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静脈奇形に対する硬化療法がついに保険収載 — モノエタノールアミンオレイン酸塩(オルダミン®)薬事承認を経て治療体制が大きく前進

静脈奇形に対する硬化療法が、ついに保険診療として認められることになりました。これは、杏林大学医学部形成外科学教室の尾崎峰教授を中心とした多施設研究グループが、長年にわたり取り組んできた成果です。

まず、治療に使われる薬剤「モノエタノールアミンオレイン酸塩(オルダミン®)」が、2024(令和6)年12月27日に薬事承認を受けました。多くの医療機関が協力して行った医師主導治験により、この薬剤が静脈奇形に対して有効で安全に使えることが証明されました。

薬事承認を受けたあと、尾崎教授らは形成外科だけでなく、放射線科、心臓血管外科、小児外科など、この治療に関わるさまざまな診療科とともに、硬化療法そのものを保険診療として認めてもらうための準備を進めました。全国から手術データを集め、外保連試案への掲載を経て、厚生労働省に医療技術評価提案書を提出しました。

その結果、令和8年度の診療報酬改定で、硬化療法が正式に保険収載されることになりました。

静脈奇形は、痛みや腫れ、機能障害など生活の質を大きく損なう疾患であるにもかかわらず、これまで硬化療法は保険適用外であったため、最善の治療であっても受けられない患者さんが少なくありませんでした。今回の保険収載により、治療へのアクセスが大きく改善され、国内において標準的な治療として提供できるようになります。

また、安全に治療を広めていくための教育体制づくりも進んでいます。令和7年10月には、日本形成外科学会基礎学術集会で講習会が行われました。今後はe-learningの整備や、治療の考え方や方法をまとめた指針づくりも予定されており、より安全で均質な治療提供を目指します。

今回の保険収載は、静脈奇形で悩む多くの患者さんにとって、大きな希望となる出来事です。研究者や医療者たちの努力が実を結び、治療の選択肢が大きく広がることになりました。

※モノエタノールアミンオレイン酸塩(オルダミン)の有効性と安全性を検証した多施設共同医師主導治験は、AMED臨床研究・治験推進研究事業(JP20lk0201115)の支援を受けて行われました。 ※研究結果に関する論文は、オープンジャーナルである『PLOS One』に2025年1月31日付で掲載されています。

   硬化療法

       

研究グループ(前列中央が尾崎教授)

2026年2月17日