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大学ホーム>ニュース&イベント>【トピックス】 中国語(北京・上海)海外研修引率報告

2007年中国語(北京・上海)海外研修引率報告  参加学生の感想

外国語学部講師 張弘

数年ぶりに再開された中国語海外研修は8月19日から9月2日までの約2週間行われ、東アジア言語学科7名、応用コミュニケーション学科2名、合わせて9名が参加しました。研修先は初めて杏林大学の協定校である北京第二外国語学院が選ばれました。
8月19日7時という早朝にもかかわらず、全員元気に成田空港に集合しました。猛スピードで発展する中国を自分たちの目で確かめたい、学んだ中国語を現地で試したい、中国人の生活を体験してみたい・・・みんな期待と不安な気持ちを抱きながら様々な思いを胸に北京へと旅立ちました。

【中国の大学での勉強】
中国の朝は早く、語学研修プログラムの日課は毎朝8時から始まり、12時までに4コマをこなさなければなりません。朝が苦手な日本人学生には少々つらい日課ですが、海外研修の緊張感と中国語しか話さない先生とのやり取りの面白みからか、ほぼ全員皆勤でした。研修の内容は口語が5割を占める他、リスリング、ネット用語、中国画の体験等が盛り込まれています。どの授業も全員日本語が分からない先生で、全部中国語で行われていました。学生たちには最初戸惑いも見られましたが、必死に先生の話す中国語を聞き取ろう、何とかしても自分の言いたいことを先生に分かってもらおうという姿勢が自然に生まれました。

すると、徐々に先生とのコミュニケーションが取れ、授業の雰囲気も生き生きとしてきました。まだまだ片言ですが、少しは自分たちの毎日の行動、感じたことを表現できるようになり、先生に褒められた時はみんなの笑顔が本当に輝いていました。日本では話すのがおっくうそうな学生も話す喜びを味わい、進んで話すようになりました。また、中国画の体験授業では、先生の巧みな筆さばきに見とれつつ、自分たちも思い思いの絵を書き残して、大いに中国画を楽しみました。
語学研修プログラムを終えた時、学生から「来期は中国語を頑張りたい」「もっと話せるようになりたい」、「このまま留学したい」等の声が寄せられました。8日間の語学研修プログラムは楽しい思い出だけでなく、次へのステップとなったようです。

【中国の大学生活を体験】
今回の宿泊先は、北京第二外国語学院キャンパス内にある国際交流センターの施設です。各部屋にはバス(お湯の出が悪い時もある)とトイレ付きで、学校の宿舎とは思えないホテル並みの設備が整っていて、毎日ハウスキーピングもしてくれます。部屋は広くて明るく、長期留学生も利用しやすいようにバルコニーまで付いています。洗濯はコインランドリーが利用できますし、宿舎の2階にはレストランもあり、かなり快適です。日本ではほとんど共同生活したことのない学生たちは、トランプなどのゲームをしたり、おしゃべりに花を咲かせたりして、度々笑い声が聞こえてきました。

中国の大学生は基本的に全寮制で、全員大学構内にある宿舎に住んでいます。教職員の宿舎も構内にあり、教職員及び家族もそこに住んでいます。ですから、大学構内は教室、講堂や図書館などの教務施設以外に、病院、クリーニングや、郵便局、レストラン、コンビニなどがあって、一つの町を構成しています。日本との違いに当初はみんなびっくりして、「ここは本当に大学ですか」と信じられない様子でした。
先生たちの話によると、中国の大学生は朝6時からキャンパス内で外国語を朗読するのが日課です。その風景をぜひ日本の大学生に見せたいところでしたが、残念ながら夏休み中なので、最後まで見ることができませんでした。

【中国語での買い物】
恐らくもっともみんなに自信を持たせたのは買い物でしょう。日本での買い物は値札通りに支払うだけですが、中国の多くの店では値切ることができます。ですから、買い物はいかに安く買うかが一つの勝負です。学生たちは北京に着いた翌日から早速有名な「秀水街」に繰り出して、中国流の値切り交渉を体験してきました。学んだ中国語を振り絞って、何とかなり安く買えたそうです。それからというものの、買い物の楽しみの半分は値切る楽しみとなったようです。ただ、ブランドの偽物が売られていることにショックを受けたようです。
また、学生にとって食堂やレストランなどで中国語で注文するのもおもしろいようです。ウェートレスを呼ぶには「小姐」以外に「服务员」という呼び方もあることを知り、大変気に入ったようです。「服务员」を呼んできては、飲み物や料理を注文して、その通り持ってきてくれたら大いに喜んでいました。今までお茶、コーラ、北京ダックなどは単語として知っているものの、すぐに言葉として出てこなかったのですが、北京に来て自然に言えるようになりました。また、授業中に紹介しても全然印象に残ってなかった「服务员」等の言葉は、レストランで一回体験すればすぐに使えるようになり、現場体験の大切さを痛感させられました。学生たちも、言葉はまさに生き物だと実感したことでしょう。この体験の喜びは大きいですね。

