日話題の「プライバシー・個人情報保護とマイナンバー制度」を取り上げました。続いて、救急救命学科の千田先生による「災害から命を守るための救急法」では、先日起こった豪雨による堤防決壊などを盛り込み、いかに対応するかお話しいただきました。4限目は医学部の吉田先生により、「病気にかかりにくい生活習慣―がん・心筋梗塞・脳卒中―」を取り上げ、受講者は興味深く耳を傾けていました。どの科目も定員を上回る人気となり、大盛況のうちに終了しました。