「センキョ割」は選挙の投票率を向上させようと、全国のネットワーク組織が各地で展開している運動です。有権者が投票所でもらえる「投票済証明書」を、運動に協力している商店やレストランなどの加盟店に提示すると、代金の割引などが受けられる制度です。選挙を研究テーマの一つとする総合政策学部の木暮ゼミでは、去年からこのセンキョ割をゼミのテーマに取り入れていて、ゼミ生50人の代表である藤田知樹さんは、三鷹・吉祥寺・羽村のエリアでセンキョ割を広める活動のリーダーをつとめています。
センキョ割の普及で最も重要なのは加盟店を増やすことです。藤田さんはグーグルマップを見ながら、運動に賛同してくれそうな、主に個人経営の店に片端から電話とメールでアポを取ります。会ってくれる店はごく一部で、コロナによる業績悪化を理由に断わられる店や返答のない店も多い中、藤田さんは1日に何時間も電話をかけるなど粘り強く説得を重ねました。その結果、今夏の参議院選挙では、ゼミとして14店舗の参加を取り付けました。今後、ゼミではこれらの加盟店を維持しながら、新規の加盟を増やすことを目指しています。
大学に入ってから、やりたいことが見つからず、何となく過ごしていたと言う藤田さんですが、センキョ割の活動を通して、自分が地域社会と繋がっていることや、自分たちの努力で社会や国を良くすることもできることに気が付いたと言います。今回の参議院選挙では、若者の投票率が3年前の前回より3.16ポイント高くなりましたが、藤田さんはこれには全国の学生によるセンキョ割の活動も寄与しているのではないかと考えています。木暮ゼミが担っているこのエリアでの加盟店はまだまだ少なく、センキョ割の若者への認知度も低いのが現状ですが、藤田さんは若者にもっともっと選挙に関心を持ち、政治への参加意識を高めてもらうために、これからも自分ができることをして行きたいと抱負を語っています。
※記事および各人の所属等は取材当時のものです
総合政策学部 半田英俊ゼミナール 4年
花村 南帆(はなむら なほ)さん
大河原 崇樹(おおかわら たかき)さん
今井 大知(いまい だいち)さん
(2024年6月取材)