【カラオケ大会&20歳の誕生会】
研修期間中に記録すべき番外編がいくつかあります。 
一つは8月22日に第二外国語学院の隣にある北京传媒大学で全日本青少年中国語カラオケ大会が行われ、そこに杏林大学三年生の村田萌さんが出場するのを聞き、みんなで応援に駆けつけたことです。大変な熱気に包まれた会場で日本を代表する20名の大学生と高校生が競い合い、村田さんは接戦を勝ち抜き、見事2位に輝きました。学生たちは先輩のすばらしい歌声に皆興奮しました。

もう一つは8月23日、研修参加者の松田さんが北京で20歳の誕生日を迎えたことです。学生たちは中国のお土産を用意したり(もちろん値切って買ってきたようです)、ケーキを注文したり、本人に内緒で準備して、二外付近の店でバースデーパーティを開きました。大変盛り上がりました。この特別の誕生会はきっとすてきな思い出として長く記憶されることでしょう。
また、ここで感謝したいのは、北村さん(杏林大学二年生)を初めとする二外にいる交換留学生の皆さんです。彼女たちが研修生たちを観光や食事について案内してくれたり、二外の状況について紹介してくれたりして、二外での研修をより楽しいものにしてくれました。

【世界遺産見学】
北京の観光名所は何といっても万里の長城、故宮、颐和園等の世界遺産でしょう。
私達は8月25日(土)語学研修の中休みを利用し、万里の長城に行きました。中国語では「不到长城非好汉」という言葉があって、みんなは長城が造られた遥かなる昔に思いをはせながら、どこまでも続く長城の階段を駆け上がりました、一面に広がる緩やかな緑の山々にさらに伸びていく長城の雄大な姿に感動しました。

翌日8月25日(日)にはパンダを見に北京動物園に行きました。大勢の観客に目もくれず、寝そべってやる気なさそうに竹を食べているパンダを写真に収めようと努力しましたが、あまりいい写真は取れませんでした。こればかりはパンダのご機嫌次第ですから、仕方がないですね。
動物園の後、清の皇帝の夏の離宮である颐和園へ向かいました。颐和園では長廊等の建築物のすばらしさを見学し、周りの緑豊かな自然環境を堪能しました。何より楽しかったのは颐和園にある昆明湖をボードで回ったことでした。男女それぞれ一つのボードに乗って、戯れ合う笑い声が波に乗って遠くまで響いていました。
また、研修期間中は午後の自由時間を利用して、天安門に上ったり、故宮博物館を見学したり、首都北京を代表する名所古跡を見て回り、大いに見聞を広めました。

【即席謝恩会と修了証書授与】
今年第二外国語学院で夏期中国語海外研修を実施している大学は杏林大学以外に3校がありました。研修が終わりに差し掛かった時に、研修の最終日に学生主催の謝恩会を行う慣例があることを他校から聞かされ、他校に負けず我々もやらなくてはという一心で、前日と当日のちょっとした自由時間を利用して急遽準備しました。担当の先生方への寄せ書き(中国語で)を作ったり、謝恩会での司会及びあいさつなどを練習したりして、何とか自分たちの上達した中国語を謝恩会で披露することができました。

先生方から「杏林大学的学生不错,很有进步(杏林大学の学生はすばらしい。かなり上達しました)」という褒めの言葉を頂き、謝恩会は大いに盛り上がりました。
8月30日、二外の講堂で主任先生から学生9名にそれぞれ立派な修了証書を授与されました。全員90点以上の優秀な成績で語学研修を終えることでき、大変励みになったようです。

【上海観光】
修了証書授与式を終え、10日間滞在した北京第二外国語学院に別れを告げ、中国のもう一つの代表都市上海へと向かいました。
上海では有名な繁華街・南京路とバンド地区に近いホテルに宿泊しました。夜にはテレビ等でよく見たことのある上海の夜景を実際に肉眼で見て、みんな中国の著しい発展を肌で感じました。また、上海博物館、豫園(中国式庭園)を見学し、本場のショウロンポウに舌鼓みを打ち、お土産を買い込んだりして、上海観光を楽しみました。最終日の夜には国際的にも有名な上海雑技団のすばらしいショーを見て、今回の研修を締めくくりました。