7月31日(金)と8月1日(土)の2日間、杏林大学三鷹キャンパス 医学部講義棟Aにおいて救急医学教室の松田剛明教授とともに「第40回 日本バイオフィルム学会学術集会・第6回 日本ファージセラピー研究集会 合同学会」を開催いたしました。当日は大変な暑さのなか220名を超える方々にご参加いただき、盛会のうちに終了することができました。
今回の学会では、「バイオフィルムとファージの邂逅」を副題に掲げ、バイオフィルムとファージという2つの研究領域を横断した議論が行われました。
バイオフィルムは、細菌と細菌が生成する成分により形成される膜状の細菌の集団であり、地球上に存在する細菌の最も一般的な形態です。また、細菌感染症の難治化にも深く関わっていることが知られています。一方、細菌に感染するウイルスであるファージを利用したファージ療法は、多剤耐性菌感染症に対する治療法として注目されているほか、バイオフィルムを崩壊させる作用にも関心が集まっています。こうした背景から、今回の合同学会では両領域の研究者が集い、基礎から臨床にわたる幅広い内容の発表と議論が行われました。この2つの研究領域をつなぐ試みは、国内で初めてとなります。
会場となった288席の講義室は、両日ともほぼ満席となり(写真下左)、施設を活用して行われた48題のポスター発表では、最新の研究成果の発表と、活発な意見交換が行われました(写真下右)。若手研究者も多数参加し、研究者同士の交流を通じて、新たなつながりが生まれる機会となりました。


特別講演では、筑波大学の豊福雅紀先生には、バイオフィルムにおけるファージの関わりについて、また、本学臨床感染症学教室の倉井大輔教授にはバイオフィルム関連感染症の実情についてご紹介いただきました。教育講演では、古川聡特任教授による、宇宙とバイオフィルムに関するユニークで興味深いご講演をいただきました。
シンポジウムでは基礎と臨床をつなぐテーマに加え、若手研究者による講演が行われました。大会長の松田教授によるランチタイムセッションでは、留学時のご経験をもとに、若手研究者への温かいメッセージが送られました。
さらに、第40回日本バイオフィルム学会学術集会の記念講演では、神谷茂名誉教授に、これまでの学会のあゆみを振り返っていただくとともに、今後の学会の発展に向けた展望をお話しいただきました。


今回の合同学会は、2つの研究領域の研究者が一堂に会し、お互いの知見を共有するとともに、新たな交流や研究の可能性を広げる貴重な機会となりました。
総合医療学教室、救急医学教室のスタッフをはじめ、大変多くの皆様のご尽力とご協力により、無事に開催することができました。
ご参加いただきました皆様、また本学会の開催にあたりご支援、ご協力を賜りましたすべての皆様に、心より御礼申し上げます。

杏林大学医学部総合医療学・高齢医学教室 教授 花輪智子
2026年8月12日